結奈。シャロン(猫)に再会する。
私は、今日の出来事に疲れたのかベッドに入ると、直ぐに睡魔がやってきて眠りだした。
眠りの中でも、何故か違和感を覚えて目覚めると、隣に誰かが眠っている!私は、ビックリして大声をだそうとしたら、その人に口を塞がれて、耳もとで囁かれた。
「結奈!逢いたかった!僕シャロンだよ!」
「シャロン!いつのまに?ここへ!」
「王子と一緒にね、王子には、内緒で馬車に乗り込んで来た。猫だからドアを開けて入れないでしょ!冬は特に、何処でも窓もドアもしまっていて、自由に行き来できないから、人に就いて行くしかないのだ。結奈には、もっと早く逢いたかったけれど、ここの息子がちっとも結奈を連れて来ないだろ。だから、危険を処置で王子と一緒に結奈に逢いに来た。」
「シャロンの状況は理解したわ。でも何故森へは来なかったの?」
「森の魔女には、僕が誰なのか解ってしまうから。逢いに行けなかったのだ。寂しかった?」
「ううん!そんな事を考える暇も無かったわ!ああっ~・・・ごめん!その~忙しさにかまけてシャロンを忘れていた訳じゃないのよ!シャロンは宮殿に行ったと聞いたの。ほら!宮殿の中なら美味しい物も食べられるし、寝る場所だってあるから居心地は良かったでしょ?だからシャロンのことを安心していられたの!」
「結奈は、僕の事を忘れていたのだね!」
「シャロン!なにすねているの?シャロンらしくないわよ!」
「でも良かった!シャロンにまた逢えて、シャロンがいないと私は、何故かどんどん面倒な事に巻き込まれて行くのよね?指導者ならなんとかいってよね!シャロン?どうかしたの?何か悩み事でもあるの?私にも言えないこと?私達ここへ共にきた同士でしょ?シャロンの力になれない?私では頼りにならないの?」
シャロンは、突然私を抱きしめた。
私はシャロンの異常さに困惑したけど、そのままシャロンに抱かれていた。
私は、自分の手をシャロンの背中に回して、彼の背を軽く子供をあやすように、叩いていた。シャロンは泣いていた。
私は、自分の知らない間の彼の身に、何が在ったのかを知りたかった。
そして、その原因を取り除いてあげたいと思った。
「シャロン!話を聞かせて!貴男の、心の中にある重りを、私は取り除く事が出来ない事なの?シャロン!私だけが貴男の話を、聞いてあげられるのだから、お願い聞かせて!」
シャロンは、そっと私を身体から離すと今度は、私の後ろから抱きしめた。
「結奈!このまま僕の話を聞いてくれるか?」
私は、黙って頷いた。二人はベッドの上でお互いの温もりを感じながら。
シャロンは、宮殿で聞いたあの夜の話を、私に聞かせてくれた。
なんて酷い話なのだろう。それを偶然聞いてしまうシャロンの事を、思うと結奈はいつの間にか目に涙が溢れていた。
「結奈!僕の為に泣いてくれているの?本当は結奈には、何時でも笑顔でいて貰いたいのに。僕は君を、泣かせてしまう。ここに連れて来た事を後悔している。」
「シャロン!違うの!私自分が情けないのよ!シャロン!貴男が辛い思いをしているのに、無二の同士の事を、忘れていた事実が悔しくてこれは・・この涙は悔し涙だからシャロンが私を泣かせた訳じゃないからね!誤解しないでよ!」
結奈の、必死に訴えるこの状況が、僕には何よりも嬉しい、そして愛しい。
もう結奈から離れる事はないだろう。
例え永遠に、この呪いが続き猫のままでも、結奈の前では一人の男としていられるのだ。
こうして、結奈の吐息も肌の温もりも、二人で感じられるのだ。
僕は、結奈に出会えて良かったと、心より思っている。
「シャロン?貴男は本当に王様なのね!もしもよ?そのままだったら今の王様と、立場が変わっていたのよね?綺麗な王妃を娶り、子供たちに囲まれて、偉大な王様として君臨していた。シャロン!今も素敵だから、女性からの、アプローチはかなりなものだよね?容姿良好。財力あり。地位は文句なし。これじゃ・・・女性がいないわけ無いよね?」
「結奈!もしかしてジェラシイ?僕の、周りにいた女に嫉妬している?」
「シャロン!バカな事言わないで!嫉妬にも何もならないわよ!貴男の、周りに群がる貴族のお嬢様と?私と比較する事、事態を天秤に?とんでもないわ!私は、自分を知っているもの。」
「結奈!僕には、君一人しかいらないよ!何千とこの世の美女を、集めても、もう君以外は、僕の瞳には映らないよ!」
「シャロン!貴男!どうかしてしまったの?そんな言葉は、恋に狂った人が言う言葉よ!駄目よ!変なもの食べたの?」
「結奈!君は本当に奇想天外な人だよね?可笑しい!」
シャロンは結奈に打ち明け、今後の事を二人で、考えて話をしているうちに、身も心も軽くなった。神は、僕を見放したりしなかった。僕に、結奈を与えて下さった。
その後も二人は話をしてベッドで眠りに就いた。
翌朝、侍女長のマーサの声で目が覚めた。
「結奈様!いつのまに猫をお入れになりました?」
ベッドの上には、猫になったシャロンが結奈の側で寝ていた。
「マーサ!おはようございます!この猫?私の猫なの!宮殿に預かって貰っていたの。昨日殿下が連れてきて下さったから、私同様にお世話になります。宜しくマーサさん!」
「そうでしたか!では猫の食事も用意してきますね」
「マーサ!シャロンは猫の名前なの。シャロンは、何でも食べるから別に用意する必要はないのよ。私と、いつも半分、分け割って食べるから、気にしなくていいのよ。」
「でもそれでは、結奈様の、お食事が少なくなってしまいます。コックにそれぞれ多めに作って貰います。」
「マーサ!ありがとう!ロナルドには秘密にね。」
「ロナルド様に?」
「ロナルドは、ああ見えて結構嫉妬深いの。猫でも私と、寝ていると焼き餅をやくのよ。可笑しいでしょ?」
「ロナルド様に、そんな一面がおありになるなんて、想いもしませんでした。」
マーサはそんな事をいいながら、私の支度をして部屋から出て行った。
「ロナルドはそんなに嫉妬深いのか?」
「シャロン!突然話しかけないで!心臓に良くないわ。それはそうと、私が服を着替えている時は、目を閉じていて!シャロンも覗きの趣味はないでしょ?」
「結奈の事なら大丈夫だよ!とても綺麗だから!」
シャロンが、なんだか性格が変化してきた・・・・・・嫌な予感!




