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彼の夢は未だ覚めず  作者: すらいむれべるいち
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海を渡り始めて八日経ち、ようやく大陸が見えてきた。


ここまで長かったが、景色はめまぐるしく移り変わるので退屈はしなかった。


ここまで来たことでわかったのだが、新しい大陸側の海はそんなに深くは無い。


深さは十分にあるのだが、前の大陸の方が圧倒的に深いのだ。


だからこそ、大陸が見えてくるのに比例して巨大魚が少なくなっていった。


今も浅瀬を走っているのだが、ちらほらと船を見かけることもある。


つまりだ、こちらの大陸の人間は


少なからず、船で貿易できるだけの広さがあるということになる。


キャンピングカーを隠せるほどの深さも無くなり、ザバザバと音を立てながら無事に上陸。


とりあえず、女神様に報告をしたいのだが神殿の場所がさっぱりわからない。


一先ずは大きな道を探すのが先決だろう。


キャンピングカーを一度しまい、空に向かって階段を作る。


もそもそと上り辺りを見渡すと、ぽつぽつと建造物が見える場所がいくつか存在していた。


建造物が一番多いところを選び、そちらに足を進めた。


上から覗いたときに見つけた道を歩き、なんとか日暮れまでには到着したわけだが


人気が無いのは気のせいか?


家々の戸をノックして周ったが、やはり返事は無い。


最後の一軒で思い切ってドアを開けてみたのだが、鍵はかかっていなかった。


そして、俺は見てしまった。


足元に転がる動かない人の身体と、そこに湧く夥しい量の蟲…。


それを見た瞬間に背筋が冷えた。


異常な臭いと視界に入ってきたグロテスクな光景に、胃液がのぼってきて俺は吐いていた。


何故こんなことになっているのだろうか。


この状況がこの家だけとは考え辛い。


「おや、おかしいですね。 まだ生き残りがいましたか…」


後ろからかけられた声に振り返った。


後ろにいた男は、俺よりも少し背が高いくらいだったが


その腰には鈍色に怪しく光る斧が二つぶら下がっている。


「ここの人達を殺したのはお前か?」


「ああ、僕のペットにご飯をあげていたんだ」


ペット…、恐らくこの蟲のことだろう。


「悪趣味な奴め…」


「酷いこと言うなー、こんなに可愛いのに!」


どこが…。


だって、この蟲


どう見たってゴ○ブ○じゃないか…。


床一面にカサカサと忙しなく動き回る蟲


人を殺して、その死体を餌にするような奴だ。


男が何かを喋ろうとしたときに、空間の檻へと閉じ込めた。


全ての家を周り、家屋ごと空間に保管する。


そして、男を密閉した空間に


捕獲した蟲だけを流し込んだ。


男は上気した顔で喜んでいたが、蟲は違う。


食事を邪魔された空腹な蟲達は、集団で男を覆い隠すと


静かにそれを食べ始めた…。

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