表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼の夢は未だ覚めず  作者: すらいむれべるいち
8/112

二つめの街

野宿の怖さと、人の優しさに触れていたら日が昇り始めた。


十分な休息もとり、周囲も明るくなったので出発する。


途中、何度か川の水を汲んだが


その際に、偶然魚が泳いでるのを見た。


道具があれば魚釣りも楽しめそうなんだけどなあ。


残念だとは思うが、チャンスは今回だけではないはずだ。


道具さえ揃えられれば、いつだって楽しめる。


色々と先送りしていることもあるのだが


手持ち無沙汰な現状で、あれもこれもなんてできるはずもない。


はあ、はやく余裕がほしい。




そうこうしているうちに、ようやく街が見えてきた。


前の町に比べると、少し小さい気がする。


街自体はとても広いのだが、その半分以上が牧草地になっているのだ。


それも家屋が円形に広がり、牧草地を囲う形で建てられているのだ。


それだけならば、まだ害獣から保護するという理由でわからなくもない。


だが、不思議なことはそれだけじゃない。


前の街は、川を中心に作られた街だった。


それなのに、今度の街は川から外れた場所にある。


牧草地で家畜を放し飼いにするのであれば、川を通した方がいいのは解りきっているのに


なぜこのような形で街が作られているのだろうか。


そんなことを思っていると、馬車のようなものがこちらに向かってきた。


「やあ、どうも」


立場で言うのなら御者とでもいうのだろう。


少しだけ細めの男性が声をかけてきた。


「どうも、おでかけですか?」


当たり障りのない感じで話を広げる。


「ええ、ちょっと隣町へね。 こちらの街では酪農が盛んだが、野菜はあまり育てていないだろう?」


なるほど、確かに前の村でも家畜を飼っている家は少なかった。


「なるほど、ああ! すみません。 すっかり忘れていました、俺は透っていいます!」


「ははっ! ウェルダーだ、こちらこそすまないね」


急いでもなさそうだし、少し聞いてみようかな。


「初対面で申し訳ないのですが、少しお時間大丈夫でしょうか?」


まずは、神殿までの距離から聞いたのだが


ここからはさほど遠くはないそうだ。


この街を突きぬけ、半日ほどの距離だとか。


と、なるとあと少しか。


「すみません、いろいろ聞いてしまって」


「いえいえ、これも旅の醍醐味というものですよ。 のんびりとした時間を一緒にすごす事ができる奇跡に感謝を」


なんかちょっと面倒な人だったようだ。


ウェルダーさんと別れ、街の外周を走りながら川沿いに進む。


途中の休憩も手馴れたものだ。


たまに変な生き物を見かけるが、この辺りには魔獣がいないことは調べてある。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ