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パラベル!  作者: 甘味
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第一話:不運と幸運?

「・・・どこで間違ったんだろ・・・。」

それは私の口癖だった。


生まれたときから不運なことばかり、

外に出れば必ずどこかに傷を作ってきたものだった。

何もないところで転んだり、溝に足を突っ込んだり。


あ、これはドジなだけ?


限定のお菓子も私の前で売り切れる。

夢を見るときはいつだって悪夢。

エレベーターでは私が乗ると重量オーバー。


まぁ・・・死ぬよりは軽い不運だった。

でも、今日は違う。だって、今日の不運は確実に死が待ってるんだから。


私は宙に浮いていた。


今日は友達と遊園地に来てた。


楽しくて楽しくて、忘れてた。

自分は不運の持ち主なんだって。


ジェットコースターに乗って、

まさか安全装置が外れるとは思わないでしょ?


まさか投げ出されるとは思わないでしょ?


「美紀ー!!」


友達の叫ぶ声、ものすごいスピードでジェットコースターは、

空中に置き去りにされた私を捨てて走り去ってゆき、

声はひどく遠くから聞こえた。


「あー・・・どこで間違えたのかなー・・・。」


私はいつものように口癖を言った。

何の解決にもならないのだけど。


「や、それはもう、生まれたこと自体が間違えなわけです。」



・・・え?


男の声、それは自分のすぐ近くから聞こえた。


何だろ、走馬灯みたいな?

落ちて・・・落ちて・・・ない。

止まって・・・る?


私は空中で止まっていた。

遠くで友達がこちらを向いて叫んでいる顔が見える。

ジェットコースターは動きをやめている。


「・・・状況理解できてますか?」


いや、無理でしょう。


私の思いをよそに、気が付けば私の目の前にいた、

黒スーツを着た男は口を開いた。


「まぁ、勝手にお話ししますね。

本城美紀さん、あなたはこちらの手違いで少々・・・いや、

他の人より相当不運の気を多く持って生まれてきているのです。」



・・・手違い?


「はい、前世で深い罪を犯した者に与える不運の気を

あなたに回してしまったのです。・・・・・・・私が。」



「・・・じゃあ、何?

あんたのせいで私は不幸、今も死ぬ寸前ってこと?」


私が男をにらみつけてやると、

男は少し居心地が悪そうな顔をして言った。


「ま、そういう風に言えなくも・・・。

で、でも、ご安心ください。美紀さんにはお詫びとして、

こちらから素晴らしいプレゼントがあるのですよ!」


男は自信満々に言った。



「・・・何?」


「それはですね、パラレルワールドってご存知ですか?」


「パラレルワールド・・・?SF映画みたいな?」



「そうです。で、美紀さんにはそのパラレルワールドを

3回も行き来する機会が与えられたのですっ!!」


「おぉ!!・・・って、いや、全然何がすごいのか分からないんだけど・・・。」


男は、一瞬やれやれと言わんばかりの顔をして説明を始めた。



「パラレルワールドについての説明からしなければわかりませんね。

パラレルワールドとは、位置の座標関係、瞬間の時間や持続の時間などによって常に生まれ続ける世界のことを言います。」



「いや、全然わかんないよ?」


「まだ途中です。最後まで聞いてください。

・・・つまり、今あなたがこの瞬間に右腕を動かすか、左腕を動かすかで、

既に違う世界が生まれているのです。

同様に、今すぐに右腕を動かすか1秒後に右腕を動かすかでも、

もちろん違う世界が生まれます。


例えば、ボールが飛んできたとします。

そこで簡単に二通りに分けるとすると、

ボールが当たる前に回避するのと、

ボールが当たった後に回避するという2通りになります。

もちろん後者は既にボールが当たってしまっているので、

この2通りはそれぞれ全く違う未来へと繋がっています。


もしあなたがボールに当たったとしたら、

それと同時に回避しているあなたも存在している・・・というのは分かりますか?」



・・・私が痛がってるときに、別の世界でボールを避けた私じゃない『私』は

平然と過ごしてるってわけね。


私は黙ってうなずいた。


「なら、次の質問も分かりますね。

ボールを回避できなかったあなたがいる世界が現実世界。

回避することができたあなたがいる世界がパラレルワールドとすると、


そのパラレルワールドに行くことができるってことは、どういうことだと思います?」


ボールを回避できない私が、『私がボールを回避できる世界』に

いけるってことは・・・

私にはボールが当たらなくて済む。

つまり・・・


「えっと・・・危険を未然に回避できるってこと?」



「そう、でもそれだけじゃない。そんな自己防衛オンリーのくだらない話ではありません。

使いようによれば、宝くじだって当てられる、

大統領にだってなれる、世界征服だって・・・できる。」



そういって男はニヤリと笑った。



やばい・・・これって今すごく幸運が来てるのかもしれない・・・。



私は、今の幸運を確認するために頬をつねった。


「・・・・・・痛いや・・・。」


初めまして、甘味と申します。

今回、私の初作品となります、「パラベル!」です。


正直なところ、パラレルワールドって何なのか、

wikipediaを読んでも分からなかったりで、

説明が不足してるところもあるやもしれません。


非常に設定が探り探りな感じですが、

どうにか完結まで持っていきたいと思います。


どうか、よろしくお願いいたします。

誤字の指摘や、小説自体への感想、

お待ちしております。

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