表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/109

第63話 生徒会長

更新が遅くなってしまい、申し訳ありません。

 新聞は意外にも好評だったらしく、久遠先生以外の先生や生徒達からも、「次はいつなの?」「この人(莉愛のこと)紹介してくれ」等、声を掛けられたりした。


 特に男子からの莉愛への執着がすごく、部室まで押し掛けられる始末だ。


 そして収集がつけられなくなりそうになった時、久遠先生が可愛らしく怒鳴ったら、何を言われたのか分からないが、その男子生徒達は来なくなった。


 そして夏服へと衣替えし、平和な日常が帰ってくるはずだった。


「貴方が音無 琳佳ね?ちょっと私に付いてきてくれるかしら?」


 ある日、放課後になると俺の知らない先輩が教室に入ってきてそう言った。


 見た目はかなり真面目そうな印象があり、掛けている眼鏡の奥からはきつそうな眼差しが、俺を射抜いている。女子の割には背が高い方だろうが、胸は結衣菜の方がある。詩穗よりは断然にあるが、小さい方だろう。


 何か面倒な気がしたが、ついていかない方が面倒なことになりそうなので、結衣菜に一言掛けてから、その先輩にくっついてある教室にやってきた。


「えーと、俺何かしました?」

「ええ。噂はかなり広がっているもの。気が付かない方がおかしいわ」


 先輩は腰に両手をやり、少し偉そうに胸を張って宣言するように言った。うん、やはり胸は小さいな。


「何か失礼なこと考えてない?」

「そんなことありませんって」


 俺は少しドキッとしながら否定をする。


「まぁいいわ。私は生徒会長をしている伊万里いまり 麻里まりよ」


 いまり まり か。名字と名前が連呼しているので、覚えやすい名前だな。


「・・・・・・」

「何を考えているかは、想像出来るわ。わかってるわよ。まりまりってあだ名があるくらいだからね。それより本題よ」


 伊万里先輩はぷりぷりと可愛く怒りながら、本題を切り出してきた。


「貴方、音無 琳佳は学校内で不純異性交遊をしてるって!」

「不純ってそんなことしたことないですよ!」


 結衣菜とは付き合ってはいるが、まだしていない。ベタベタはしているけど、そこまではしてない。


「しかも1人ではなく3人はいるって噂よ!」

「さ、3人って。俺は結衣菜と付き合ってるんだから、そんなことするわけ無いじゃないですか!」

「そんなことは新聞を見たから知っているわ。でも幼女とか巨乳の女とイチャイチャしているらしいじゃない」

「幼女と巨乳の女って・・・」


 まさか詩穗と莉愛のことか?


「というわけで暫くの間、私が貴方を監視することにしたわ。宜しく」

「は、はぁ」


 別に見られても変なことはやってないはず・・・。いや、結衣菜はよくくっ付いてくるか。詩穗とはそんなことは基本的にしないし、莉愛はまだ中学生だから、高校にいる間は大丈夫だろう。


「えっと、結衣菜とイチャイチャするのは駄目ですか?」

「一ノ瀬 結衣菜さんは貴方と許嫁なんでしょ?度を過ぎなければイチャイチャするのは構わないわ」


 それならよかった。


 伊万里先輩の話はそれだけらしく、俺は生徒会室を後にして、部室へと向かった。



 ☆     ☆     ☆



「あ、りん君!」


 俺が部室に入ると、すぐさま結衣菜が近くに駆け寄ってきた。


「あの先輩と変なことしてないよね?」

「するはずがないだろ」

「だよね。えへへ」


 そう言って結衣菜は早速俺の腕に抱き付いてくる。


「それより上北とはじめはどこだ?」


 部室内には結衣菜と詩穗の2人しかいなかったのだ。


「上北君はやることがあるって言って、どこかへ行ったよ。にのまえ君は今日予定あるみたい」


 詩穗が部室に置いてあるチョコを口に運びながら教えてくれた。


「ってことは今日やることってないのか?」


 まぁ、無かったら無いで、ここでお喋りして終わることもあるぐらいだけど。


 俺は腕に結衣菜を付けたまま席に座ろうと移動をする。


「あ」

「え?」


 突然、結衣菜が自分の足に躓いて転びそうになる。結衣菜はぶら下がるようにして俺の腕に全体重を乗せてきた。俺は突然の重みに耐えようとして、変な体勢になってしまう。


「くっ」

「きゃっ」


 だが突然の重みに耐えきれなくて、運悪く詩穗が座っている方へと倒れてしまった。


 結果、俺は詩穗を巻き込んで、3人で倒れてしまった。


「いたたた・・・。2人共、大丈夫か?」


 視界が暗い中、俺は2人に声を掛ける。左腕は結衣菜がまだしがみついているのか、動かせなかった。


 なので俺は右腕を使い、この暗い場所から少し身体を起こしどうなったか、確認をしようとした。すると、白い3角形の布に小さな猫が描かれているものが視界に入った。


 そこからは肌色の2本の足と思われるものが伸びていて、その布の上の方におへそが見えていた。


「り、琳佳君。ど、ど、どこに顔を入れてっ~」

「わ、わりぃ!!」


 俺はどういう訳か、詩穗のスカートの中に不時着してしまっていたようだ。


 俺は慌てて身体を起こし、詩穗に謝る。


「り、りん君っ!?」

「え?」


 ブチブチっという音と共に、結衣菜の叫ぶような声が聞こえた。


 結衣菜の方を見ると、夏服の前のボタンが外れて、淡い水色のブラが俺の目に飛び込んできた。


 どうやら慌てて起きた際に、結衣菜のシャツを握ったまま起き上がってしまったようだ。


 そこで俺はぞくりとするような視線を感じた。


 ふと廊下の方を見ると、伊万里先輩が呆れた目でこちらを見ていた。


(これはまずい!!)


 今の俺の現状・・・詩穗を押し倒し、スカートが捲れてパンツが見えていて、なおかつ左手は結衣菜の胸元のシャツを掴んで、ブラが見えてしまっている。


 端から見たらどう見えるかなんて、考えるまでもない。


「ち、違うんです!これはっ!!」

「「きゃあっ!!」」


 俺が伊万里先輩の方へと慌てて向かおうとしたのが不味かった。


 何故か右手の指が詩穗の猫さんパンツに引っ掛かって脱げそうになってしまい、その隠れた部分が見えてしまいそうなり、左手は結衣菜のブラのフロントホックに引っ掛かったのか、結衣菜の胸がプルンっと飛び出してしまった。あ、念のため言っておくが、見てはいないぞ。見えそうになったけど。


「ご、ごめっ!」

「「りん君(琳佳君)の・・・」」


 2人が片手で要所を隠し、空いた手を振りかぶる。


「「エッチーーーーっ!!!」」


 バチンっと大きな音を発てて、俺の両頬に2人のビンタがクリティカルヒットした。


 倒れながらも廊下を見たが、すでに伊万里先輩の姿はなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ