33話 衝突
「敵が動き始めたので、壊されないようゲート開けます」
「配置完了。レディ」
「侵入を確認。攻撃開始」
ゲートの内側には堀を作っていた。そのため、侵入者は堀に渡された橋を渡るしかない。だが、先頭が橋の中央付近を越えた時、
バチンッ
橋の上を火花が走った。
火花の光でやられていた視力が戻ると、橋の上にいた人たちは、直立するもの、倒れているものがおりまざり、そして全員焼けただれていた。
「わー、すっげー、電気流れてもアフロにならないんだ。焼肉食いたい」
「いや、お前これ見てよくそれ言えるな」
感電した場合、静電気みたいなピリッとしたものからけいれん、心臓停止まで、程度に違いがある。今回のものは、ほぼ全員意識は意識ありつつも体が痙攣して動いていない。捕縛用に使われる電圧だと当たりをつける。不随電流とか言ったかな。
そんなことを考えていたら
『我々は警察の越権行為を許さない。これより自衛行為に入る』
と、すぐそばのゲートからアナウンスが流れた。
「くそっ! なんなんだこいつら!」
「とは言っても、こちらの戦力はもうほとんど残ってませんよ」
「チッ……上官に連絡する」
「これどうなるんですかね。俺らも突っ込めとか言われたら嫌なんですけど」
「さすがに言われんだろう……とは言い切れないな」
プルルルルルル
「はい」
「こんにちは、ヴィーナです。手荒いマネしてごめんなさい」
まさかの人からの電話で、岡田を手招きして内容を聞かせる。
「いやいや、彼らが勝手にやろうとしたのが悪いんです。して、何かありました?」
「彼ら自衛隊呼ぶみたいで、そのあたり本格的な戦火になりそうです。どうでしょう、うちに来ませんか?」
え?
「たぶん、あなたたちはこのあと家に帰されます。そして、ここは戦場になる。それに直接関係がなくても、私たちを知っているあなたたちは、マスコミや警察に追い回されます」
確かに。
「無理強いはしませんが、私たちはあなたたちに来て欲しいと思っています。もちろん、家族も同伴dー」
「乗った」
岡田は、施設出身の29歳。高卒でこの会社に入ってから12年間、最年少で課長になったが、仕事一直線で恋愛には全く興味がないらしい。家族がいないので、即決できたんだろうが、俺には家族がいる。許可を取らないと。
「佐藤さんはどうしますか? 娘さんとお孫さんも一緒に。ここなら警察も探偵も誰もきませんよ?」
なぜ、娘が探偵から逃げていることを知っている?
「施設も少しずつですが整っていってます。安心してください」
きっと、"あの男"のことも把握してるんだろう。
「わかった。世話になりたい」
「それは良かったです! では後ほど車を派遣するので、荷物を乗せていらしてくださいね。お手伝いもつけます」
「これからよろしく頼む」
「お前たち、電話は終わったか?」
終わるのを待たれていたようだ。意外と律儀だな。
「今日はもう解散だ。とりあえず今後の予定が決まったら連絡する」
そう言って、警察は感電した部下の救出をしに行った。




