臭い
翌朝、街の散策をするためにポチを迎えに行った。
「主殿…臭かったでござる。 馬が…馬が…」
「そうか…」
ポチは大事な何かを失くしてしまったらしい。
「さあ、いくぞ」
「はいでござる…」
ぶらぶらとあても無く彷徨っているのだが、どうも同じような店が並んでいるようにしか見えない。
それもそのはずで、腕は良いのだろうが同じような店しかないのだ。
しかし、遠方からの買い付けの馬車が多く
その店は次から次へと閉まっていくのだ。
そこで、閉店の準備を始めた店主さんに聞いてみた。
「お忙しい中失礼します。 露店を開きたいのですが、許可などは必要なのでしょうか。 ああ、失礼。 私は黒澤透と言います」
「おお? ああ、構わないさ。 許可なんていらねーよ! この街で欲しいのは信用とブランド力だけだぜ!」
ふむふむ
「では、明日から開いてみようと思います。 ありがとうございました」
店主に挨拶をし、その場を去る。
これで露店を開いても問題が無いことはわかった。
それから夕方まで散策を続けたが、食料品を取り扱う店は五店舗ほどだった。
「さあポチ、お前の出番だぞ」
宿はポチに選ばせる。
これは、ポチがペットも入室可の宿を見つけられなかったらそれまでという。
ただそれだけのことなのだ。
見つけた先がダメであった場合、ポチは馬と仲良く眠ることとなる。
昨夜と同じやり取りではあるが、決定権はポチにあるのだ。
当然、引き直しは許さないのである!
そして今晩の宿は、無事に一緒の部屋へ泊まることが可能だった。
さて、ここで明日の商品を考えよう。
前の大陸で売っていた物の中から決めるか、売っていなかった物の中から売るかを決めよう。
サイコロを取寄せて、奇数なら新メニュー
偶数ならば、旧メニューの中からと決め手から振った。
結果は4が出たので、旧メニューの中から並べることにした。
それならばと、明日は販売期間が短かった焼鳥を中心に売ってみよう。
業務用の冷凍焼鳥を購入し、先に解凍させておく。
これで、明日は焼いて売り捌くだけですむ。
メニューは、ネギマ・モモ・皮・ナンコツだ。
尚、味覚に違いがあるといけないので
味付けは全て塩となっている。
「っと、宿の中で火を使うのは気が引けるな…。 ポチ、仕込みは終わったから寝るぞ」
明日は朝が早いからな。
露店の多さのせいか、通りはほとんど場所をとられている。
余程早くから場所を取りに行かないと、販売すら出来なくなってしまう。
それを避けるために、俺達は早めに床についた。




