動物と魔獣と魔物
「しかし、勝手に国土を広げるわけだから他国が黙っていないんじゃないか?」
「その心配もない。 森そのものを減らすことが第一の目標となっているんだ」
「森を減らす?」
「ああ、森を減らせば魔獣を奥へと追い込めるだろう? 魔獣の被害はどこの国も共通の問題なんだよ。 森を開拓できれば見晴らしがよくなる。 結果として、首都への侵攻を未然に防げるということだ」
なるほど。
ところで
「なあ、魔物と魔獣って何が違うんだ?」
ずっと気になっていたのだ。
「はあ? そんなことも知らないのか? あ、嘘です! やめて!!」
俺を馬鹿にした態度をとったので、ポチが勝手に噛み付いていた。
「こらポチ」
「しかし、主…。 はい、わかったでござる」
「はあ…」
盗賊はため息を吐いて、再度口を開いた。
「それじゃ、説明するぞ。 まず獣からだ。 これはいいよな? 普通の動物のことだ。 そして、この動物が何かしらの要因で進化したものが魔獣と呼ばれている。 そして魔物だが、こちらは動物でも魔獣でもない存在のことを総称して呼ばれている。 一般的には魔獣が変異した存在を魔物と呼ぶことが多いな」
「ふむ…、わかり辛いな。 判別の仕方はわかったが、見分け方がわからんな」
「ああ、それは皆同じだ。 単純な見分け方なら、魔石の有無で決められる。 魔石があるのは、魔物の証だからな」
「そうか、大体わかったぞ。 それでは次だ。 魔石は何に使われるんだ?」
「魔石か…。 よく採れる小さな物は、魔道具に使われているな。 魔道具に関しては詳しいことは知らないが、貴族連中が頻繁に使用していると聞いている」
魔道具…、そんなものもあるのか。
「そうすると、魔石は燃料になるのか」
「ああ、恐らくな。 ただ、大きい魔石はそれ自体が貴重なものになる。 掌ほどの大きさの魔石を持つ魔物は、軍で討伐するらしいぞ」
「ふーん…。 あ、話は変わるけど帝都の神殿はどこにあるんだ?」
「神殿か、それならギルドへ行く前に案内しよう」
「ああ、頼むわ。 お、街が見えてきたな」
盗賊のおっさんと話しながら、街へと近付いていった。
そして、門にいる兵士に止められた。
「何用で来た」
「この盗賊のおっさんを、ギルドに突き出しに来ました」
「盗賊だと?」
「ええ、道中襲われたので倒しました。 他の盗賊は全滅してますね」
「間違いはないか?」
兵士は、俺ではなくおっさんに聞いた。
「ああ、間違いない。 俺は命乞いして奴隷落ちを受け入れたが、他の連中は死んだよ」
「そうか、よし。 通っていいぞ」
こうして、無事に街へ入ることが出来た。




