ベイリー
アローネさん達を見送り、少し考える。
二十日後、約三週間だ。
その間、何をすればいいのだろうか。
生活費も今のところ、問題ない。
狼以外の動物も売っておきたいし、キノコも食べられる物を知りたい。
やはり街を目指すべきだな。
さて、行きますか。
自転車を走らせ、次の街を目指す。
ちょっと面倒なことも合ったけど、今のところは平和に進んでいる。
「なあ、にいちゃん」
しかし、本当に何も無いな。
「にいちゃんってば!」
見えるものといえば、左右に展開されている森だけだ。
「ちょっと!!」
「うわっ!」
急に服をつかまれ、自転車から落とされた。
「いってー、なにがおきた…」
寝不足の頭で自転車を漕いでいたため、突然のことで頭が追いついていかなかった。
「ねー、聞いてる?」
見知らぬ少年がこちらを覘いていた。
「誰?」
「あー、やっと気付いてくれた! 俺はベイリーっていうんだ! 兄ちゃんってば呼んでも気付いてくれないから、ちょっと寂しかったんだぜ!」
「ふーん、で? 用は?」
「冷めてるなー、まあいいや! ちょっと助けて欲しいんだけどさ、盗賊団の塒まで一緒に来てくれないかな?」
「え、やだよ」
嫌に決まっている、なに言ってんだこいつ。
「えー! なんでー!?」
何でと言われたので答えてあげよう。
「では、教えてやろう。 目的も無しに盗賊の塒に行くとか、アホだろ。 同じく、見知らぬ他人のために塒に近付くのもアホだ。 そして最後に、俺は子供が嫌いだ。 ってことで、さよーなら」
ざっと、理由を言い捨てて自転車を起こす。
泣きそうな顔をしているベイリーを見て、何故か罪悪感が沸いてきた。
「どうしても助けて欲しいのなら、騎士の人達が通るだろうから頼んでみればいいよ」
最後の助け舟として、俺の知っている情報のなかで
使えるかもしれないものを一つだけ教えてあげた。
「んじゃ、達者でな」
これ以上の関わりはごめんだ。
「頼むよ! 俺にできることなら何でもするから!」
ん?
「今、何でもするって言ったよな?」
「ああ! 俺は約束を破らないぞ!」
「よし、じゃあ話してみろ。 付き合ってやるか決めるのはそれからだ」
「わかった、簡単に言うと妹が盗賊にさらわれたんだ。 お父さんとお母さんも重症で、今は病院で寝てる。 二人が目を覚ましたときに、妹がいなかったら泣くと思うんだ。 そんなの絶対に嫌だから…。 こうして助けてくれる人を探してたんだ」
なるほど、妹をさらわれた…か。
「それは許せんな。 よし、引き受けた! 約束はちゃんと守れよ!」
「わかった! 塒の場所は、ここから左に直進していけば着くよ!」
「了解した、お前はこの先の川で待ってろ」
そう言って、ベイリーと別れた。




