村
「えーっと、ベルだっけ? 嘘つきのおじさんは放っておいて、皆をここに集めてくれるか?」
「わかったー!」
ロリコン盗賊が何か叫んでいるが聞こえない。
「これで全員だと思うよ!」
「七人か。 じゃあ聞くが、この中にベイリーの妹がいたら手を上げてくれ」
「はーい! はーい!」
お前か!
ベイリーの妹はベルだった。
「探してたぞ、待たせてるから一緒に行こうか。 他の子達はどうする? 君達をさらってきた人達は、そこのおじさんだけになった。 残るなら頑張って生きてくれ」
少しだけ時間を与えて、答えを聞いたが
結局、七人とも連れて帰ることになった。
ロリコン盗賊はうるさいので、そのまま収納しておいた。
ゾロゾロと引き連れて、ベイリーのところまで空間を繋げて移動した。
「よっ! 連れてきたぞ、ちょっと増えたけどいいよな?」
「うわっ! びっくりした! え? なんで? どこからきたの!?」
座り込むベイリーの後ろから肩を叩くと、肩を跳ねさせて吃驚していた。
「そういうのはいいから、ベルはちゃんと連れてきたぞ。 今度はお前が約束を守る番だぞ!」
「お、おう。 俺にできることなら何でもするぞ! 約束だからな!」
よし、言うぞ!
「それなら、動物の解体の仕方を教えてくれ!」
「は?」
結果、ベイリーは動物の解体の仕方を知らなかった。
よくよく考えてみれば、ウサギくらいならともかく
狼が多く生息する森に、子供が入れるわけがない。
「そうか、解体できる人は知ってるか?」
「それなら大丈夫だ! 一旦、俺達の村に行こうか。 ここから近いんだ」
そこから更に、2kmほど歩いたところに村があった。
「にいちゃん、ここが俺達の村だ! 何もないけどのんびりしていってくれ! 酒場の裏で待っててくれ、俺は村長のところに行って来る!」
ベイリーは口早に言うと、走り去ってしまった。
「すまん、ベル。 酒場の場所を教えてくれ」
「うん!」
ベルの案内で、酒場の裏に着いた。
「ああ、そうだ。 ベルのお父さんとお母さんは病院にいるらしいぞ。 会いに行ってやれ」
「わかったー!」
元気よく走り去るベルを見送り、残った七人の女の子に視線を移す。
「さて、君達は帰る場所はあるのかな?」
俺の質問を聞いて、コソコソと話し合う女の子達。
少しの話し合いの後、一人の女の子が俺の前まで歩いてきた。
「私達は隣の村に住んでいたのですが、村は焼かれてしまいました。 既に帰る場所はありません。 あなたについて行くことはできますか?」
縋る様な目つきに押されるが、全員を守りながら旅をするのは難しい。
だから…。
「それは無理だな。 だが、この村で養子としてなら生きていけるんじゃないか? そこは俺が交渉してやろう」
断ったときは表情に絶望をうつしていたが、後に続く言葉でなんとか払拭できたようだ。
子供は好きではないが、助けた手前死なれたら寝覚めが悪い。
頑張るか。




