表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼の夢は未だ覚めず  作者: すらいむれべるいち
61/112

クロックローチ

キモいしグロい!!


なんなのコイツ!!!


「変換っと」


「主殿おおおおお!?」


ああ、何て恐ろしい才能なんだ…。


ぴかぴかと光に包まれていく蟲人間。


どうしたらあんな生物が生まれてしまうのか。


「主殿! ここから出してはくださらぬか!」


少し目を放した隙に、変換は終わっていたようだ。


「犬?」


「わん♪ じゃなくて! 拙者はクロックローチでござる!」


どうみてもマルチーズでござる…。


「まあ、その姿なら出してもいいか…。 で? なんで俺が主になるんだ?」


「我々クロックローチは、元々人前に姿を現したりはしないのです。 しかし我々のコロニーを見つけたあの男は、我々のコロニーを破壊して洗脳してきたのです! そして我々は、どんな命令にも逆らえずに罪のない人々を…。 屈辱でござる…」


へー、使役の才能って洗脳するんだ。


「だからこそ! 我々をお救いくださった貴方様を主と認めたのです! だから! だからどうか、我々を使役してはくださらぬか!」


「我々って、お前一匹だけじゃん」


「むむ! ならばご覧いただきましょう! これが主様から授かった我等の新たなる力!! はぁー!!!」


マルチーズはピカピカと輝きだすと、ポップコーンが爆ぜるかのように飛び散った。


「「「「どうでござるか! 主殿!」」」」


つまり先程まで話していたのは、極小のマルチーズが統合された姿だったわけか。


「まあ、いいけどさ。 お前って強いの?」


「当然でござる! 我等クロックローチは生物の中でもトップを争うほどに強いでござる! 特にこの顎は強靭で、金属だって食物になるのです!」


カチカチと歯を鳴らすが、見た目は待てを喰らったマルチーズである。


「なんかパッとしないな。 他にないの?」


「一応ありますが…、爪に毒腺があるくらいで大した事じゃないでござる…」


しょんぼりと座り込むマルチーズだが、ほっとくと勝手についてくるだろうし認めてやるか。


「まあ、いいぞ。 その代わりしっかり働けよ?」


「任せて欲しいでござる! 我等は分裂しても強さは変わらないので安心して使役して欲しいでござる!」


「へいへい、期待しないでおくさ」


「むー! 主殿ひどいでござる!!」


旅の仲間ができたのは、悪いことではないと思いたい。


「さて、どこか人の住む場所にいきたいのだが…。 お前わかるか?」


「勿論わかります! ご案内するでござる!」


自転車の籠にマルチーズを載せて、新大陸での旅がはじまった。


「ところで主殿」


「ん? なんだ?」


「名付けをして欲しいでござる! 勇ましく格好のよい名をくだされ!」


「よし、ポチだ」


「ポチ! なんと甘美な響き…。 主殿、ありがとうございます!」


「お…おう、それでいいんだな」


こうして自転車はカラカラと進んでいくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ