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第68話 依頼でデート2

 俺達が見た映画は盲目の主人公とペットの猫の感動ストーリーだ。


 俺はいつも見るのはアクション映画が多いので、凄く新鮮だった。


 今は映画館を出て、次の目的地であるレストランへと向かっている。

 結衣菜は映画館を出てから俺の腕に抱き付きながら泣いていた。

 そのせいか、周囲からの視線が痛い。


「もうそろそろ泣き止んでくれ」


「で、でも、猫さんが……うぅ」


 結衣菜はまた思い出したのか泣き始めてしまう。


 確かに内容は感動的なよくあるストーリーだったのだが、感情移入しやすく作られており、俺もうるっと来てしまった。


「お、ここか。結衣菜、着いたぞ」


「ぐすっ、うん」


 泣いている結衣菜を連れてレストランに入ったせいか、店員や客の視線が一瞬とはいえ俺達に集まったような気がする。


 そしてメニューを見ている内に、結衣菜も次第に落ち着いてきたのか、やっと泣き止んでくれた。


 俺達はこのまま映画の話をしながら、昼食を取るのだった。



 ☆     ☆     ☆



「うぅ~よかったよぉ~」


「鶴野宮、いい加減泣き止め」


 琳佳達から少し離れた席では、詩穗が琳佳達と同じ映画を見て号泣していた。


「それよりどうだ?ここまでは俺も内容は良いと思うが」


「はい。一応自分が考えていた通りの行動っす」


 映画を見た後にレストランとかでその話題で花を咲かせる。

 よくあるデートプランではある。


 琳佳と結衣菜も今は楽しそうに話で盛り上がっていた。


「で、この後は………」


 上北達はデートコースを確認するのだった。



 ☆     ☆     ☆



 昼飯を食べ終わった後、俺と結衣菜は意識したわけでなく、自然と手を繋いで次の目的地へと向かっていた。


「2人でここに来るのは初めてだね」


「だな。前は上北達も一緒だったし」


 やってきたのはゲームセンターだ。


 中へ入ると、相変わらずの煩すぎる程のゲームの音で溢れていた。


「結衣菜、大丈夫か?」


「う、うん。前に1度来たしりん君もいるから大丈夫」


 結衣菜はあまり賑やかな場所は得意ではない。


 繋いでいる手も力が入ってしまっている。


(うーん、少し慣らすには適当にゲームをやった方がいいか)


「結衣菜、何かやりたいのあるか?」


「えっと、人形はこの前取ってくれたし………あ、太鼓あるよ!」


 結衣菜が目につけたのはよくある太鼓の音ゲーだ。


「一緒にやるか?」


「うん!りん君と一緒にやってみたい」


 これは2人まで一緒にできるゲームだ。


「えっと………これはどうすれば」


 結衣菜はお金を入れた後、どうすればいいか解らないようだ。


「ここに置いてあるバチで太鼓を叩くんだ」


「う、うん」


 結衣菜は弱々しく太鼓を叩いた。一応反応はしているので大丈夫だろう。


 俺もお金を入れて同じように太鼓を叩く。


 そして難易度は『簡単』を選び、曲選択画面へ移った。


「ここの縁をを叩くと横にスクロールするから、それで曲を選ぶんだ」


「この星は?」


「それは曲の難易度だ。多ければ多い程難易度は上がる」


「じゃ、じゃあこれにしようかな」


 結衣菜が選んだのは某アニメのオープニングテーマだ。


 小さい子どもから大人まで幅広い世代に知れ渡っている。


 難易度も星2つなので、難しくはない。


 そして曲が始まる。


「は、始まっちゃったよ!?」


「落ち着け。この丸い所に赤いのが来たら真ん中の皮を、青いのが来たら縁を叩くんだ」


「こ、こう?」


 結衣菜は赤いのが来たタイミングで太鼓を叩いた。

 俺も教えながらも、同じタイミングで太鼓を叩く。


 俺はこのゲームで難易度『難しい』もクリア出来るので、これぐらいなら多少余所見しても余裕で出来る。


「わっ!わっ!あ、青いのきた!」


 結衣菜は戸惑いながらもなんとか音楽に合わせるようにして、太鼓を叩く。


 俺も適当にタイミングを見て叩いているのだが、俺は別のことに意識がいっていた。


(ゆ、結衣菜の胸がっ)


 俺の隣で太鼓を叩いている結衣菜。今日は肩を出している服なので、横からだと胸の谷間が見える。そして太鼓わ結衣菜が叩く度に揺れて、ちらりと淡い黄緑色の下着が見えているのだ。


 幸いにも俺達の側には誰もいない。


 俺は出来る限り意識をゲームに向けて、その場を耐えたのだった。


 でも苦手な場所でも結衣菜は楽しそうにしてくれて助かった。



 ☆     ☆     ☆



「楽しそうっすね。これのどこがいけないんすか?」


「これはあの2人がお互い知っているからだろうな」


「そうだね。結衣菜ちゃんはこういう場所苦手って言ってたもんね」


 依頼者の男子生徒はその言葉を聞いて、意外そうな顔をして、視線を琳佳達に戻す。


「それに琳佳、ちゃんと一ノ瀬さんが少しでも楽しめるように気を遣っているね」


 はじめの言葉を聞きながら、男子生徒は観察を続けるのだった。

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