0話:夜明けの闇
「結局、私がしてきた事は無駄だったって事だよね」
「・・・・・・」
こうゆう時は黙るのが吉。
どうせ何言っても怒るからな。
「どうして黙ってるの?・・・・何か言ってよ!!」
黙ってても一緒かよ。
女って本当にめんどくせー。
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「痛っ」
夢の世界に旅行中の意識が現実へと引き戻される。
ズキズキする頭をさすりながら軽く深呼吸。
「夢の世界って、ビザの申請とかいらないのかな」
軽く言葉を発し、意識が完全に目覚めた事を確認。
・・・もう大丈夫だよな?
そっと瞼を上げ、周囲を見渡す。
お世辞にもキレイとは言えない部屋。
っても服が散乱しているだけでそれほど汚いってわけでもない。
小物類等はそれなりに整頓されているし、雑誌類もキチント本棚に並んでいる。
まぁ、汚く見えない理由はぶっちゃけ荷物が少ないからなんだけどな。
ベッドから降りると、フローリングのひんやりとした冷たさが足を通して伝わってくる。
もう一度、部屋を見渡してナニモイナイ事を確認。
「おはよう」
誰もいない部屋で一人呟いた声は、夜明けに消える闇と共に消えていった。