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第69話 依頼でデート3

 結衣菜と太鼓のゲームで遊んだ後、メダルゲームとプリ○ラ等で遊び、ゲームセンターを満喫して外に出た。


「ゲームセンターって思っていたより面白いね」


 ゲームセンター等の賑やかな場所が苦手な結衣菜が、満足そうにして言う。


「ねぇねぇ、次はどこなの?」


 上機嫌な結衣菜は俺の腕に抱き付きながら聞いてくる。


「えっと………駅近くのショッピングモールで買い物だな」


「今日私も買っていいの?」


「特に書いてないからいいんじゃないか?」


「それじゃ早く行こ!」


「お、おう」


 結衣菜の勢いに押され、少し嫌な予感ぎしつつ俺達は、ショッピングモールに移動した。



 そして、その予感は当たることになった。


「りん君これどうかな?」


「い、いいんじゃないか?」


「ふふふ、それじゃあ次は」


 結衣菜は幾つもの服を持って、試着室を独占し、ファッションショーをしていた。


 それにこれで4店舗目だ。


 最初は俺も色々な服を着た結衣菜を見られて嬉しかったが、今は疲れてきていた。


「これはどう?」


 シャッと音と共に試着室のカーテンが開かれる。


「ああ」


 うん。普通に似合ってるし、可愛い。でも流石に疲れていたのか、簡単な返事をしただけになってしまった。


「………りん君疲れてる?」


「そ、そんなことないぞ」


「…………………」


 結衣菜は俺の顔をじっと見つめてくる。


「ごめんね。嬉しくて私だけ夢中になってた」


 結衣菜は今までのことを思い返して、謝ってきた。


「結衣菜が楽しければ俺は構わないから」


 これは俺の本心だ。せっかくのデートだし、こういうところにはあまり来ないから、結衣菜には楽しんで欲しかった。


「ううん。ダメだよ。だってこれはりん君とのデートだもん。りん君も楽しくなきゃダメだもん」


 結衣菜ははっきりそう言ってきた。


「……………うん、決めた。りん君、私に着て欲しい服あれば教えて。ちょっと恥ずかしい服でも着るから」


 結衣菜は決心した顔で言ってきた。


「いや、無理することはないぞ」


「ふーん、ということはりん君、私に恥ずかしいの着せる気なんだ」


「っ!?そっ、そんなことないぞ」


「赤くなっちゃって可愛い。ほらりん君、ここになければ他の所を見に行こ」


 結衣菜はそう言って靴を履いて歩き出す。


「結衣菜っ!服っ!試着したまま!」


 俺は店員のお姉さんに一言謝りながら、結衣菜を試着室に戻した。



 ☆     ☆     ☆



「まだ終わらないのか?」


「まだやってるみたいっす」


「流石女の子の買い物は長いね」


 遠目から琳佳と結衣菜を尾行している男性陣は疲れた顔をしていた。


「あの服、結衣菜ちゃん似合ってるなぁ。あ、あの服、私欲しいかも。サイズあればいいけど」


 その中の唯一の女性である詩穗は、結衣菜のファッションショーを楽しみ、自分が欲しい服も見積もっていた。


「あ、結衣菜ちゃん達、移動始めたよ」


「やっとか」


 男性陣は疲れた身体を起こし、皆で2人の後を追う。


「今度はあそこの服屋みたい」


「「「はぁ………」」」


 男性陣は皆で一斉にため息をついた。



 ☆     ☆     ☆



 俺は結衣菜に着て欲しい服を探した。そして、ある店が気になり入ることにする


「へぇー、こんな感じのが好きなんだ」


「わ、悪いか?」


 この店はフリルやらが付いたお姫様みたいな服が多くあった。


 結衣菜が持っているものより、よりお姫様感があるものばっかりだ。


「ううん。私もこういうの好きだから、どちらかというと嬉しいかな」


 結衣菜はそう言うと、近くの服の物色を始める。


 俺も結衣菜に似合いそうな服を見定めることにした。


 そして、白と黒の少しメイド服に近い感じの服を着てもらうことになった。


「じゃあ試着してくる」


 結衣菜がそう言って試着室へと入っていく。


 数分後。


「お、おまたせ」


 試着室のカーテンが開くと、本当のお嬢様というかお姫様がいた。いや、実際にお嬢様ではあるんだけど。


 これから夏になるので半袖を選んだ。ふんわりとした袖口になっており、可愛らしい。

 露出はないが、ブラウスは少し胸を強調するようよ感じになっている。

 スカートは黒に白いフリルがあしらわれた膝丈の長さだ。

 少し暑そうに見えるが、薄い生地を使っているようだ。


「………何か言ってよ」


「わ、悪い。見惚れてた」


「っ~」


 俺の言葉に結衣菜は頬を赤く染める。


「まぁまぁまぁ!本当に可愛いですね!」


 近くにいた店員のお姉さんがそう言いながらやって来た。


「彼氏さん、この服を買ってあげるんですか?」


「え」


 実際に買うかどうかはまだ決めていない。結衣菜からは俺の着て欲しい服を着てあげるとしか言われていないし。


 結衣菜の方を見ると、姿見に自分を写して、気に入っていることが見て取れる。


「………はい。お願いしていいですか?」


「りん君、これ、高いよ?いいの?」


「いいんだ。これから結衣菜のその姿を家でも見れるなら」


「っ~、あ、ありがとう」


「お買い上げありがとうございます。お客様、もし宜しければこのまま着ていきますか?」


「お、お願いします」


 結衣菜は照れながら店員にそう答えるのだった。

いつも読んで頂きありがとうございます。

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