ポップコーン
紙芝居が終わり宿に帰ると、取寄せでDVDプレイヤーを探す。
資金に余裕があるので、どうせならばと高い物を購入した。
高い物が必ずしも良い物とは言えないが、現物を見て買えない以上は
値段でしか評価できないのだから仕方がないのだ…。
テレビも同じく良いものをと
こちらも奮発して77インチの物を購入した。
こちらの世界に来てから二番目に高い買い物だった…。
だが! 横幅は約二メートルもの大画面だ!
ここまでの出費だけでも日本円にして三百万近くだが、あとはDVDそのものも買わなければいけない。
高い買い物ではあるが、俺が個人でも楽しめるものと思えば痛くも無い。
さて、DVDのチョイスだが
紙芝居から広げて、アニメを選ぶ。
世代別や男女別、万人に受け入れられる作品など無いと思った方が良いのだろうか。
とりあえず三作品を選んでみたが、完全に俺の好みに偏ってしまった。
まあいいか…、映像に食いつかなくてもお菓子に群がるかもしれないし…。
翌日の放送には、手始めに
毎回パンを作るギャグアニメをチョイスした。
敷居が高いかもしれないが、これを選んだのには理由があった。
こちらの世界のパンは、日本の物に比べると美味しくないのだ…。
つまり、楽しみながらアニメでパン作りのお勉強をしてもらおうと考えたのだ!
とりあえず十二話までだが、反応を見て続けるか考えよう。
オープニングもエンディングもカットはしない
良い曲が多いし製作者に失礼だからね!
明日のために視聴してみたが、翻訳もうまく言ってるようだ。
日本とかドイツとかフランスとか出ちゃっているが、海の向こうの国とでも言っておけば何の問題も無い。
何よりポチの反応が良かったので、俺はこれでいけると思っている。
明けて翌日、俺は広場に来ていた。
まだ時間が早いため、広場には誰も居ない。
キッチンカーでは、ポップコーンの爆ぜる音が聞こえ始めた。
ディスプレイはキッチンカーの上に乗せ、周囲三百六十度を空間で固めてある。
ドリンクはコーラとアイスティーしか置いていないが、無いよりは良いだろう。
ポップコーンの作り置きが十分に出来た頃、家族連れの帝都民が現れ始めた。
今回の開演は、朝・昼・夕の三回に別けて行うことを事前に説明していく。
補足だが、この世界には映像を記録する物など存在しない。
いったいどんな反応をしてくれるのか楽しみだ。
開演までにはまだまだ時間があるため、販売はドリンクのみにしているが
開演三十分前からポップコーンの販売を開始すると伝えている。
そろそろかな…。
「時間になりましたので、ポップコーンの販売を開始します! 購入希望者は一列に並んでください!」
売れた。
塩味だけだが、既に仕入れた分は捌けてしまった。
後ろの人達には申し訳ないが、明日にでもまた並んでもらおう。




