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ロボット警官「ヤマモトさん」

作者:倉田士郎
【勤務日報330号】

2116/12/1記す 作成者:巡査ロボットAP-6-13号 通称「ヤマモトさん」

 181日前より続く原因不明の通信障害により山梨県警本部メインサーバとの通信不可。記録のため、前回同様一時的処置として物理書類にて記す。使用筆記具は島崎巡査のものを使用。島崎巡査は182日前より所在不明のため報告できず。島崎巡査の捜索は継続中なるも現在職務に従事している警察官および警察ロボットが本官ほか巡査ロボットAP-6-12号通称「ヤマナカさん」のみのため効率的な捜索ができず、いまだ成果なし。島崎巡査行方不明発覚と同時に増員要請を発しているが、前述の通信障害により本部応答せず。本部からの修理に関する連絡いまだ無し。


 暴動発生より182日経過。いまだ沈静化の兆しなし。原因、主導者、すべて不明。

 本日の勤務スケジュールは当月分の勤務時間指示書が未達のため、前日と同様のものとした。すべて当機アイカメラによる記録映像あり。本部との通信不可のため、交番内パソコンに一時的処置として保存済。


【勤務詳細】

8:00 勤務開始。「ヤマナカさん」より引き継ぎを行う。

8:02〜15:45 暴動参加者51名射殺。レーザーガン使用。すべて規定に則り三回の警告後、足を射撃。しかし逮捕拘束時になおも抵抗し攻撃を続けたためやむを得ず射殺。事後処理のため増員要請するも前述の通信不可のためできず。現場保存は人員に対する数の膨大さ、および公道上のため交通の妨げになることなどが原因としてできず、また映像記録があることを鑑み、一時的処置として死体を当交番に隣接する「かいじゅう公園」に移動する。現在同公園には562人分の死体が置いてあるものの、適切な保管処置ができないため、約三分の一が腐敗により崩壊しはじめている。速やかに本部からの指示を要請したが、本部応答せず。やむを得ず、あとの処理は後日にまわす。

15:46 暴動対応のため後回しにした業務を行う。交番前の清掃を行う。

16:17 町内の巡回に出る。

16:18 暴動参加者とみられる男女2名射殺。レーザーガン使用。すべて規定に則り三回の警告後、足を射撃。しかし逮捕拘束時になおも抵抗し攻撃を続けたためやむを得ず射殺。記録映像あり。

16:28 暴動参加者とみられる男性1名射殺。レーザーガン使用。すべて規定に則り三回の警告後、足を射撃。しかし逮捕拘束時になおも抵抗し攻撃を続けたためやむを得ず射殺。記録映像あり。

17:41 暴動参加者とみられる男性1名射殺。レーザーガン使用。すべて規定に則り三回の警告後、足を射撃。しかし逮捕拘束時になおも抵抗し攻撃を続けたためやむを得ず射殺。記録映像あり。

17:55 暴動参加者とみられる男女4名射殺。レーザーガン使用。すべて規定に則り三回の警告後、足を射撃。しかし逮捕拘束時になおも抵抗し攻撃を続けたためやむを得ず射殺。記録映像あり。

18:20 暴動参加者とみられる女性1名射殺。レーザーガン使用。すべて規定に則り三回の警告後、足を射撃。しかし逮捕拘束時になおも抵抗し攻撃を続けたためやむを得ず射殺。記録映像あり。

18:23 暴動参加者とみられる女性1名に暴行を受けている女性(市民ID9975432 芝村千代 36歳)を発見。暴動参加者を射殺(レーザーガン使用。規定に則り警告一回にて胸部を射撃。なおも抵抗したため頭部を射撃する)し保護するも、間もなく死亡。暴行の際にうけた傷(首左側、肉がえぐれるほどのつよい噛み傷)からの失血が原因とみられる。
 また同時に、女性が生後5ヶ月程度の幼児(市民ID登録なし)を抱えていたことが判明。直後、死亡したと見られた同女性が立ち上がり、本官に暴行をくわえようとしたので射殺(規定に則り三回の警告後、足を射撃。しかし拘束時になおも抵抗し攻撃を続けたためやむを得ず射殺。記録映像あり)。

18:30 幼児を保護するも、この時点で個人を特定するものが見つからないため、交番へ連れてかえる。捜索願いとの照合行おうとするも、本部との通信できず。


18:32 幼児の衣服より血の付着したメモ書きを発見。内容は「安全な村」と題された手書きの地図。手書きのため正確な住所は不明だが、富士山五合目付近と判明。

18:40 「ヤマナカさん」と相談の末、保護した幼児の情報を得るために「安全な村」を探すことに決定。当交番は「ヤマナカさん」に一任し、幼児を連れてその場所を目指すことにする。なおこれは幼児の人命を考慮した特例であり、直属巡査長ならびに本部の承認を即座に得られない場合のやむを得ない対応である。

18:55(現在) まもなく当交番を出発する。通信障害のため、これより交番との通信も不可になる。そのため、この書類が本官の最後の記録となる可能性がある。


記録おわる


以上


追伸:「ヤマナカさん」、あとはお願いします。かならず戻りますから。

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