サンドウィッチ
朝になり、適当な時間で目を覚ました。
広場まで歩いて行き、キッチンカーを停めてディスプレイを設置する。
そして、販売する物の取寄せを始める。
朝に軽く食べられる物、今回はサンドウィッチ。
レタスとトマト、そこにチーズとマッシュポテトを
バターを塗った食パンに挟んだ簡単な物だ。
ケチャップやマスタードの使用も考えたが
それらは注文を受け付けたときにかけられる様にボトルに入れる事にした。
取り寄せがある程度融通を利かせてくれるので、条件を指定して探せば大体みつかる。
我ながら便利な才能を手に入れてしまったものだ。
せっせと取り寄せては棚に置いて行く。
そうやって時間が来たところで、窓を開いた。
さあ、今日も頑張ろう。
「時間になりましたので、只今から販売を開始いたします。 ご購入の方は一列に並んでください!」
と、俺が声をかける前に既に一列に並んでくれている。
お客さんと世間話をしながら商品を捌いていると、次に並んでいたのは男爵だった。
「ほう、これが主の店か。 今日は儂も映画とやらを観ようと思って来たのだが、これは期待出来そうだ」
「あはは、ゆっくりしていってください」
男爵に手を振って見送り、また販売を開始した。
もうすぐ時間になるが、商品も残りが少ないため
完売したら上映開始だ。
「残り十個となりましたので、お並びの方はご注意ください!」
念のために声をかけた後、最後のお客さんへ挨拶をする。
知ってる顔だったからだ。
「フィーラさん! おはよう御座います!」
そう、最後に並んでいたのはフィーラさんだったのだ。
「おはようございます! 今から出勤なんですが、ギリギリ間に合ってよかったです」
「あはは、無理しないで朝ご飯はしっかり食べたほうがいいですよ」
「大丈夫ですよ! いざとなったらギルドの調理場で適当に作っちゃいますから」
それは大丈夫なのだろうか…。
「まあ、程ほどに。 ところで、また夜にお伺いしたいんですが。 買取の方は大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫ですよ! 恐らくですが、本日のお昼頃に取引が成立します。 それと…夕ご飯なんですが…」
「はい、大丈夫ですよ。 今日もお酒と、それに合う料理を持っていきますよ」
「わあ、有難う御座います! 昨夜のお料理もとっても美味しかったので期待していますね!」
フィーラさんはそう言って手を振りながら去っていった。
「おっと、時間だ。 只今より、朝の部の上映会を開始します」
広場には大量の人がいて、指笛が響き歓声がわいた。
昨夜の予定通りだ。
朝の作品は名前を書くと、その書かれた人が死んでしまうノートの物語だ。
俺は内容も知っているため、観客の顔を見ながらアイスを取寄せて食べていた。
しかし、目敏いお客さんも居るようで
しっかりと見つかって売り物か聞かれてしまった。
だが、どのアイスでも言いというのであれば問題はない。
何故なら、キッチンカーをアイス屋の内装に買えてやれば無限に出てくるのだから。
結局、朝の上映会が終わるまでは売り続ける事になってしまったが…。
んー…、確かに今日は少し暑い気がする。
これならば、お昼の販売物を変えて冷やし中華にしてみようか。




