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よくある恋のお話。
人の心は儘ならない。
自分の心でさえ儘ならないというのに、
どうして他人の心を動かすことができるだろう。
そう、そもそもどうして、あんな男を好きになってしまったのか。
こんなはずではなかったのに。
なんともこの世は無常である。
私は恋愛にいい経験がない。
二度あることは三度ある。
いや、もはや三度どころではない。
どうして毎回こうなのか。
やはり恋愛にも向き不向きがあるようだ。
己の見る目の無さに、もはや脱帽である。
1度目は、免疫のない私は少し優しくされただけで簡単に恋に落ちた。
私のことを好きだと言った言葉を信じていた。
しかし、その男には恋人がいた。
2度目は、一回り上の男だった。
年も上だし、知識が豊富で頼りがいのあるところが好きだった。
私と結婚したいと言う言葉を信じていた。
しかし、その男は他にも相手がいた。