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彼の夢は未だ覚めず  作者: すらいむれべるいち
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鳥皮

朝です!


ええ、よく晴れた素晴らしい朝です!


とは言っても、まだ外は暗いけどな!


綺麗な星が瞬いているのを見ながら、露店広場にクッキングカーを走らせる。


所々で露店の準備をする店主達を見かけたが、不思議なものを見るかのような視線が向けられている。


前の大陸でもあったことだが、興味は引けたので掴みは大丈夫だろう。


わざとゆっくり走っていることもあり、走って追いかけてくる者までいる。


交差点へ差し掛かったところで、クッキングカーを停めて台に七輪を並べる。


火を入れて火力が上がったところで網を張り、焼鳥を軽く炙っていく。


俺とポチの朝ごはんだ。


「ほれ、ポチの分だ」


「良い匂いですね、主!」


ポチは嬉しそうに尻尾をピコピコと振っている。


「ああ、今日は塩だけだからな。 タレは今日の売れ行き次第で考えてみようか」


「あのタレなる物はとても美味しかったでござる!」


「ああ、タレも美味いよな。 だが、網が汚れるから今日はダメだぞ」


「塩も十分美味しいでござる!」


朝から焼鳥というのもどうかとは思うが、別の物を作って食べていると面倒なことになりそうだったから仕方が無い。


何故なら、既に露店の前には十人前後の列が出来ているのだから…。


「なあ、兄ちゃん! まだ開店しないのか?」


残りを口に突っ込み、水で飲み込んだ。


「いらっしゃい! メニューは下を見てください。 何を焼きますか?」


「それじゃ、そうだな。 ネギマとモモを二つずつ頼むよ!」


「少々お待ちください!」


オーダーを受けて焼いている最中に、お客さんが話してきた。


「なあ…」


「はい! 追加ですか?」


「ああ、いや。 そうじゃないんだ…。 この皮って鳥の皮だよな? ナンコツっていうのも普段から廃棄される様な物だが美味いのか?」


この世界では皮は捨てられるのか。


「そうだったんですか。 一本試食してみます?」


稼働中の七輪に空きがあるので、遠火でじっくりと焼き始めた。


「先にこちら、ネギマとモモですね。 皮とナンコツもすぐに焼けますので」


鶏皮から出る脂が木炭に落ちて、何とも言えない香りが辺りに充満した。


興味深そうにこちらを覗き込むお客さんの後ろには、その後ろに並んでいたお客さん達が列を壊してまで覗いている。


「あはは、数は用意しているのでのんびりしていてください」


「皮ってこんなに脂が出てくるものだったんだな。 さっきからずっと美味そうな匂いが…ジュル」


「はい、おまたせしました! 試食は一人一本ずつでお願いします」


並んでいた人数分しか焼いていないので、以降に来るお客さんには悪いが


これ以上の試食は用意しない。


というよりも、用意できないと思う。






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