2話
「・・・・どこだここは」
地平線の彼方まで見渡す限り真っ白だ。
「いやまあそもそもここが地上な訳ないからそもそも地平線ですらないか」
・・・いかんな、独り身が長いとどうも独り言が多くなる。
「・・・ん?」
辺りを見回していると違和感を覚えた。
「なんか変だな。」
なんだろうか?モヤモヤする。
「・・・考えていても仕方ない。何かないか探してみようかなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
足が無い!!つか体全部無い!!違和感の正体はこれかッ!!」
・・・まて、なら今の俺どういう状況?
「外見は光の球そのものですよ。」
ダレ?つか今どこから来たよ?
「私はとある世界で女神をやっているフローラと言うものです。どこからと言う質問については神の力を使って来たとでも言っておきましょうか」
わーお、これまた美人が来たなぁ。目の保養だな。
まあ目は無いんですけどね。ハハッ
某海賊のガイコツと同じこと言ってるわ。
「・・・貴方はガイコツもありませんよ」
・・・知ってる。
「で、なんで女神様がこんな所に?あっ、そーいえば俺死んだんだった。・・・つまりこれから転生でもすんの?」
「ええ、そうです。流石日本人は話が早くて助かります。」
「まあ転生する事を願いながら死にましたからね。」
「それもそうですね、では話を進めて行きましょう。
貴方にこれから転生して頂く所は私の管理する世界で、剣と魔法の世界になります。特に使命は無く自由に暮らして頂いて結構です。転生する理由としては、転生者が何か世界に刺激を与えてくれたらいいな〜といった感じです。質問はありますか?」
「無いです。」
「では続きを、これから貴方には自分のステータスを決めてもらいます。と言ってもスキルを選ぶだけですが、これから転生する貴方には転生特典として3つのスキルを選ぶ権利があります。この本の中から選んで下さい。」
どうぞ、といった風に本を渡された。大した分厚さでは無い。本を開いてみるとスキルがびっちり書いていた。
戦闘系 魔法系 生産系 その他
剣術 火属性 木工 掃除
槍術 水属性 鍛冶 採取
斧術 風属性 調合 狩猟
etc. etc. etc. etc.
スペシャルスキル・・・・転生特典パック
中々の多さだな。だがだいたいの目星は付いた。
「少し質問があるんだがいいか?」
「ええ、なんでしょう?」
「この転生特典パックには何が入ってるんだ?」
「鑑定と収納、それに魔法系のスキルがランダムで1つ入っています。」
「火属性魔法と転生特典パックを選んだ場合はどうなる?」
「火属性魔法以外の魔法系スキルから選ばれます。」
「回復魔法が欲しいんだけど本に載っていなかったんだよ、何かいいの無い?」
「回復魔法という魔法はありません。聖属性魔法がそれに当たります。再生という魔法もありますよ?」
「聖属性魔法を使える事によって被る理不尽って何かあったりします?」
「聖属性魔法を使える人は一定数いるので問題はありません。再生の場合は化け物扱いされるかも知れませんね。」
マジか、残念だな。
「スキルって鍛錬で身に付いたりしますか?」
「全て身に付けることが可能です。ですが極めて難易度が高い為に誰も身に付けたことの無いスキルや相性や性格によって修得出来ないスキルもあります。」
「ありがとう、最後の質問なんだけど転生特典パックってスキル1つぶんなのかな?」
「2つぶんになります。」
「決めました。スキルは転生特典パックと聖属性魔法にします。」
「では転生の準備を進めて行きましょう。性別は・・・女性でいいですか?」
「・・・なんでやねん!」
おっと、つい関西弁が。
「え?35年の中で1度も本来の使い方をされて無かったですし要らないのでは?」
「要るわ!超要るわ!35年連れ添った相棒を無くすとか鬼か!」
なんてデンジャーな考え方してやがる。
「ふむ、まあいいでしょう。」
「で、産まれる先はどこなんだ?いきなり死ぬような所はやめてくれよ。」
「貴方の前世を鑑みて決まります。まあ悪い事にはならないでしょう。貴方は前世で悪い事してませんから。」
「へー、ならまあ何とかなるだろ。」
「では転生を始めます。貴方が記憶を取り戻すのは3歳の少し手前になります。よい転生を。」
俺のいる真下に魔法陣らしきものが現れたと思ったら急に意識が薄れてきた。
憧れの異世界で楽しく過ごせると良いんだが。