変換
「ってなことがあったんですよ。 渡ったばかりなのに散々でした」
「蟲の子かー、そんな子いたかなー? ああ、使役の才能の子かも!」
現在、魔法で神殿に飛んで女神様と談話中。
「使役の才能って珍しいんですか?」
「いやー、そんなことはないと思うよ? 才持ちがまず少ないけれど、それでも被る事なんてしょっちゅうだし」
「へー、それじゃあ俺の才能も同じ物を持つ人がいるのか…」
「それはないよ、君のは完全にイレギュラーから発生した才能だもの。 一つ目も二つ目も、三つ目もね」
そう、三つ目だ。
大陸を渡ることが出来た俺は、はれて才能を得ることが出来たのである。
「その三つ目なんですが、これ結構えぐくないですか? やりたい放題なきがするんですけど…」
「いやいや、そんなことはないよ! その才能に関しては過去にも持っている人は居たんだ。 今はもう死んじゃっていないけどね」
俺の三つ目の才能、それは変換だ。
存在する物を別の物に作り変える才能である。
強力な才能ではあるが、デメリットも存在する。
それは、変換される先が完全にランダムであること。
不要な物を変換しても、もっと要らないものへと変わる可能性もあるのだ。
「でも、言うほどデメリットではないと思うけど…」
「確かにね、聞いただけならそう思うだろう? でも違うんだよ。 君のいた世界にはいなかったみたいだけど、この世界には魔物と魔獣がいるんだ。 変換先にはそれらも候補に入るんだよ」
なるほどね、それに対抗する力がなければ再度変換をかける前に殺されてしまうということか。
「しかし、今までの人達はどうやって使っていたんです?」
好きな物を変換して遊ぶだけではメリットにならない。
ならば、何か使い道があるはずなのだ。
「彼等は気付かなかったよ、最後までね。 そうだなー、変換だけど変換じゃないってだけ言っておくよ」
ちんぷんかんぷんだ。
「まあまあ、そこは追々慣れていくといいさ」
「そうします。 ご忠告ありがとうございます。 それでは、あちらで神殿を見つけたらまた来ますね」
女神様に手を振り、村人達が殺された村へと魔法で戻る。
空間に捕らえられた男は消えていて、夥しい蟲の下には赤い液体が敷き詰められていた。
見ていて気持ちが悪いので、ここで実験をしてみることにした。
この蟲の大群を変換させる。
僅かに光りだした大群は、暫く経ってからようやく見えるようになった。
そこにいたのは、人間大になった蟲だった
おうふ…、これはグロい。
「主殿、ここから出してはくださらぬか!」
コイツ…、喋るぞ!!




