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曖昧な存在
それが...
そう口篭った先生のその先の話は聞けなかった。
何故ならその話の前に、私が病室の方へと案内されてしまったからだ。
「家族...か、」
きっと私の本当の家族も、あちらで心配しているのかもしれない。
突如行方不明になった、私のことを。
瞬間、ズキン、と頭が痛む。
「!!」
頭を鈍器で殴られたような鈍い痛み。ぐわんぐわんと廻る世界。
やめて、やめて、思い出したくない。
あの人、のことだけは...
耳鳴りが警鐘のように鳴り響き、頭痛は徐々に酷くなる。
まるで本能が、おもいだしたくない、と拒絶するように。
何なの、何...
みっちゃん...
みっ...
あれ?
私の一番の友人。
私の一番大切な親友。
なのに、
あなたの名前が分かりません。
「みっちゃん...の、名前...」
ずっと、ずっと一緒だったのに、
なんで。
「わた...しは、私の名前は......?」
あれ、あれ、あれれ
さっきまで言えていたはずの、自分の名前でさえ、
私は、忘れてしまったのでしょうか。
しばらく主人公シリアルです。
...シリアスもどき、なのでシリアルです。
笑うとこですよー(棒)