15話 今後の方針
一旦、3人は帰り、退職や引っ越しの手続きをすることになった。
今日は佐野家にお邪魔し、今後について話していた。
「今の会社どうする?」
「思い入れがあるので本当は残したいのですが、打ち上げに成功したことでかなり目標を見失っている人がいました」
「うーーん、ソーニャはどう思う?」
「いい技術者が何人かいたから、スカウトしておきたいと思う。強制ではないけれど、その人達には新しく電磁カタパルト式打ち上げに挑戦することを伝えて、興味を持ってくれたら残ってもらうでどう?」
「なるほど。それはいいですね。では、一旦解散するけれど、実際は先生のもとで研究を続ける、ということでいいでしょうか」
「ああ、それでいこうか」
啓介の会社の処遇は決まった。
「ここまでは少なくとも土地を広げたいね」
「そうだな。飛び地っていうのはなんかな」
「まだ土地広げる気なんですか……」
優佳が呆れていた。
私たちの当面の方針は、クローン人間で労働力を賄い、食料プラントのビルと発電所・送電線の建設、そして防衛兵器の製作になった。
現代において食料はもちろんのこと、電気は必要不可欠。もし何かあっても、地熱発電という天候や時季に左右されない発電機を持っているだけでかなり大きく変わる。また、今は輸入に頼っているが、金属などの地下資源もいずれは自力で調達できればいいなと思っている。
日本という国は、誰かに依存して生きていくだけならとても簡単かもしれない。だが、それでは一生、「与えられたもの」の中で生活していく必要がある。ゲームがあるから、漫画があるから、インターネットがあるから。それでは世界は広がらない。
そうではなく、自分の望む未来を子孫に残していけるよう、努力し発展し続けてきたのが人間の先祖たちだ。だからこそ、人間は地球上のヒエラルキーの頂点に君臨することができた。
すべてをある程度できるよりも、どこか大切なところが他の人と比べてずば抜けて優れている人のほうが価値は高い。
娘たちだけでなく、教え子たちもそのように教育し、その通りに育ってくれた。
私はできるだけ、アドバイスに徹しつつ、彼女たちの成長を見守っていきたい。
彼女たちは今日も一日、科学の発展に向けて成長していく。




