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虹彩都市アイリス  作者: とんさき
第四章 地底の篝火
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地下世界41-2

「ーーつまり、このサイオニックの因子が活動することでクリーチャーやデーモン、或いは龍種は強大なサイオニックのパワーを扱うことができるのです」


扇状に広がった講堂。百は下らない座席。

正面の舞台には秘術と白い壁を利用した映写機があり、今まさにそのステージには一人の学生が熱弁を振るっていた。

ミスカトニック大学への立ち入り許可を取るや否やすぐさま俺達はここに案内され、講義としか思えない売り込みを受けていた。


今、受けている売り込みで7件目だ。

手元の資料を見る限りあと3件も残っているらしい。

二つとなりに座るフラーラが申し訳なさそうに頭を下げている。


リナも最初こそ熱心に見ていたが今では疲れた表情で漫然と抗議を受けていた。

ココに至っては目を開けながら寝ている。器用な奴だ。


「私の研究、測定ではサイオニックの強いデーモンや龍種ほどこの因子の量が多いことが分かっています。逆にクリーチャー、例を挙げればコボルトやゴブリンなどにはこの因子が少ないことが確認されています。……無論、例外も存在していますが」


ステージの上で動き回っている汚れた白衣を振り乱す女子学生、確かワニスという名前だっただろうか、彼女の眼差しは真っ直ぐに俺達へと注がれている。


それもそのはず。この広い講堂には俺達しかいない。

突貫工事で見学を捻じ込むことを承諾したフラーラの友人からの条件は、人気なくパトロンのつかない学生の売り込みを全て見るとなっているのだから仕方がない。


「また、この因子の量でその時点のサイオニックが強力か否か分かるわけではありません。ある種の才能みたいなものだと考えてください。強力なサイオニックを操る者でこの因子が多いことは自明ですが、サイオニックに習熟していない者が必ずしも因子が少ないというわけではない、ということです」


前6件にも言えることだが彼らの依頼、或いは援助目的は現実性がない。

やれデーモンもってこい、やれ世界の端を観測してこい、金塊をトン単位で持ってこい。

ふざけている。


「皆様にはデーモン、或いは龍種を生け捕りにして持ってきていただきたいのです。できるだけ多く。もちろんその辺のコボルトなんかじゃダメです。才能あるコボルトなら別ですが……」


こいつもそんな口らしい。

研究者ってのはみんなこんなに周りが見えていないのだろうか。

資料を見る限り成績優秀、秘術やその道具に関する論文も出来は良いらしいのだが、優秀なぶん研究しか見えておらず、実現可能なことと不可能なこととが分かっていない


言ってみれば黒龍、白龍を生け捕りにしてこいってことだ。

そんなこと地上を見つけることよりも望みは薄い。


「私の研究ではこのサイオニック因子は吸収率こそ悪いですが経口摂取で取り込むことが可能だと考えています。一定量を超えればデーモン化、或いは龍化といった現象が起こり理論上サイオニックが使えるようになることが可能になる確信しております」


でました、研究者お得意の理論上可能。

けれど黒龍が言っていたサイオニックが使えるようになる方法と同じなのは笑えない。

果てにあるのは人外への変成らしいが、この結論に辿り着く以上、ある意味彼女は優秀なのだろう。


「ただ、摂取する場合もおそらくは生体もしくはそれに準ずる加工が成されてなければならないでしょう。死後、サイオニックの因子が霧散する傾向がありますので」

「あー……ミス・ワニス。それはひょっとしなくてもデーモンを生でまるかじりしろってことかな?」


そんなアホな。

どこの悪魔が僕を食べてねって大人しくしていると思ってるんだ。


「察しが良いですね。内臓なんかはおそらくおすすめです。個体によって差はありますが概算でデーモンを数千体、龍種でも数百体。もしコボルトでやろうと思えば数十万体を短期間で摂取すれば行けるはずです」

「すうじゅうまん!?」


言葉を失う。

黒龍を怒らせた幼い黒曜龍1体の価格ですらえげつない金額だったというのに、それを数百。

その前にコボルト数十万なんて食えるわけがない。

それどころか捕まえるのは不可能だ。

比較的大きな集落であるボルトガの集落ですら千単位だぞ。


「……失礼だがミス・ワニス。今までこんなめちゃくちゃな援助を申し出てくれた奇特な人はいるのかな?」

「いないですね」

「じゃあもしかしてデーモンとかを実際に扱ったことは……」

「それもないですね。今では何体か捕まえてきたコボルト、ゴブリンなどで実験をしてきました」


話にならないとばかりにため息交じりで手元の資料に目を落とす。

資料に記されたワニスの実績を見る限り、まともな研究も論文を出しているというのにいったいなんで彼女はこんなことになってしまったというのか。


「というわけで是非協力のほどよろしくお願い致します」


ワニスが良い笑顔で締めくくった。

こんなのがあと3件。


遂に、俺の心も粉々に砕け散る。

リナと同じように虚空を見詰めた。



第四十一話



「ふわぁ」


ココが講堂から伸びをしながら遅れて出てくる。

渡された資料を座席に置いてきたのか手には何も持っていない。

リナは丁寧に神秘の携行袋にねじ込んでいるが、あれは二度と出てこない類の詰め方だ。


代表として受け取らされた自分の手元を見れば連絡先の書かれた10個のカード。

先ほどまで一生懸命に無駄な売り込みをしていた生徒の物だ。


ミスカトニック大学では大学側からこういった個人の連絡先や氏名を記したカードが配られているらしい。

これを元に支援者は大学を通して学生と連絡をとるそうだ。


講堂の入り口を振り返れば10人の生徒が希望の眼差しで此方を見ている。

残念なことに俺は彼らの前でゴミを捨てるほど悪い奴じゃない。

まだこのカードは捨てれない。

仕方がないので脳力の黒孔に収納する。


「フラーラ、ここの生徒ってのはみんなあんな感じなのか?」

「い、いえ、違います! 彼らはちょっと突拍子もないだけです! 他の方はまじめにこつこつとやっているはずです」

「資料の人物紹介には成績優秀で真面目って書いてあったぞ」

「……あ、あの人たちは優秀過ぎて中々理解されないだけですよきっと。あと現実的に不可能な要求なだけです」

「金塊を寄こせって言ってたやつはどうにもそいつの私生活に金が使われておしまいな気がしてならないんだが」


なんというか横領しそうな気配が異様なほど漂っていた。

金に困ってそうな顔だったし。


「……さぁ、ではいよいよミスカトニック大学の見学を始めましょうか」


フラーラが無理矢理すぎる掛け声に、何とか気を取り直して大学の見学が始まる。

できれば戦闘や探索の役に立つ実際的な道具を作っている者と接触したいものだ。




大学来客用受付前、そこはバルーン乗り場にほど近く、多くの生徒が息抜きに下へと行くときに使う玄関口だ。

ある生徒は本片手に考え込むようにバルーンを目指し、ある生徒たちは法則がどうだのと意見を交わしながら歩いている。


学問に直向きな彼らの気質を反映してか、大学内の装飾は過度に贅沢な物はなくシンプルかつ実用性を重視した作りになっていた。


「こっちはまともだな」


大学の窓口で新しく受け取った学校案内を見て、心の底から安堵する。

研究内容や求めている品、或いは金額はどれもべらぼうな物じゃない。

常識の範囲内だ。


「……やっぱりさっきの奴ら頭おかしいんじゃないか? ボク、あの時の欲しい値段見た瞬間眠気にに襲われちゃったし」


ココの呆れた声に思わず首を縦に振ってしまう。

学校案内に記載されている今、支援が必要な研究の費用は平均して最初の輩の百分の一程度だ。


同じ金の使い方なら一人より百人に振り分けたほうがよっぽどリターンがある。


「まぁ、あいつらのことはもう忘れて何処回るか決めよう。あんまり時間もないし。ざっと見で気になる物はあるか?」


時計を見れば許されている見学時間があと2時間ほどしかない。


「っと、その前にスバルさん」


速やかに意見を聞こうとしたとき、フラーラから静止がかけられた。


「ん? どうしかしたか?」

「此処からは私は別行動しますね。必要以上に立ち入らない約束ですし、友人にも挨拶をしておきたいです。それに、ちょっとした用事もあるので……」


本当に用事もあるのだろうが、約束通りフラーラは俺達の個人的な要件が絡む時は別行動に徹してくれるようだ。

色々やってもらっているだけに少々申し訳ない気分になるが気を使ってくれているのだ。

今回は有難く受け取ろう。


「そうか、わかった。色々と世話してくれてありがとう。本当に助かったよ……まぁ、できれば次からは天才達の相手は遠慮させてもらいたいけどな」

「ははは……ま、まぁ気にしないでください。スバルさんのお陰で休みが取れているようなものですし。逆に友人に会う時間がもらえて私がお礼を言いたいくらいですよ」


優れた理論も他者が理解できず、証明もされていなければ誇大妄想と同じだ。

頭が良いせいか言いたいことはわからなくはないが、よっぱらいの冒険譚程度の盛り上がりもなければ長く聞くのは苦痛にしかならない。


「では、2時間後にそうですね……此処、大学の受付前に集合でお願いします」

「あぁ」


返事を聞くとフラーラがすぐにくるりと回り、手を振りながら構内に走っていく。


「ハーフリングっで若く見えるから得ですよね……私の住んでた場所で二十代後半の女性があんな動きしたら大人なのにみっともないとか言われちゃいますよ……」


大人しくしていたリナが急にとんでもないことを呟いた。

ココは確かにと頷いた。俺はフラーラの名誉のために努めて無視をする。


「……で、話が途切れちゃってたが見に行きたいものとかあるか?」


冊子状に纏められた資料を手で叩きながら二人を見る。


「ボクは秘術の威力加工についてっていう研究かな」


ココが目を付けた研究は俺も目をつけていたものだ。


秘術は基本的に宝石や発動媒体に込められた術が解放されるだけ。

込めた脳力者のその時点での威力しか出てこない。


製品として売られている以上共通の規格があり、それぞれに込められた威力によって宝石の値段が定められ売買されている。

当然のように威力が高いものほど同じ値段でも金額が高い。


例えば、同じ≪火球≫でも価格が数倍になれば炎の温度が上がっている。

炎を出す脳力者の力の程度によって作られる≪火球≫は全くの別物になるのだ。


必ず一定の威力を発揮できるというのは強みでもあるが弱みでもある。

何個も購入した秘術の宝石が一度でも敵に通用しなければ、それ以降に通用する手立てが無いということになってしまう。


脳力者の力量に縛られず威力を上げることができれば高威力の秘術が込められた宝石が簡単に製造することができる。

それが可能になれば流通量が増え、必然的に値段も安くなり手に入りやすくなる。


投資するに値する研究だ。


「うーん……私は科学と秘術、脳力の融合を目指すっていうところが気になりますね」


リナが外装骨格を撫でながら答えた。


秘術、脳力研究の中心地ではリナの居た街での技術、カガクについても研究がされているようだ。

専門外でほとんど知識がないため俺にはその研究が有用なのかはわからないが、こういった場所でなければできないこともやっているのだろう。 


カガクの事を理解している人材はリナの居たセントラルシティを除けばあまり多くはない。

彼女の知識を生かすためににもその研究を是非とも見るべきだ。


「で、スバルは何が気になってるの?」

「俺は人間への秘術固定実験かな。概要を見る限り自分の一部って認識になるみたいで意識拡張の訓練とかもせずに手数が増やせるみたいだし」


秘術の発動には発動媒体、多く宝石やスクロールに意識を集中させることが必要不可欠だ。

宝石の存在を感じ、その内部に込められた秘術の明確に理解してなければ発動させることはできない。


初めて秘術に触れる人なんかは両手に一つずつ握った秘術の発動媒体をどちらか片方ずつしか認識できないなんてことはざらだ。


複数の秘術を同時に認識して発動できるように意識を拡張させる訓練は中々に骨が折れる。

俺が常に装備している秘術手甲のように複数の宝石に意識を繋げる秘術の掛けられている装備もあるが、訓練してなければ脳が情報を処理できずまるで意味がない。


だが、もしそんな訓練も無しに発動できる秘術の数が増えるとしたら。

それは画期的で実用的で素晴らしい事だ。


同格や格上相手に戦う場合、こちらが複数で、相手が1人でもない限り悠長に宝石を取り出している暇などない。宝石を取り出す一瞬が命取りになってしまうこともある。


苦労せず金を出すだけで戦闘の幅が広がるその恩恵に与れるのなら可能な限り金を出したいものだ。


「あー。確かにそれは便利そうだね」


もっと手管が欲しいと切実に感じたことのあるだろうココから同意が返ってくる。

リナの反応は芳しくない。


リナはだめだ。秘術での戦い方が身体に浸透していない。

外装骨格による脳筋ゴリ押しが多いからな。


「うーん、残念なことに見事にみんなバラバラですね。どれからいきますか?」


リナが案内に書かれた全員の類似研究を指で確認しつつ、一つあたりの時間は……などとブツブツ呟いている。


「別に三人が三人、同じとこにいかなきゃいけないわけでもないんだ。手分けして話を聞きに行こう。あんまり時間もないしな」

「あ、そうでした。どうもこういう時にセントラルシティでの癖が抜けませんね」

「癖?」


聞いたこともないリナの癖にココが疑問符を浮かべた。


「セントラルシティの女子は集団で行動するのが好きなんですよ。行きたいところ決めてみんなで効率よく見れるよう順番決めて行く感じです」

「……ボクには効率的に非効率なんて意味が分からないよ」


俺もココに全くの同意だ。


「まぁよくわからんが、さっさと行こうか。重複で見学するのを防ぎたいから話をどっか聞き終わって別のところに行くときは≪伝言≫かなんかで連絡してくれ。フラーラとの集合時間には遅れるなよ」

「はは、ちょっと前に遅れてきたスバルには言われたくないよ」


俺は無言で背を向ける。

何も言い返せない。


それから二時間、有意義な時間を過ごした。





「危うく外装骨格を盗られるところでした……最後には土下座までしてそれをくれぇって泣かれちゃってあわてて逃げてきましたよ、まったく研究者が見境ないのはどこも変わりませんね」


幾つかの研究室を見学し、大学受付前に戻るとすでに三人がそろっていた。


「なんでお二人とも笑ってるんですか。本当に怖かったんですよ? 研究室にいた大の大人6人が私を円で囲ってわんわん泣くんです。外装骨格着て飛んで逃げましたよもう」


早く来たつもりだったが今度も俺が最後だったようだ。

小言を言われそうだと身構える。


「そいつは災難だったな」


さも、ずっとそこにいたかのように自然に会話に混じってみる。

フラーラが俺を見てすかさず腕時計を確認した。


「よかったよかった。今度はみなさん時間通りでしたね」


俺を見ながら言わないでくれ。

事情が事情だったんだ。

自然さを狙ったが無駄だったようだ。


「ではそろそろ予約の時間ですので移動しましょうか。今日はギガント料理の名店です。量が多いのは難点ですが、期待していてくださいね」


たしか、巨人たちの料理は肉を中心とした焼き料理だったはずだ。

繊細な料理も悪くはないが、どうしても肉に心惹かれてしまうのは獣人だからなのだろうか。


心の中で密かに喜びつつバルーン乗り場へと向かう。


ココやリナとどの研究に投資すべきか話し合っているとすぐに目的の場所に辿り着いた。

どうしてかバルーン乗り場には人だかりができている。


「申し訳ない、此処は学問の聖地。いかにシティ・ガードとはいえ許可なしにお入れするわけにはいきません。今、事務がそちらの本部と連絡を取っております。確認が取れ次第許可証を発行いたしますのでしばらくお待ち下さい」


大学関係者とシティ・ガードとが話しているようだ。


「いえ、お気になさらずレイモンド教授、互いに職務を全うしているだけです。こちらこそアポイントも無しに大人数で押しかけて申し訳ない」


ハーフリングの教授と相対しているのはエルフの後ろには同じ服装のエルフが20人ほど。

随分と大人数だ。何かあったのだろうか。


……いや、関係ないか。

何か事件でもあるのならばレストランに行けば自然と噂話が聞こえてくる。

いま焦って知る必要もない。


「何かあったんですかね?」


リナが平時よりも外装骨格を身体の近くに寄せながら訪ねてきた。


「さぁな? なんにせよかなりの大事みたいだ。さっさと此処を離れよう。厄介事に巻き込まれでもしたらめんどうだ」

「多分、大丈夫ですよ。あの人はロストヴァって言うシティ・ガードのお偉いさんです。シティ・ガードの中でも特に誠実な人だともっぱらの噂ですから変なことしなければ大丈夫ですよ」


フラーラからフォローが入るが関係ない。

ここの所、トラブル続きなんだ。

警戒したくもなる。


その時、通りがかる俺達に気が付いたのかロストヴァ此方に視線を移した。

そして、最悪なことに目が合ってしまう。


「おっと、レイモンド教授。許可証が不要になりました。お手を煩わせて申し訳ありません」


ロストヴァが教授に一礼し背筋を伸ばした見事な歩みでこちらに寄ってくる。


「うっわ……最悪だ。こっち向かってきてるじゃん。リナなんかしたの?」


ココが心底嫌そうな声でつぶやいた。

ロストヴァの動きに合わせて後ろの部下も俺達に向かって展開するように追従した。

本当に最悪だ。


「なんで私ですか!? 一番問題起こしそうなのはスバルさんでしょ」


彼らが近づくにつれ覚えのある臭いが鼻をついた。


「……はぁ」


なるほど。そういうことか。


「え? スバル何か心辺りあるの?」

「やっぱりスバルさんじゃないですか」


二人から冷たい目で見られる。

ちくしょう、俺はまだこの街じゃなんもしてないぞ。


助け舟をフラーラに期待したが、彼女は結族としての立場を重視してか俺達から一歩引いて事態の把握に努めてしまっている。

まるで期待できない。


「貴方がスバルですね。メッセージは受け取りました」


エルフの優男が流麗な動作で一礼した。

レイナールと同じ気配を感じる。

戦闘力は不明だが、おそらくは彼も交渉なり雑務なりに秀でてるはずだ。


斬って殺してはい終わり、といかない分、厄介なクリーチャーよりも性質が悪い。


「そうですが、シティ・ガードの方が私にどういったご用向きですか? そちらの世話になるようなことはしていないと思うんですがね」

「真意を伝えに来ました、と申し上げましょう。転移術者が何人も誘拐されている件で少しお話がありまして、ご協力いただけますか?」


20人の部下に臨戦態勢をとらせながら笑顔で言うセリフじゃねぇな。

拒否権さんてなさそうだ。


まさか俺をつけてたのが公的な権力を行使する連中だとは思わなかった。

これ以上、心証を悪くしないためにも大人しくしたがった方が良さそうだ。

一部の部下からは秘術の気配を感じる。


もしかすると言動の記録を取られている可能性もあるし言葉の真偽を図られている可能性をある。


「もちろんですよ。街を守るあなた方に協力できるなんてまさに誉れだ。酒場の自慢話にもなる。私で良ければ微力ながら喜んでお手伝い致しますよ」

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