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彼の夢は未だ覚めず  作者: すらいむれべるいち
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冷やし中華

朝の部の放映が終わり、声をかけて窓を閉めてから


お昼のために大釜で麺を大量に茹でている。


茹で上がったら笊に開けてを繰り返し、氷水でしめていく。


キュウリを千切りにして沢山用意して、錦糸卵も同じ様にしていく。


鶏肉は既に茹で上がってる物を取寄せて、解してからボウルへ移す。


タレは市販の物だが、元の世界でも利用していた物を選んだ。


後はトマトを四分の一にカットして盛り付ければ完成だ。


「うん、タレの方も味は変わってないな」


一度キッチンカーから出て外の気温を肌で感じてみたが、やはり少し暑い様だ。


これなら売れるだろう。


時間も迫ってきているので、キッチンカーへ戻り客寄せを始めた。


「いらっしゃいませー! 暑いときには涼しい物を、冷やし中華はじめました!」


定番のセリフもしっかり言わないとね。


「また変わった物を売り始めたな! よし、ひとつくれや!」


「お、久しぶりですね。 俺の住んでた所では暑くなるとよく食べるんですよ」


「ほう、そうなのか! よし、やっぱり二つだ! 二つくれ!」


「はい、お二つですね。 少々お待ちください」


その後も、何度か顔馴染みのお客さんと話したが


昨日と今朝の販売が好評だったようで、二度目の購入は殆ど不可能に近いらしい。


お客さんに聞いた話なのだが、二週目に並んでも窓に辿り着く前に売り切れになるんだとか。


そのため、並びなおすのではなく最初から多めに購入していくことにした様だ。


「おい」


「はい、おいくつですか?」


「私は王都の料理人だ。 これのレシピを寄越せ」


何だこの人…。


「王都ですか、それは遠い所からわざわざお越し頂いた様で…」


「挨拶は良い、さっさと渡せ。 貴様も王都の一流店、サンメーラで使われるのだから光栄に思え」


うわー、面倒なのに絡まれちゃったぞ…。


「あ、ちょっと待ってくださいね。 皆さん、時間になりましたので上映を開始しますね」


朝の時の様に


いや、それ以上に盛り上がってる。


だけど…。


「貴様! ふざけているのか!」


「あー、はいはい。 お客さんじゃないなら脇に避けてくださいね、邪魔なんで」


「おい貴様!!!」


「あ、お次の方どうぞ」


面倒な人は自滅するまで放置しておくのが一番だ。


皆がお行儀よく並んでいるのに、割り込みの様に横から入り脅してくる。


完全に無視を決め込んでいるが、販売の方に著しく遅れがでている。


そもそも、王都の料理人と言っているがここは帝都なのだ。


うん、邪魔だ。


「ポチ、頼んでいいか? 俺の見える位置で適当にキッチンカーから剥がしてくれ」


「わかったでござる!」


ポチが走っていき、王都の料理人を人の少ない広場の中心へぶん投げた。


周りに人が居ないことを確認し、周囲の空間を固定してお終いだ。


少し待っていれば酸欠にでもなるだろう。


そう思い、様子を見ながら販売を続けた。


「いやー! 兄ちゃんもペットも強いな! 王都は飯が上手いが料理人はクズばっかりだ。 無駄に高いプライドと人を蔑む事が楽しみな連中なんだよ。 そのせいで、俺達の様な冒険者は帝都か魔都くらいにしか行かないのさ。 だけどな、兄ちゃんが帝都で上手い料理を出す屋台を開いてくれて俺は嬉しいぜ。 何か困ったことがあったら言ってくれよな!」


「はい、有難う御座います。 そうだ、お名前をお聞きしてもいいですか?」


「おお、いいぜ! 俺はランド、冒険者ギルドに所属しているギルド員さ! よろしくな!」


「俺はトオルです。 こちらこそ、よろしくお願いします」


おっと、そろそろ空気を吸わせないと。

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