光
現在、街を出て海に向かっている。
先程、神殿に寄って女神様に方告訴してきたが
海を渡ることによって、新たな才能が開花する可能性があるといわれた。
これでやる気が出ないと言ったら嘘だろう。
キッチンカーで移動しているのだが、ここで今後のことを考えてキャンピングカーを購入した。
理由は単純に、海の上から街に戻るよりも
車内で寝泊りする方が楽だからである。
また、魔法で街へ戻ったとしても帰る際に海に放り出されるのが怖いということもある。
その点、完璧な個室があるキャンピングカーであれば
部屋に戻る形で魔法を使えば、部屋の中に移動できるのだ。
車の大きさの変化で、少しばかり運転になれないが
この世界には車線など無いのだ。
不慣れであろうが、障害物に当たらなければどうとでもなる。
そうして中央大陸から北へ抜けて進んでいると、前方に海が見えてきた。
けど…。
「なにあれ…」
思わず口に出てしまった。
だが、そんな俺を誰が責められようか。
沖の方で巨大な魚が飛び跳ねるのを目撃してしまったのだ。
そこそこの大きさを持つ、このキャンピングカーでさえも
その魚の一口で、同時に三台は余裕で飲み込まれそうなほどに…。
なるほど、海を渡ろうとした人が帰ってこないわけだ。
さて、これからようやく海を渡るわけだが
今回は海中を進む形で行こうと思う。
というのも、海の中を見ながら進むことが出来れば
これから、ただ運転するだけの時間の暇つぶしにもなると思ったからだ。
いつもより大きく空間を確保し、前方の固定した空間を進む。
空気の入れ替えが出来るように定期的に浮上することを頭に入れて、周りの景色を楽しんで進もう。
青い景色に陽の光がキラキラとしていて、とても綺麗なのだが
海中は魔境だった。
うん、魔境だったのだ。
カジキマグロのような魚が、巨大な蛇を捕食したいたり
それを、巨大な魚が追いかけていたり
さらには、ヒトデが回転しながら泳ぎ回っていたりとか。
もう滅茶苦茶だ。
だが、俺には関係の無いことだ。
見ているだけならば、なかなかに面白いと思う。
ただ、グロいので食事中は見ちゃいけないと思いました。
巨大な魚をサンプルとして、何匹か捕獲していると
前方から、なにやら光っている物が接近してきた。
その速度は驚くほどに速く、そして大きくなっていった。
未だ、少し大きいくらいの光でしかないが
それでも、その光がどんどん大きくなっていることから考えられるのは
それが超巨大な生物だということだけだ。
そうして、その巨大な生物が奇妙な形をした魚であることを視認したすぐ後に
瞬きをすると空間の外の景色は変わっていた。
空間の外は、綺麗な青の世界からガラリと変わり
ピンク色の気色の悪い景色になっていたのだ。
え?
もしかして…、飲み込まれた?




