24話 サーズ完成
「あれ? 予定よりも少し早くない?」
完成予定は、明日のはずだったが、とりあえず全員で研究室に急いだ。
「記憶上書き装置、アブソリュートライトは培養器内でも問題なく動作するんですが、サーズをを外の空気に慣らさせないといけないと思いまして、13歳相当で外に出てもらったところです」
「2年もすれば留学も慣れるっていうしな」
「はい。なのでここから20時間、実際に体を動かしてもらったりして、体の感覚を覚えさせたあと成長抑制剤を使うことにしました。いまは唯が1号の6人を見てくれています」
「あ、みなさん来ましたね!」
扉を開けると、唯が彼女たちから質問攻めにあっていた。
「ちょっと助けてください……」
「あなたが私たちのお姉さまですか、ミア」
「お姉さま……」
「そしてこちらは私たちの旦那さまですね、イリヤさま」
「旦那さま……」
プルプルプルプル
「「これは誰がプログラムしたーーーー!」」
♢ ♢ ♢
「まあ、実験は成功なのか?」
「はい。全く問題ありません、旦那さま」
返答はなぜかイリヤ型サーズ、サーヴァントからきた。
「旦那さまやめい。これでもここでは女だぞ」
「自分の顔が別にいるって、すごい変な感じですね」
「ミアは分身作って今もせっせと働いているだろ」
ハッとした顔をするミア。さすがポンコツ。既に忘れていたようだ。
「あなたたち、お名前は?」
「私は、サーヴァント個体番号001(ゼロゼロイチ)」
「同じく個体番号002」
「個体番号003」
「個体ば」
「「「もう大丈夫」」」
まあ、そうだよね。そうなっちゃうよね。
「でも、無事この子たちも生まれてよかったね」
「もう少しだけ、頑張って。また明日会おうね」
「「「さようなら〜」」」
「じゃあね!」
「唯と耕太郎、人が必要か?」
「うーん、ヴィーナちゃんだけ借りてもいい?」
「私でよければ」
「ありがとう!」
3人を残し、今日のところは戻ることにした。
「こんな早く完成させるとは。さすが耕太郎と言わざるを得ないな」
啓介がかなり感心している。
「というか、労働力にサーズを充てるっていうことだったけど、結局ロボットは人間の代わりにならないの?」
「確かに。日本でも労働力はロボットに代わられる、と言われているし、クローンであった必要があるんですか?」
優佳と百合愛が気になって聞いてくる。
「イギリスのオックスフォード大の研究は、現在ある仕事の90%は機械に置き換えられ、日本の野村総合研究所も、シンギュラリティの2035年には現在の49%の仕事は機械が担当すると発表しているよね」
「じゃあ、ロボットにとり代わられる仕事って何?」
「えーと、あれ?」
「税理士とか無くなるって聞いたけど」
「そう言われるとあんまりないような……」
そうなんだよね。
「巷で言われているほど、無くなる仕事ってないんだ。たとえば、学校の先生を考えてみようか。授業は今後、動画になっていくだろうね。でも、子どもたちの心のケアや、勉強方針を教えるのは、ロボットでは柔軟性に欠ける」
「確かにそうかも」
「ロボットで代替される仕事っていうのは、なにも考えずに作業をする仕事。逆に、人によって対応を変える必要がある客商売や、作業するロボットたちを管理する仕事は人間が担当しなければならない」
「何事も例外ってあるからなぁ」
「なるほどねぇ」
納得してくれたようでよかった。




