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第6話 初めての学校行事に向けて

ブクマや評価等ありがとうございます。お陰様で日間ランキング現実世界(恋愛)で37位になりました。

本当にありがとうございます。

これからも頑張って書いていきますので、よろしくお願いします。

もし誤字や理解しづらい部分等がありましたら、指摘して頂けると嬉しいです。

ブクマや評価・感想もいただけら嬉しいです。

 1週間が経ち、最初は戸惑っていたが、久遠先生による多種に渡る授業は意外にも解りやすかった。

 本人になんでこんなに色々な授業が出来るのかと聞いたところ。


「ほら、私って天才だから」


 その一言だった。

 確かに初日の授業でやった複数の科目が入ったテスト。あれの採点方法には驚きを隠せなかった。


 久遠先生はやり終わったテストを回収すると、パラパラと本を捲るように見ると、クラスメイト全員分の苦手なところを把握したようで、それぞれ苦手な場所が同じ者同士を集め、説明をしていったのだ。


 その説明している片手間に、採点をしつつ、間違っているところだけの説明を答案に書き足して、皆に返していった。


 なんなの?あの超人的スキル。


 そして、クラスメイト全員の苦手な場所がわかったことで、その後の授業は本当に解りやすかった。


 因みに、他のクラスはそれぞれ科目ごとに教師がいるらしい。

 うん、当然だよな。


 そんなこんなで、この学校にも馴れてきて、1つ目の学校行事が目の前に迫っていた。


「はーい!来週から始まる部活動&同好会紹介イベントのお知らせです♪」

『はい?』


 本日の授業を終え、帰りのホームルームでの突然の発表にクラスメイトの皆は首を傾げる。


「久遠先生、部活動とかの紹介はわかるんですが、イベントってなんですか?」


 毎度恒例になりつつある詩穗による質問。


「そのまんまだよ。来週の1週間は午後の授業は無くなって、全部が部活動と同好会の紹介するイベントになります」

「だから紹介するイベントって」

「あ、そうそう。部活動とかに入りたくない人は午前授業終わったら帰ってもいいからね。ただ、そのことを後で後悔するのは貴様らだ!なんちゃって」


 詩穗の質問の答えにならない答えを言って、颯爽と教室を出て行ってしまった久遠先生。


 え、これでホームルーム終わり?


 クラスの皆も戸惑いながら下校を開始しようと動き出す。

 俺も下校の準備をしていると。


「ねぇ、りん君は部活動は入るの?」


 結衣菜が横から覗き込むようにして話しかけてきた。


「うーん、何か面白そうなものがあれば入ろうと思うけど・・・。結衣菜は?」

「わ、私はりん君と同じがいいかな」

「そうかぁ・・・ならさ」

「共に同好会や部活動を作ろうではないか!!」

「なっ!」「ひっ!」


 突然現れた上北に驚いてしまう俺達。男が苦手な結衣菜は俺の後ろで震えてしまっている。

 後日、以前みたいに冷たい発言をしないのかと聞いたら、構えていない時は萎縮してしまうらしい。


「お前はいきなり現れんな!」

「それを取ったら俺でなくなるだろう!」


「「・・・・・・・・」」


 上北の叫びを聞いて、そのまま2人でしばらく固まってしまう。


「なぁ・・・それ、悲しくないか?」

「・・・ああ、自分で言った後に気付いた」


 なら言うなよ。


「で、部活動とか作るって?」

「ああ、そうだ。この学校は同好会なら3人、部活動は顧問と部員5人から作れるらしい」

「なるほど。で、何の部活動を作るんだ?」

「それはな・・・・・」

「それは?」

「・・・・・・・・・すまん、考えてなかった」

「おい!!」


 俺は思わずツッコミを入れてしまう。


「相変わらずだね」

「ああ、はじめか」

「また面白そうなことするの?」

「いや、こいつがまた何かやろうとしているのは確かだが」

「ならまた混ぜてもらおうかな」

「お前もなんだかんだで物好きだよな」


 一は勉強はかなり出来て真面目な奴なのに、何故か俺らとよく騒いだりする奴なのだ。


「なになに?何かやろうとしてるの?」

「いや、何か上北が部活を作るとか言い出して」

「なにそれ!面白そう!」


 詩穗は何故か乗り気なようだ。


「でも何にも考えてないんだと」

「なーんだ。ならこれから考えない?」

「マジか」


 何故そんなに乗り気なんだ。


「り、りん君」

「ん?」


 俺の後ろから耳元で結衣菜が話しかけてくる。他の皆が周りに集まって来ているので、少し緊張をしているようだ。


「ま、まず、今ある部活とか見た方が」

「あ~・・・確かに同好会もあるらしいから、それを見てからでも遅くはないか」


 結衣菜の言うことは真っ当なことだ。まず俺はこの学校にある部活を知らないのだ。


「取り敢えず、部活を作る作らないは来週から始まる部活紹介のイベントを見てからだな」


 そして、今日はそのまま下校することになった。



 ☆     ☆     ☆



 帰り道。

 俺は相変わらず、結衣菜と手を繋ぎ、帰路に着いていた。


「2人ってもう付き合ってるの?」

「ふぇっ!?」

「いや、まだだけど」


 今日は詩穗の奴も一緒だ。そんな詩穗からの突然の言葉に、結衣菜は顔を真っ赤になってしまう。


「まだなんだ。でもさ、毎日手を繋いで登下校ってカップルでもそうはいないと思うよ」

「確かにな。バカップルってやつに入るかもな」


 そんなカップルがいたらバカップルという奴だろ。


「いや、だからさ。端から見たら、君達はそのバカップルになるのよ」

「・・・・・・・は?」

「だって、噂になってるよ?今年の1年にやたら仲の良いバカップルがいるって」

「そうなのか!?」

「あぅ・・・」


 俺は驚き、結衣菜は首まで赤くしてしまっている。


「うん、私、学食とかで聞いたもん」

「マジか・・・・」


 それは何て言うか・・・あれ?嫌なのか?結衣菜とだったら別にいいような。


「結衣菜、俺達付き合うか?」

「~~~~っ!?!?」


 結衣菜は頭から湯気が出るほど顔を真っ赤にしてしまう。そして


「ふにゅぅ・・・・」

「お、おい!」


 結衣菜は変な声を出して、俺の腕に寄り掛かるように倒れそうになってしまう。


「りん君・・・・・私はここまでみたい」

「何ゲームでやられそうなキャラのセリフを言ってるんだよ」


 流石にいきなり過ぎたか?


「流石琳佳君。こんなところでいきなり告白なんて、私も驚きだよ」

「こ、告白!?」


 そうじゃん!今のって告白じゃん!


 俺は流れでなんとなくで言ってしまったので、告白という言葉を聞いて慌ててしまう。


「ゆ、結衣菜、自分で立てるか?」

「・・・うん」


 結衣菜は俺の腕に掴まりながら、なんとか自分で立ってくれる。


「にしても一ノ瀬さんってそんな可愛い反応するんだね」


 詩穗は面白そうなものを発見したような顔をして聞いてくる。


「俺からしたら、これが結衣菜って感じだけどな」

「そりゃあ幼馴染なんだから当然なんじゃない?私は冷徹女という噂しか知らなかったし」


 確かに最初はクラスメイトからそんな風に言われてたな。今はだいぶ柔らかくなったけど。


「確かにな。一ノ瀬が噂より可愛く見えるのは確かだ」

「だね。僕も琳佳と話す一ノ瀬さんを見て驚いたし」


 後ろの方で歩いていた上北と(はじめ)が話しかけてきた。俺達が立ち止まっている間に追い付いたようだ。


「うぅ」


 2人が近くに来たのが原因なのか、結衣菜は俺の背中に隠れてしまう。


「ふむ・・・」

「上北、結衣菜をそんなに見てやるな。怖がるだろ」

「ああ、すまない。ちょっと何か思い付きそうだったんだ」

「思い付きそうって何が?」

「それはまた後日、まとまったら言うかもしれん。そういうわけで俺は先にいくぞ」

「じゃあ僕も先にいくね。じゃ、また明日」


 上北と(はじめ)は何かを話しながら行ってしまう。


(変なことにならなきゃいいんだが)


 中学からの付き合いとして、上北が何かを思い付いた時ほど恐ろしいことはない。

 俺は何もないことを祈りつつ、結衣菜と詩穗と別れ道まで一緒に帰るのだった。

次回からは学校行事が開始する予定です。

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