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栄光への歴史  作者: るぶーの・るーか氏
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0111ライン渡河作戦

標準暦1922年 7月10日


ドイツ帝国 ライン川 前線戦場

「打て!!!」

左右を問わず合図とともにやかましい発射音が響く。使われているのは「15cm sFH 13」大戦前から使われている古臭い野戦砲だ。新型をずっと待っているのだが、一向に完成の報告が上がらない。上は戦車に夢中の様だ。

「敵方損害軽微です!」

「気にするな!士気を削るのが目的だ!数の違いを見せつけろ!!」

「わかってます!」

叫んでないと声も届かない。戦略としては敵の数を削りながらの防衛、場合によっては退却も可という守りの体勢なのだが、前線事情としては勝てる時には押しておきたい。

「次だ!準備は出来てるか!」

「各部隊充填完了です!」

「よし!打て!!!」

再び野戦砲が唸る。おっと、大切なことを忘れていた。遅くなったが今の状況の説明をしよう。交戦中の敵は自称「ドイツ連邦共和国陸軍」講和から少ししてバイエルンからヴュルテンベルクを通ってライン川周辺地域まで南に広がる反乱軍だ。とんでもない規模だなと思うだろうがこれでも減った方だ。事の発端は連戦連勝(?が付くのだが取り敢えず市民にはそう写ったらしい)だったドイツ側中央同盟が急に連合国との講和に入ったからだ。そこに皇帝を否定する共和派派閥が「これほど有利な状況で講和に入るとは、皇帝は何を考えているのだ!この戦いで栄光を掴むには我々国民自身が国の指揮を取らなければならない!」と、わけのわからないことをほざいた事にある。こんなの信じるやつがどこに居るんだと言いたいところだがインフレは進み食料生産は滞り、飢えに飢え、「我々が有利なんだ!」というのが心の支えになっていたドイツ国民にとってこれは結構響いたらしく、全国的な抗戦デモに広がった。抗戦デモとかそんなことあるの?って思うかもしれないけどもあるものはある。まあ、取り敢えずそんな今にも革命が起きそうな中、なんとか終戦条約が締結された。フランスから膨大な植民地を奪い、仏伊からの賠償で経済復帰も可能という内容にベルリンからブランデンブルクへ、そして北ドイツ全体へと安堵は広がり、多くの地域でデモが収束した。だが、首都圏から離れており、共和派の本拠地があるミュンヘンでは情報の伝達がまだだった。そこにタイミング悪く今しかチャンスはない!と共和派がバイエルン王国全域を占領し、独立を宣言した、という訳だ。そして我がドイツは事実上の内戦状態になった。今はイタリアとアフリカから本軍を引き戻しており、駐屯兵と憲兵、あとは新任の師団で防衛中、という状況だ。さて、そろそろ戦いに戻ろう。

「敵、塹壕地帯まで撤退してます!」

「よしわかった!最後にオマケをくれてやれ!全弾用意!」

「各部隊充填完了です!」

「しっかり当てろよ!打て!!!」

再び耳が痛くなる。さて、結果はと

「望遠鏡貸してくれ!」

「わかりました、どうぞ」

覗いてみる。オマケにしては結構当たったらしく、撤退しいてる敵の中から何人かが飛び散る。ただ、やっぱりオマケはオマケだったようで、部隊の大部分が塹壕に帰ってしまった。

「よし、一旦止めだ!ちゃんと注意しておけよ!」

こうして、連邦の第一次ライン渡河作戦は失敗に終わった。


翌日 ドイツ反乱軍 ミュンヘン臨時政府

「渡河が失敗だと!」

「は、はい現場からは同胞決死に攻勢すれど、敵軍強大なり。と、、、」

「ふざけやがって!」

クソっ散々だ!北の方は全然反抗しないし、作戦は失敗するし、なぜ革命が成功しないのだ!

「新たに民兵を入れろ!20個師団程用意して、第二次渡河作戦だ!」

「し、しかし、それでは例え革命が成功しても国内は、、、」

「知るか!情報統制のお陰か、今のうちの領域では忠誠が物凄く高いんだ!利用するしかないだろ!」

「わ、わかりました、、、」

兵器庫は押さえている。装備の備蓄はほぼ同じはずだ。あっ、そうだ!

「全てとは言わんが、できるだけ砲や戦車、航空機を歩兵の基本装備へ転換しろ!」

「え!?そんなことをすれば、戦術なんてものは」

「どうせ民兵ばかりなのだ。難しい兵器なんぞ有効活用できまい。ならば多く簡単な武器を渡してやった方がいい」

「は、はあ、一応軍部と会議してから再び伝えてください」

「わかった。いいだろう」


同年10月16日 再びライン川前線戦場

「敵側侵攻止まりません!」

「わかってる!まだ余裕はある!撤退の準備を交代でしろ!その間に残った奴で応戦だ!」

「わかりました!」

「いいか!?なんとしても損害を減らせよ!絶対気を抜くな!」

「「「「「了解!!!」」」」」

打っても打っても湧いてくる。そもそも本当にあれは人間なのか。万歳だの共和国のためになどと叫んでいる。どんな統治してるんだよ。帝国の俺たちの方がよっぽど自由が有るんじゃないか?

「砲弾尽きました!」

「そうか、廃棄は絶対するなよ!敵が数で押す以上、こちらも絶対数は多くなければならない!」

「はい!了解です!」

「よし!通信兵!」

「なんでしょう!」

「補給は一回り後方に届けておくよう伝えておけ!」

「了解!」

敵も同じドイツ人だ。勝った時も負けた時も被害は少ない方がいい。敵味方ともに被害を減らしながら戦うというのは難しいものだ。

「総員準備完了です!」

「よし!撤退するぞ!出来ればでいいが、塹壕を平らにならしておいてくれ!そっちの方がいろいろ楽だからな!」

「了解!」



「敵帝国軍撤退します!」

「一人も逃すな!殲滅せよ!突撃!」

「「「「「Sieg Heil!!!!!」」」」」

本当に都合が良い。これほど従順な軍人はいただろうか。取り敢えず我々の勝利条件は一刻も早くベルリンを落とすこと。ならば、敵の本軍が体制を整えるまでに進めるだけ進める。

「敵の装備はぜんぶ奪えよ!」

「了解!」

民兵も使い方次第ということか。さて、上は次に何を考えるのだろうか。

「敵、後方の塹壕にて設計済みと思われる陣地の構築を始めました!」

「よし!侵攻はここまでだ!敵もたたでは逃げなかったようだからな、崩された塹壕を作り直せよ!」

「了解!」

まあまあ進んだだろう。ほかの所はどうだろうか。薄い所を広げていてくれたら上もありがたいだろうな。


第二次ライン渡河作戦は連邦の勝利、渡河の成功他方面での進軍に終わった。


遅くなりました。

9月19日追記分

2週間とまでは行かないですがそれくらいは遅れるかもしれません。ゆるして


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