三本
こちらの世界では、プリンというお菓子は無いそうだ。
ポップコーンもホットドッグも未知の食べ物となるので、今更一つ増えようが気にもならない。
「プリンは、出来れば最後に食べてください」
ポップコーンを先に食べる人と、ホットドッグを先に食べる人で分かれたが
どちらも喜んでもらえた。
「噂通りですね! 珍しくて、とっても美味しかったです!」
顔を見ていればわかるが、フィーラさんが言葉にして伝えてくれた。
「それは良かったです。 あ、皆さん食べ終わったみたいですね」
「美味しかったので、すぐになくなってしまいましたね…」
「有難う御座います。 そう言ってもらえるのが一番嬉しいですよ」
「あの…」
結果に満足していると、女性に声をかけられた。
「はい、なにか…」
言葉を続けようとしたところで、遮る様に喋りだした。
「あ、あの! 晩御飯になる様な物も売っていたりしますか?」
ああ、そうか。
既に外は真っ暗になっており、夕飯の時間と言っても納得できる。
だが、今回売り渡した商品は夕飯には不向きだ。
「いい時間ですもんね、いいでしょう。 お酒は欲しいですか?」
「あ、有難う御座います! えーっと、ちょっと待ってくださいね!」
お酒が欲しい様であれば、唐揚げなんかもいいかもしれない。
チャーハンとエビチリと卵スープのセットで出すのも有りだな…。
なんて考えていると、女性が戻ってきていた。
「お待たせしました! 皆さんお酒も欲しいそうです! もちろん私も!」
「わかりました。 少し準備しますので、容易でき次第こちらに持ってきますね」
女性に声をかけて、冒険者ギルドの外へ出ると
その場でキッチンカーを取り出し、内装を変える。
内装はガラッと変わり、電子レンジが沢山ついていた。
コンロに大鍋と大き目のフライパンを用意して
大鍋にはお湯を注ぐだけで作れる固形の卵スープを入れて、水を張って加熱する。
フライパンには市販のチリソースと、海老のフリッターを入れて味を馴染ませる。
そして、冷凍のチャーハンと唐揚げを次々とレンジに放り込んでタイマーをセット。
後はレンジが鳴るまで待つだけなのだが、エビチリの方を少し加熱しておく。
大鍋はそのまま、エビチリは大皿に移してから収納して
チャーハンは一つの大きな器に纏めて、山の様にして盛り付ける。
うん、飲み物は瓶のビールでいいか。
再び冒険者ギルドに入り、挨拶をしてからテーブルに料理を出していく。
「こちらがチャーハン・唐揚げ・エビチリ・卵スープになります。 熱くなっていますので注意してくださいね」
俺の説明に頷くのを確認し、それぞれに取り皿を渡していく。
「飲み物はこちらに置いておきます。 ビールと言うのですが、一人に一瓶用意したので楽しんでください」
瓶ビールはしっかりと王冠を外してある。
「それでは俺は帰りますね。 また明日お伺いします」
買取のことがあるので、どの道来るのだが…。
宿に戻ると、翌日上映するDVDを考える。
アニメは高評価だったが、他の物もいけるのだろうか?
試してみてもいいが、リアルな物を上映するとなると三作品探さないといけない。
暫く悩み、なんとか選んで取寄せる。
朝は、名前を書くと死んでしまうノートの物語。
昼は、夏休みにAIが暴走して主人公の先輩一族と対処する話。
そして夜には、夜中の美術館で動き出した展示品とあれやこれやする物語。
この三本で行こうと決めた。
販売する物も決めてあるが、まあいいだろう。
お客さんの反応を楽しみに、その日は床についた。




