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俺は、フルマッピングボーナスで迷宮を無双する。  作者: 龍々山 ロボとみ
弟子一号、ノーテンキ脳筋娘、ツバサ
12/119

12話目・スペアキー、すなわちセーブ枠


 まるで、突然()()()()()()()()()()()()()()()()みたいに狼狽えるツバサ。


 俺はツバサを落ち着かせると、ステータスを見せるように言う。


「ステータス……? ええと。はい、これ」


 そこには、こう表示されている。


・━・━・━・━・


【名前 ツバサ・シノノメ】

【性別 女】

【年齢 15歳】


Key1

【消耗度】

HP・100.00/100%

PP・21.56/100%


【ステータス値】

LV・9

知力・G

心力・F+

速力・F+

技力・G+

筋力・C+

体力・C


【装備品枠・14/20】

『マップ(1)』

『通信装置(1)』

『緊急脱出装置D(5)』

『ミドルメイス(2)』

『ミドルハンマー(2)』

『ヘルメット(1)』

『チェストレザーアーマー(1)』

『スモールシールド(1)』


【所持品枠・0/20】


・━・━・━・━・


 よし、出たな。


 さらに俺は、表示されたステータスに指を置き、左にスッと動かす。


 すると、表示が切り替わった。


・━・━・━・━・


【名前 ツバサ・シノノメ】

【性別 女】

【年齢 15歳】


Key2

【消耗度】

HP・100.00/100%

PP・100.00/100%


【ステータス値】

LV・1

知力・G

心力・F

速力・F+

技力・G+

筋力・E

体力・F+


【装備品枠・0/20】


【所持品枠・0/20】


・━・━・━・━・


 よしよし。

 うまくいった。


 俺はツバサにタグプレートを返す。


「見てみろ、ツバサ」


「へ……? あたしのレベルが1に戻ってる!? うそ、なんで!?」


 愕然とするツバサに、俺はスペアキーのことを教えてやった。


 慌ててKey1に表示を戻すと、ツバサは安堵の表情を浮かべた。


「びっっ、くりしたー……。というか、スペアキーってなに?」


「簡単に言うと、ステータス違いの幻想体を保有できる権利のことだな」


「……?」


「これの何が良いかというと。幻想体のステータスの伸びはランダムだから自分の望む形のステータスにならないこともあるわけで、どうしてもの時はそれまで使ってきた幻想体を完全破棄して新しい幻想体にすることもできるわけだ」


 いったん育てた幻想体も、完全破棄すれば一から育成し直せる。

 逆に言えば、普通は完全破棄しないと育成し直せないわけだ。


 これがけっこうネックでな。


「完全破棄をするとなれば今までの努力の成果を捨てることにもなるし、再育成したところで望み通りの成長をしない可能性だってある。だから、幻想体が成長すればするほど続行か再作成かの判断に迷うようになる」


 ともすれば、破棄する前のほうがまだ理想に近い成長をしていたという場合も考えられるからな。


「そこでこのスペアキーがあれば、元々持っていた幻想体はそのままに、新しい幻想体を並行して育成することができる。つまり、新規の幻想体をある程度育ててから乗り換えるかさらに再作成するかを決めることができるわけで……」


「???」


 む、いかん。

 ツバサの頭の上に疑問符がたくさん浮かんでいる。


 つまり、だな。


「幻想体の育成が、とてもやりやすくなったということだ」


「そうなんだ! へー、そうなんだ……?」


 コイツ、あんまり分かってないな。

 いやまぁ、いいか。

 とりあえず今日のところは。


「ちなみに言っておくが、俺がこのスペアキーの存在を誰かに教えたのはツバサが初めてだ」


「え、そうなの!?」


「ああ。だから、お前も勝手に誰かに言いふらしたりするなよ」


 もう少し検証が進んで情報を体系化できれば、他の新人たちに有料で教えてやってもいいんけどな。


 今のところは、俺とお前だけの秘密だ。


「! 分かった! 絶対言わない!」


 ツバサは口の前で人差し指同士をクロスさせてバッテンを作り、にぃーっと笑った。


「二人だけの秘密だもんね!」


「ああ。……よし、それなら今日は帰るか。晩飯、何食いたい?」


 今日はお前も頑張ったからな。お前の食べたいものを食わせてやるよ。


「ほんと! あたし、チャーハン食べたい!!」


 良いだろう。

 特にチャーハンとギョーザが美味い料理屋に連れていってやる。


「やったあ! タッキー、らびゅー!!」


 そうしてこの日は無事に探索を終え、俺はツバサを連れて飯屋に向かったわけだが。




「あれ……、お前まさか、ツバサか!? 生きてたのか!!」


 行った先の飯屋で、ちょっとした騒動に巻き込まれてしまった。


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