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第87話 屋敷の庭で昼食

 軽く休憩した後、せっかくなので、再びバナナボートで遊んだ俺達。


 相変わらず上北は、ビデオカメラで皆を撮影していた。前回の反省を生かして、ジェットスキーを操縦する美浜さんの後ろに乗り撮影をしていた。


 何故か俺と結衣菜にカメラが向けられていることが多いような気がしたが。


 そして昼食時になり、屋敷に戻って昼飯を食べることになった。


 しかし午後も海で遊ぶ可能性が高いので、水着から着替えるのは面倒。ということで、綺麗にガーデニングがされた庭に、椅子や机が用意してもらい、そこで食べることになった。


 本当に海が目の前だと、景色も良いし、移動がなくて楽だ。


「そういやプライベートビーチって言ってたけど、本当に人来ないんだな」


 ビーチだし、夏休みなのだから、海岸沿いを歩いて来る人とか、いそうな気がしたのだ。


「それはですね………こちらであちらを見てください」


 美浜さんが何処からか出した双眼鏡を受け取り、言われた方向を見る。


 肉眼では分かりづらかったが、岩場の辺りに柵が見えた。


「あの柵は屋敷を囲むように配置されていますので、外部から人が入ることは出来ません。仮に柵を越えて入ったとしても、警報が鳴るようになっていますので、防犯対策を万全になっています」


 美浜さんの説明に俺達は予想以上の万全な防犯設備に驚く。。


「それにしても、そこまでやる必要があったんですか?」


 そう質問をしたのははじめだ。


「はい。旦那様がお嬢様の肌を見せたくないから作ったと、仰られていました」


「そ、そうなんですね」


 予想の斜め上の理由に、はじめは頬をひきつらせながら返事をした。


 そんなこんなで、和気あいあいと昼食を食べた。


 そして、午後は何して遊ぶかの相談になったのだが。


「莉愛はまたバナナボートをやりたい!」


「僕はのんびりする方がいいかな。釣りとかはどうかな?」


「私は磯遊びしたいかな。ほら、あそこにいい感じの岩場があるし」


 と、皆でばらばらな意見を出し合っていた。


 俺としては、はじめと同意見で、のんびり釣りでもいいかなぁ、と思っていたりする。


「結衣菜は何かやりたいことはあるのか?」


「うーん、私はりん君と一緒なら何でもいいかな」


 素でそんなことをはにかみながら言う結衣菜。


 そんな結衣菜を、周りの皆は暖かい視線で、見守るように見つめてきた。


「な、なに?」


「結衣菜ちゃんは本当に琳佳君が好きなんだなぁ、って思っただけだよ」


「だな。一ノ瀬は今回の旅行では常に音無の隣にいるしな」


「そんなことは……………あるかも」


 否定をしようとした結衣菜だが、頬を赤くしながら思い出して、納得してしまった。


「でも結衣菜、今までだって殆どずっと一緒にいたただろ。今さらのような気がするぞ」


 俺は自宅でも大抵一緒にいたことを教えると。


「そうだけど、場所が違うもん」


 結衣菜は小さな声で呟いて、そっぽを向いてしまった。


 その後もあれこれと意見を出し合ったが、なかなか決まらずにいると、1人のメイドさんがやってきて、側に控えている美浜さんに、何かを話していた。


「上北様、言われてたものが用意できたようです」


「おお。今夜にでもと考えていたが、あそこなら今からでも出来そうだな」


「はい。準備致しますか?」


「頼む。皆!今から肝試しをするぞ!」


 上北は立ち上がりながら、そう宣言をするのだった。



 ☆     ☆     ☆



 まだ明るいのに、肝試しとはなんでだ。と考えていたが、案内された場所を見て納得した。


 そこは小さな崖下にある岩場に隠れるようにひっそりとあった洞窟だった。


 昼間だというのに、中は暗く肝試しにはもってこいの場所となっていた。


「うぅ………怖い」


 入る前から俺の左腕に抱き付く結衣菜。気付いているのか分からないが、濡れるかもしれないということで、水着のままなので、生の胸に挟まれる形になっている。


「一応安全は取れているから安心しろ。何かあった時のために、美浜殿に頼み、メイド部隊に見えない所に見張りも立ててもらっている。肝心のルールだが、これでペアを決め、ここから懐中電灯1本で入ってもらう」


 上北は何処からか割り箸を出しながら言った。


「危うい場所には入れぬように紐で塞いであるから、入らないようしてくれ。ゴールは進んで貰えればわかる。説明は以上だ。質問がある者はいるか?」


 上北の問い掛けに皆は首を横に振る。


「よし。それでは割り箸を引いてくれ。先端の色でペアになるように」


 俺の引いた割り箸の色は青だ。周りを見渡し、同じ青の人を探す。


 結衣菜の割り箸の色は赤だったようで、俺の色を見てしょんぼりしている。


「琳佳君、よろしくね」


「おう、よろしくな」


 詩穗が先端が青に塗られた割り箸を持ってやってきた。


 どうやら詩穗が今回のペアのようだ。


「げっ。なんであんたと組まないといけないのよ」


「そういう運命だったということだろう」


「そんな運命いらないわよ!!」


 向こうは上北と莉愛がペアになったようだ。ということは残りの結衣菜とはじめがペアということか。


「琳佳じゃなくてごめんね」


「ううん、大丈夫。よろしくお願いします」


「うん、よろしく」


 結衣菜はしょんぼりしたままだが、何とかやっていけそうな感じだ。部活メンバーとなら異性でもだいぶ平気になったようだ。まぁ、距離は少し置いてるので、まだ若干苦手意識はあるのだろうけど。


「順番は各代表のじゃんけんで決めるぞ」


 そしてじゃんけんの結果、1番は上北、莉愛ペア。次がはじめ、結衣菜ペア。最後が俺、詩穗ペアとなった。


 こうして昼間からの肝試しが始まるのだった。

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