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第10話 部活紹介フェスタ 3

いつも読んで頂きありがとうございます。

 部活紹介フェスタの2日目。


午前は普通に授業を受けて、昼休みを挟後み、午後からはまた部活紹介フェスタが始まった。


「昨日とぜんぜん違うじゃねぇか!!」

「そう・・・だよね。昨日やっていた野球部やサッカー部はどうしたのかな?」

「えっと・・・上北君の情報だと、あまりにも部活、と同好会数が多いから、日替わりで違うグループがイベントをやるみたい」

「それって1日でもサボれば、全ての部活を見れないということか?」

「その前に1日でも全てを見るなんて出来ないんじゃ・・・」


 駄目じゃん!この学校何個部活あるの!!


 確か全校生徒数は約600人。その内、新入生を除いたら約400人。で、確か部活数は・・・。


「詩穗、この学校の部活数って幾つだ?」

「えっとね・・・。部活数は10個ちょっとみたい」

「意外に少ないな」

「でも同好会は60個ぐらいあるみたい」

「多すぎだろ!」

「うん、今日のは部活じゃなくて同好会中心の日みたいだね」


 なるほど。そりゃあ5日間もなきゃ紹介も体験も出来ないわな。


「ん~・・・それでも部活とか同好会って多くないかな?人数的にもおかしくならない?」


 結衣菜が疑問を口にする。


「あ、それはたぶん掛け持ちしている部員が多いからみたい」

「掛け持ちもOKなのか・・・」


 そりゃあ多くなるわ。


「で、今日はどこを見るの?上北君の情報でも同好会の数は多くて把握出来ていないみたいだけど」

「なら昨日まだ行っていない部活棟の2階とか行ってみないか?」

「私はりん君に付いていく」

「私は面白そうなところがあればどこでもいいよ」

「じゃあ、行くか」


 特に反対意見もないようなので、俺達は部活棟2階を目指して歩き出した。


「うおぉぉぉぉ!!!!」


 なんか視界の端で上北が雄たけびを上げながらグラウンドを全力疾走をしているのが見えた気がしたが・・・。何やってるんだ?あいつは。


 俺は移動中だったが、その集まりの方を見てみる。


「・・・・・・フリスビー取ってこいの会って」

「え?それってワンちゃんがやるあれですか?」

「あははは!上北君、犬のカチューシャ着けてる!」


 なんていう同好会を作ってるんだ。というか、同好会があるってことは3人集まったのか?凄い学校だな。


「ん、あれは・・・はじめか?」


 その更に向こう側に一の姿を発見する。


「あいつは何やってんだ?」


 一はただ座っているように見えるが。


「あれ?3人は何かやらないのかい?」

「「「えっ!?」」」


 後ろから一の奴が現れたぞ!?どういうことだ!!


「く、クローン?」

「ね、ねぇ、にのまえ君、あれはなんなの?あれもにのまえ君だよね?」


 結衣菜は俺の後ろに隠れ、詩穗は一に質問をした。


「ん?ああ、あれは人形だよ。紙で出来た」

「紙で出来た人形?」

「うん。凄いよね。あれをほんの一時間で作っちゃうなんて」

「いや、冗談だろ?」


 俺はマジになって一に聞いてしまう。


「本当だよ。確か・・・紙人形同好会だったかな?」


 それ、人の領域を逸脱した神がやってるんじゃないだろうな?紙だけに。って自分で言ってて寒いな。


「この学校は見てて面白いね」

「面白いっていうか、常識知らずが多いような気がするけどな」

「きゃっ!」


 一と話していると、詩穗が小さな悲鳴を上げた。


「どうかしたか?」

「ね、ねぇ、背中に何か付いてたりしない?」

「背中?」


 詩穗は俺に背中を向けて聞いてきた。俺は詩穗の背中を見てみる。


「・・・なんだこれ?」


 詩穗の背中には黒い小さなウニみたいな物がくっついていた。


「な、なあ!君達!こっちにウニが跳ねてこなかったかい?」

「えっと・・・こいつか?」

「む、そうだ!ありがとう!せっかく作ったばっかりの生物兵器が逃げてしまってね。慌てて探していたんだ」

『生物兵器!?』


 一も含んだ俺達は声を上げてしまう。


「ああ、こいつは地上でも跳ねて活動出来るようにした改造ウニでな。なおかつ小さくして、ばれないように試みたのだが、恥ずかしながら逃げられてしまってね」


 なんだ?なんなんだこの学校。生物兵器を作れる生徒もいんのか?


「ああ、このことは秘密にしておいてくれよ」


 そう言い残して、その変な先輩は行ってしまった。

 俺達は何も言えずにその場で立ち尽くしてしまう。


「本当に面白い学校だね」

「俺はここに通っててもいいのか疑問を抱いたぞ」


(本当に何なんだよ。この学校は)


 俺はそう思いつつも、目的の部活棟2階を目指して歩き出すのだった。



 ☆     ☆     ☆



「つ・・・疲れた」

「私もう歩けないけないよ・・・」

「あはは・・・琳佳君、私もぶら下がってもいい?」


 俺達は部活棟から出てきたところだ。

 俺もそうだが、結衣菜は俺の左腕にぶら下がるようにしてくっ付いている。詩穗は一人で歩いているが、本当に俺の空いている右腕にぶら下がりたそうだ。

 なぜこんなことになったかと言うと


「マジでなんなんだよ・・・・・この学校は」


 部活棟2階を目指した俺達。その選択が間違っていた。同好会?いや、あんなの同好会って呼んでいいのか?


「本当にすごかった・・・・」

「ってかあれ・・・学校じゃないよね」


 外から見た感じは普通の校舎に見える。いや、1階部分は普通の廊下に教室のような部屋が幾つもある感じだ。昨日行ったお化け屋敷研究会も教室を2つ繫げた感じだったし。

 でも2階は廊下がなかった。

 階段を上がったらなんというか・・・あれは


「なんで学校がコミ〇や〇ームショウのようになってるのよ!」

「・・・・やっぱりそうだよな」


 そう、いきなり人の波に呑まれて、なんか知らないうちに同人誌?のような薄い本が売られている場所に連れて行かれ、断って別の場所に行こうとすると、体験型ゲームとやらが待っており、そちらに投げ込まれる様に入らされた。

 しかもそこに待っていた屈強な男達(これは学生か?)に囲まれ衣服を剥ぎ取られて強制コスプレをされた。

 結衣菜と詩穗も女子達に服を剥ぎ取られて強制コスプレをされていた。なんでも〇イマスのアイドル衣装だとかなんとか。


「まぁ、あのコスプレは可愛かったけどな」

「あ、ありがとう?」

「なんか褒められているのに微妙な気分」


 俺に褒められて、2人は頬を少し赤く染めた。


 そして、俺達は元々着ていた衣服を持って、1階にある男女それぞれのトイレで着替えて今さっき出てきたところだ。


「今日はもう帰るか」

「うん、私もそれでいいよ。本当に疲れたし」


 詩穗も異論はなさそうなので、俺達は帰宅することにした。


「ねぇ、詩穗ちゃん」

「ん?なに?」

「さっき言っていた〇ミケや〇ームショウって何?」

「「え!?知らないの!?」」


 俺と詩穗はその事実に声を揃えて驚くのだった。俺も行ったことはないが、ネットで写真とか見たことはある。


 因みに結衣菜にゲームはやったことがあるかと聞いたら、ゲーセンとかによくあるぬいぐるみを掴んで取るやつしかやったことがないそうだ。


「今時珍しいね」

「だな」

「そ、そうなの・・・かな」


 結衣菜は少し恥ずかしくなったらしく、俺の腕により密着してくる。


「ん?」


 俺はそこで疑問が浮上した。


「なぁ、結衣菜」

「ん、なに?」

「お前は・・・・その・・・ブラ付けてるのか?いつもと感触が違うんだが」

「っ~~~!?!?」


 結衣菜は慌てて俺の腕から手を離し、胸を隠すような仕草をする。


「琳佳君、それはデリカシー無さ過ぎ。わかってても黙っててあげようよ」

「いや・・ってマジで付けてないのか!?」

「なんか服を剥ぎ取られた時に肩紐が切れたみたいで付けれないんだって」

「な、なるほど」


 結衣菜はまだ腕で胸を隠している。そんなに恥ずかしかったか?


「そ、そういう詩穗ちゃんだってブラしていないんだよ!」

「わぁー!言わないでよ!」

「そ、そうなのか?」

「胸が小さいからキャミソールしか着てなかった」

「そんなの琳佳君に言わないでよ!!」


 結衣菜と詩穗は俺の目の前でぎゃあぎゃあと騒ぎ出した。


「・・・・・・俺は入らない方が良さそうだな」


 俺は1人で帰るわけにもいかず、目の前で結衣菜と詩穗の言い合いが終わるのを待つことになるのだった。

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