6話
短め
起きた。
異世界生活2日目だ。
今後の目標としては魔力と魔法を鍛えること。
常識は大切だがまだ3歳な訳だし余程酷いことをしない限り情報が上までいくこともないだろう。
勉強もまだ始まってないし、世俗とは関わった事がまだない俺が多少変な事をしても知らなかったで済ませる事も出来そうだしな。
という訳でちゃっちゃと朝ご飯を食べて魔法の練習だ。
昨日は魔力を少し動かす事に成功した訳だし、今日は朝から晩までたっぷり時間もある。
今日のうちに魔法を発動させる所までは漕ぎ着けたいね。
魔力操作の習熟にはやはりスキルとしての魔力操作を手に入れなければならない訳だが動かし続けると習得出来るのだろうか?
粘土を捏ねるかの如く魔力を動かしてみる。ほんの少しずつだが動かしやすくなっているのがわかる。
だが、この魔力操作は集中力がかなりいるのでとても疲れる。
それでもずっと動かし続けていると気が付けば太陽がもうそろそろ頂上に届くのではないかと言った所まで来ていた。
前世で太陽が頂上に辿り着く時間は午後2時頃だと習った記憶があるがまだ昼ご飯をメイドが持ってきていない事からまだ12時には届いていないのかもしれない。
因みに時間や月日の概念はほぼ地球と同じだ。
変に考え直す必要が無かったので大変有難かった。
どうせもうそろそろ誰かが昼ご飯を持ってくるだろうし集中力も切れてしまったので一旦休憩を挟むことにする。最後の方はかなりスムーズに動かせていた自信がある。
スキルが生えていたりしないだろうか?と思いステータスを確認する。
「ステータス」
サルファ皇家13男シリウス・サルファ 3歳
種族:人間【先祖返り・エルフ】
スキル
聖魔法Lv0
魔力操作Lv1
魔力感知
鑑定
収納
・・・きっキター!
やっと覚えることが出来た。この世界に来て初めて自分で取ったスキルだ、感動モノだな。
だがまだまだやれる。今はまだLv1の初級といったところだ。同じLv1でもレベルが上がる直前とは比べ物にならないはず。さっさと昼ご飯を食べて続きをしなければ。
少ししたらメイドが昼ご飯を持ってきてくれた。
持ってきてくれた昼ご飯を急いで食べているとメイドが不思議そうな顔をしていた。
少しテンションが上がって変に見えたのかも知れない。
気を付けよう。
という訳で訓練再開だ。魔力は元々丸い様な形をしていたが今ではある程度形を変えることが出来る。
形を変えることが出来るようになったので腹の辺りにある魔力を別の場所に移動させてみようとした所、初めて
魔力を動かそうとした時のような抵抗感を感じた。
なんて言えば良いのだろうか?全身を血管の様に巡る魔力の通り道がある事は分かるのだが道が狭過ぎて魔力を通す事が全然出来ない。
針の糸を通す用の穴にボウリングの玉を通せと言われているかのような無理さ。
一応魔力の形を変えることはある程度出来るので、魔力の塊のほんの一部分を限界まで細くして通す事は出来たのだが、これでは少ししか通らない。
何回も続けていると少しずつ魔力を通す用の穴〔以降魔力路と呼ぶ〕が広がっていることは分かる。
今やっている事は効率が悪いのかも知れないが全くの無駄ではない事も既に知っているのでひたすらに続けて行くだけだ。