その男は綺麗だった
初めての投稿で緊張していますが、良かったら、読んでいって下さい。
恋というものは残酷である。
不安定なレールの上を歩かされているみたいでイライラする。
それが尚更、僕みたいなやつだと余計に。
壊れても当たり前なくらいボロボロになったレールの上に呆然と立ち尽くす自分の姿がやんわりと黒い影に埋もれて消えていく。
「……っ!…………痛……」
酷く嫌な夢をみた、そして、ベットから落ちるなんて馬鹿なことをしてしまった。
「……いつぶりだよ全く…情けない…」
あんな夢を見た挙句、ベットから落ちるなんて。。。
あーー、今日はついてない。
「そもそも僕が生まれた時点でついてないのか」
薄く冷たい笑みを浮かべた。
こんな卑屈な人間になってしまった僕の名は、新城春16歳。
都内の公立高校に通う男子高校生だ。
「……そろそろ行かないと…入学早々遅刻するわけにはいかないからな。」
桜並木を歩きながら学校へと向かう。
ひらひらと舞う桜の花びらが雪のようだと思った。
「……綺麗だ……」
まだ2、3回しか通っていない並木道が何故か懐かしさを感じさせる。
桜に見とれていると、後ろから気配を感じた。
振り返るとそこには自分とはまた別の雰囲気をまとった綺麗な男が立っていた。
目が合う。
と同時に謎の沈黙が生まれる。
2人ともお互いから目を逸らそうとしない。
その沈黙を先に破ったのは男の方だった。
「…っあ!すみません、あまりに綺麗だったもので…」
そう言いながら僕に近寄ってくる。
僕の前に立つと、男の手が伸びてきた。
春は固まったってしまったまま言葉を出すことがかった。
なんて綺麗な人なんだろうと思うことしか出来なかった。
「……っと、ほら、取れました。」
そう言って、春の髪に乗っていたであろう桜の花びらを見せてきた。
その時初めて、今の自分の条件を理解した春は、慌てて会話をし始めた。
「……っええ!あぁ!あ、ありがとうございます!……ええ!綺麗?なんの事だ!?僕……なわけ……あ!桜!えぇっと、、、」
焦ってしまい、もうそれは会話では無くなっている。
その様子に少し驚いていた男がぷはっと笑いだした。
「ぷはっ!あははは!」
とても恥ずかしかった。
自分はなんて無様なことをしてしまったのだろう。
ほんとに今日はついてない。。。
「あ、すみません、あまりに慌てていらっしゃったので、つい、あはは」
とても謝ろうとしているようには見えなかったが、自分が悪いなと、許してやった。
「ぼっ、僕こそ、あの、すみません……こんな無様な姿を……」
「ふふっ、そんなことないですよ、可愛いというか、綺麗というか、」
全然、フォローになってないだろ!と心で思いながら、男に可愛いはあまり褒め言葉にはなりませんよ。と言うと、そうですね、じゃあ、綺麗で!と言う男にそれもなんか違うだろと思った。
「そういえば、その制服…うちの高校の……1年……ですね。私、その高校、桜川高校の、2年なんですよ。」
と紹介された。
改めて見ると、確かに、これから通う高校の制服だった。
「あ、先輩でしたか!これは失礼しました!気付かずに!」
「いいですよ、全然、それより……そろそろ行かないと、遅刻ですよ?入学早々遅刻するわけには行かないのでは?」
そう言われて時間をみた。
「……え?……8時……わぁぁぁ!まずい後10分しかない!完全に遅刻するー!!」
「ふふっ、これも何かの縁ですし、ちょっとダメですが、後ろに乗ってください。」
そう言うと、少し後ろに置いていた、自転車を持ってきて、後ろに乗せられた。
「ちょっととばすので、しっかり捕まっててくださいね!」
男がそう言うと、いきよいよく風があたった。
「わぁぁぁ!!!」
「あははは!ほんとにあなたは面白い方ですね!」
そう言いながら、学校まで向かった。
気付くと僕は男に強くしがみついていた。
体が熱く火照りだすのを感じながら。。。。
出会いを書くのは楽しいです!
これからも頑張って書きます!