第75話 変異アメーバ、捕獲作戦準備
俺達新聞部のメンバーは一度生物科学研究部を訪れて軽く作戦を確認してから、持ち場へと向かった。
因みに生物科学研究部で協力してくれる女子は7人だ。
向こうは3人と4人に分かれ、それぞれ部室棟シャワー室、中庭にある噴水広場へと向かっていった。
俺達は水抜きされたプールへとやって来ていた。
最初は皆で罠の準備をする。
久遠先生が協力してくれたお陰で、破れづらい袋状になっている大きめな袋を、プールの半分に何個か設置する。
袋の口からはそれぞれ2本の紐が出ており、それをその両脇にある機械へと繋がれている。
これは外にある機械と無線で繋がっており、外の機械の番号のボタンを押すと、袋の紐を閉じてくれるという優れものだ。
これは学校のある部活、ロボット研究部が貸してくれた物だ。
耐水性もあり、今回の作戦に使えないかと久遠先生が提案をしてくれたのだ。
お陰様で作戦はやり易くなった。
「なぁ、本当に俺がここにいていいのか?」
上北と一が外に出て機械が動くかの実験をしている間に、結衣菜達女子3人が着替えから戻ってきたので、俺は他所を向きながら聞いた。
理由は3人は学校で貸してくれた制服に袖を通してきたのだが、それは久遠先生により改造された制服で、おへそやら太ももやらが普通に見えていたのだ。少し屈んだらパンツも見えそうだ。
それに結衣菜と莉愛の2人は、胸の谷間も見えるデザインとなっていた。
「うん、私は平気だよ」
「わ、私も平気」
すぐ返事を返してくれたのは莉愛と結衣菜だ。
莉愛は堂々と、結衣菜は少し胸元を手で隠しながら恥ずかしそうにして答えた。
そしてもう1人、肝心の詩穗はというと。
「うぅ~」
顔を真っ赤にしてかなり短いスカートの裾を下に引っ張りながら俺を睨み付けていた。
莉愛や結衣菜と違い、胸元には谷間は無いが、少し際どいところまで見えてしまっている。
「なんでこんな服になってるのぉ!」
詩穗は嘆くように叫ぶ。
「でも詩穗ちゃん、ちゃんと見られても恥ずかしくない下着着けてたから平気だよ」
「うんうん。詩穗には少し大人っぽいような気がしてたけど」
「それは言わなくていいよぉ!」
詩穗はそう言いながら頭を抱えてしゃがんで恥ずかしがっていた。
しゃがんだ際に見えた詩穗のパンツは以前のようなくまさんとかではなく、結衣菜達が着ているよりも布面積が小さな白いものだった。ただ、そのパンツと詩穗の胸に合うブラはあるのだろうか。
「………詩穗って上は着けてるのか?」
「「…………………」」「~っ」
俺は純粋に疑問に思ったことを口にすると、結衣菜と莉愛から冷たい目で見られ、詩穗は顔を更に真っ赤にしてしまった。
「りん君デリカシー無さすぎだよ」
「疑問に思うのは解るけど、そういうのは言わない方がいいよ」
「………………疑問………解る…………」
今度は莉愛の言葉に落ち込む詩穗。
「……………そうよ。ええ!そうよ!!このパンツに合うのは無かったのよ!!だからノーブラよ!!ほらっ!!!」
詩穗は自棄になって俺に近付いて胸元を見せるように服を引っ張った。そこから見えたのは柔らかそうな綺麗な肌色一色と少し色がピンク色になり掛かっているものだった。
「詩穗ちゃん!何してるの!」
「そうよ!そんなんで琳佳を誘惑しないでよ!」
「そんなんで悪かったわね!!」
ぎゃあぎゃあと騒ぎ出す女子3人。
俺は少し離れてその様子を見守ることしか出来なかった。それにしても詩穗はノーブラなのか。服が溶けたら不味いんじゃないか?
『こちら上北。そちらの準備は出来たか?』
耳に装着したヘッドセットの無線から上北の声が聞こえてきた。
「い、一応準備は出来てる………のか?」
『む。歯切れが悪いがどうした?音無には連絡と遊撃をしてもらうのだからしっかりしてくれよ』
結衣菜達は無線を持っていない。変異アメーバに襲われた時にまともに受け答えが出来ないかもしれないとのことが理由だ。
『まぁいい。準備が出来たらプール内で水遊びをしてくれ。今の時間は他の生徒は殆ど帰ってるからな。水を使えばそれにアメーバも引っ張られて来るはずだ。音無も武器をちゃんと装備しておくのだぞ』
「武器を装備って言われてもな」
壁に立て掛けられているのは虫取あみに袋を取り付けた物やテニスラケットにビニールを被せたものだ。
『それを使って罠に追い込むことぐらい出来るだろ。歴とした武器だ。それじゃあ幸運を祈る』
「了解。おーい、そろそろ始めるぞ」
「「「は、はぁーい………」」」
戦いの前に疲れている3人であった。
☆ ☆ ☆
「つ、捕まえました!」
1人の下着姿の女子生徒が袋を掲げて喜ぶ。
「おお。君が最初に捕まえてくれたか」
「ぶ、部長。どうしてここに?」
女子生徒の後ろにはいつの間にか生物科学研究部の部長か立っていた。
生物科学研究部の部長はいつも男子生徒の格好をしているが、歴としたした女子だ。
なので女子生徒も下着姿を見られることに嫌悪感はない。
「いやなに。新たな実験だよ。そいつを渡してくれるかな?」
「あ、は、はい」
生物科学研究部の部長は変異アメーバを受け取ると、元々持っていた更なる改良を加えた変異アメーバと混ぜ合わせた。
それを突然目の前の部員である女子生徒に放った。
「なっ!何をして………え、きゃあ!!」
すると変異アメーバは女子生徒の残っていた下着を溶かし始め、丸裸にしてしまう。更には女子生徒を包み込むようにしてアメーバはまとわり着き始める。
「ぶ、部長………」
「ふむ。予想通りの結果だ。僕はやはり天才だな。ああ、安心してくれたまえ。それは体には害はないから。僕も試してみたが身を委ねると意外と気持ちいいものだったぞ」
「そん…な………」
部長はそう言い残すと変異アメーバの一部をフラスコに入れ、女子生徒をそのままにして立ち去って行った。




