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彼の夢は未だ覚めず  作者: すらいむれべるいち
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買取所本店

「おはようございます」


「ああ、今日はよろしくな」


孤児の少年と挨拶を交わす。


今日の午前中は、少年に街を案内してもらう予定なのだ。


「とりあえず買い取り所へ案内してくれ」


「わかりました! こちらです」


宿から出て、少年の後ろをとことことついていく。


俺の後ろにも、何人か人がついてきているが


いつものことなので、ここではあえて無視をしておく。


暫く歩いていくと、少年が立ち止まった。


「ここです。 ここは他の街に支店を出しているほど大きなお店です」


ほう?


「ありがとう、少し待っててくれ」


木製のドアを押し開け、店内を見渡したのだが


どうも見たことのある内装だ。


それも、嫌な思いをしたあの酒場に似ている…。


そっと扉を閉めて、店から出ようとしたときだった。


「なんだ? 帰るのか?」


声をかけられてしまった。


「ええ、ウワナーで嫌な思いをしましたので。 態々嫌な思いをする必要もないでしょう?」


「ウワナーか…。 すまないが、どの街かわかるか?」


「北東にある街ですね。 細かいところはよく知らないもので」


「ありがとう、助かるよ。 おおよその見当も付いた。 君が彼の言っていた狼を狩ってくれた子だね。 心配せずとも、あの様な輩を支店に置き続けるほど愚かな事はしないよ。 彼は既にうちの社員ではない。 だからさ、売っていかないかい?」


妙に必死な気がするのだが、何かあるのだろうか。


「何かあったんですか?」


「急いてしまったか…。 最近になって、露店通りに妙な露店が出来たそうでな。 今まで狩を行っていた者までその行列に並んでしまって、仕事をしていないようなのだ」


「それでお肉が品薄状態だと…、何やってるんですか」


「すまない、かくいう私も並んでいたが毎回完売だった。 伝え聞く話では、その殆どが食べ物らしい」


「本当、何やってるんですか…。 その妙な店っていうのは、たぶん俺の露店ですよ。 今日も午後から北区で出店するんで、時間が取れれば来てください」


「そうだったのか…おっと、すまない。 買取の話だったな。 どうだろう? 売ってはもらえないか?」


売る場所が他にもあるとはいえ、あまり時間も取れないしな。


「わかりました、いいでしょう。 とりあえず外に出ましょう、裏に出しますから」


「ああ、頼むよ」


表に出たついでに、少年を連れて買取所の裏にまわり


次々と獲物を出していく。


狼十二頭に銀色の鹿が五頭、そして最後に金色のウサギが三羽だ。


きのこも幾つかあったので、ついでに出しておく。


「すまない、待たせてしまったか。 狼が十二頭も…、それにシルニアディアにプラーミャラビットだと!? フォル茸まであるじゃないか!」


鯰の魔物のときも思ったけど、こちらでも鹿はディアになるんだな。


ウサギもラビットって付いてるし。


「これ全部売りたいんですが、買い取ってもらえますか?」


「ああ、綺麗に切られている。 これなら剥製だって作れるぞ! 狼は銀貨一枚、シルニアディアは銀貨二枚。 フォルニ茸は銀貨一枚、最後に…」


と、店員さんは続けていった。


「プラーミャラビットは銀貨十枚でどうだろう。 もちろん、今言った提示額は単価として考えてほしい」


ほうほう、悪くはないな。


これだけで、金貨三枚と銀貨十二枚の儲けになる。


様相外にきのこが高かったが嬉しい誤算だ。


「ありがとうございます。 午後からは貴族街で露店を開きますので、遊びに来てください」


お金をしまい、店員さんに報告してから店を出た。


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