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異界での私の新人生  作者: 木瓜乃ハナ
7/27

結奈が、城に招かれる訳は?やっとの思いでたどり着いた場所。

ロナルドの気持ちが揺れ動く、城に連れていきたいのか?行かせたくないのか?

結奈はシャロン(猫)に、一言いいたくて、着たものの・・・・

王都には、明日経つことにした。何故なら結奈は、この三日間まともに寝てはいなかった。


屋敷に戻り結奈を休ませる事にした。侍女のアンナには、彼女の身体の様子に気を配るように申しつけて、自分も休むことにする。

僕自身も、結奈が起きているときは、薬の配合の手伝いや食事の世話をしてやり、少しでも結奈の負担を軽くして遣りたかった。

僕は、自身自分の事が信じられないのだ。

今まで、誰かの為にしてやりたいと、自分から行動する事が皆無だからだ。

僕は確かに結奈の事が好きだ。今では愛しているのかもしれない。一人の女性を、これほどまでに、愛しいと思ったのは初めてなのだ。

昼間、村でみた光景を思い出して、あの瞬間に僕は結奈の虜になった。

もう僕の側から離してはやれない。

一生僕の側に居て欲しい!結奈が寝ている部屋に行き、この腕で自分の胸に抱きしめて、黒曜石のような瞳に僕を一杯に映していて欲しい!狂おしい程の口づけし僕の者にしてしまいたい衝動になる。

(俺がこんな思いをするなんて思いもしなかった・・・)

(俺も相当に疲れて居るのだろう!)・・・・

寝台の上で横になり眼を閉じる・・・・・いつの間にか睡魔が訪れた



結奈は、久しぶりにタップリ睡眠をとった。

その後は、お風呂に入り、髪を洗ってスッキリしていた。

(こんなにゆっくりお風呂に入ったのは久しぶりよね?)

森の家は外でお風呂に入るので、何時も誰かに視られる様な気がして落ち着いて入れなかったので。このお風呂タイムは嬉しい。

侍女のアンナさんも、気をきかして一人にさせてくれたので、とてもリラックス出来たし。食事の用意も、私が知らない間に運んでくれたようで、庶民の私にはとても嬉しい。

きっとロナルドが采配して、私が、気を使わないように気配りしてくれたのね。

(彼も進歩しているのね)後でお礼を言わなくては!


結奈は髪を丁寧に乾かして、身だしなみを整えると、テーブル前に座り、手を胸の前で合わせて(いただきます!)少し冷めてしまっていたけど、此処の、コックさんの料理はとても美味しいわ!おいしい料理を戴きながら思った。

私は、この数日料理をしなかった?薬を作るので精一杯で、確かに何かを作った覚えがないのだ。

そうだは、ロナルドが何か側で言って、私の口に何か入れて最後は、お茶を飲まされた?

(えっ!もしかして私、彼に食べさして貰い、この数日いたの?)

私とした事が、貴族の御子息に?いくら朦朧として居たとはいえ、この無様な醜態を魅せるなんて恥ずかしい!

(ああ~!顔を合わせにくいなあ~)

此処からまた逃亡する?其処にドアをノックする音がした


部屋に入ってきた人は、私が今顔を合わせたくない彼だった。

相変わらず、彼はスマートな出で立ちで、優しく微笑みながら私に尋ねる

「結奈!少しはお休みに成られましたか?相当無理をされていましたが、お体は大丈夫なのですか?疲れはとれましたか?」

「ありがとうございます!もう大丈夫です。それに夕べは、一人でゆっくりさせて頂きましたので、休むことができました。本当にありがとうございます」

「結奈!そんなに畏まらないでください。俺の前では庶民の結奈でいいのですよ!」

そんなこと言われても?私はいつでも庶民なのだけど?・・えっ!何時から俺になったの?・・・

「結奈。俺は、もう少し此処で過ごしてから、王都に行ってもいいと思うけど、結奈はどうしたい?」

「私が、王都に行く必要性は無いと思うのだけど?ロナルド!私は、王都に行かなければ行けないの?」

「結奈、俺も君には此処に居て貰いたいよ。この国には、王家があり王子もおいでになる。その王子が、結奈に合いたがっている。それに王都には猫のシャロンもいるよ」

私は自分の事ばかりで、忘れていた指導者と名乗る猫のことを(シャロン!)ごめんね!今まで、頭から貴男の事が抜けていたわ!シャロンも私の事を探しにも来ないで。

宮殿で、美味しい物を頂いて、綺麗な部屋で寝て食べて楽しく暮らして、私の事など、もう忘れて居るのかも知れない!大体いい加減な奴だから!シャロンの名前を、聞いたらなんだか無性に腹が立ってきた。

どうしてもシャロンに合って云いたい。彼奴にとって私は何?

思っていたら、つい言葉を出していた。自分でも思いがけない一言を?

「解りました!王子様にお会いしに行きます!」

自分の言った一言に、自分自身驚いている!誰か!私を止めて!暴走しだした。

だから、ロナルドに合うのは鬼門なのだ、何故かおかしな状況になってしまう・・・・結奈は大きくため息をつく(はあああ~)

「結奈、では明日王都に行こう。此処から王都までは、馬を跳ばしていけば半日で行けるが、今は、道も雪で滑りやすいので一日は架かる。

慣れない馬車で大変だが、休憩を取りながら行くのでどうか安心して、俺に任せてくれるよね。俺は結奈を守るから!」

変ね?ロナルドの口調が何時もと違う、馴れ馴れしい言い方?その俺様口調!誰が誰を守る?ロナルド!半年合わないうちに性格変わったの?なんか何時もと違うと調子が狂うのよね。

「明日は、朝早く此処を発つ予定なので、今日も早めに休むといいよ。」

「はい。ロナルドの言うとおりにさせて貰います。ありがとう!」


ロナルドは自室へ戻った。自分の気持ちが解らない?結奈は最初王都に行く気はなさそうだった。

俺の内面ではその気持ちが嬉しかった。その一方で、王子を持ち出し最後は猫の話をして王都に連れて行こうとしている。

俺の気持ちは矛盾している。俺は一体結奈をどうしたいのだろうか。

本当は、結奈を独り占めして一緒に過ごすつもりで、夕食を共にしょうと誘いに来たのに、結局出た言葉は心とは別の言葉だ。

(俺は人を思いやる人間だったか?)全く結奈と共にいると調子が狂う!


結奈は、朝早く眼が覚めた。この屋敷の侍女をしているアンナさんが来て、私の支度を手伝ってくれた。こちらの服は、後ろに沢山ボタンが付いていて、一人では中々着られないのだ。面倒な服!前開きの服なら、一人でも脱いで着たり出来るのに、無駄に人の手を煩わせる様な作りなのだ。

私が想うには、これを着る人は上流社会の人で、アンナさんのような侍女の方が、手伝うから何も不自由しないのでいいかも知れないが、私は、そんな身分では無いのでこの服は困る。それに滅茶苦茶派手なのだ。深紅色のドレス襟にもフリル。袖にもフリル。

スカートの裾にもフリルと、一枚のドレスにどうしてこれほどまでに、ひらひらとしなくてはならないのか?

このドレスを作成した人に聞きたい!私はどんな時もシンプルな方が好きなのだ。

シンプル・マイ・ベストなのです。

その上スカートの下には、段々に重なったこれまた、フリルの団体さんを履かせられている。そのお陰で、スカートは、フンワリと膨らんでいて、ウエストが細く見える様な作りらしい?アンナさんは、私のウエストは細いので、コルセットはしないでもいいとか?

私は此以上、ゴテゴテと飾りたてられるのは適わない!

髪は、下ろして両サイドの髪の毛を纏めて、そこに花飾りを付ける。

(アンナさんここまでしなくてもいいのに)自分の姿を見て恥ずかしくなる。

足は絹の靴下をはき、靴は編み上げのブーツだ。

その上に、裏には毛皮でフードの付いたマントを着せられた。服の重みで潰される!

此、何の刑罰ですか?アンナさんの、満足そうな顔を視たら何も言えない!

行くまでの間我慢しよう!


支度をして、階段に行くと階段の下には、私が降りてくるのを待っている。ロナルドの顔が今日は赤い!風邪なのか?熱でもあるのか?気になる

「おはようございます!遅くなってごめんなさい!ロナルド?大丈夫?少し顔が赤いので熱でも在るのかと心配しました。」

そしてロナルドの額に手を当てて、熱の有無を、確認して無いと判断して安心した。


俺は、階段から降りてくる結奈に見とれていた。深紅のドレスに身を包み俺に向かって降りてくる。

俺は、両手を広げて結奈を力一杯抱きしめて(結奈君を愛していると!)そんな妄想を頭に描いて居たら、結奈は、俺の前に着て熱でもあるのかと?

俺は、自分の顔が赤くなっていたのかと思うと狼狽えた。

俺の中にこんなにも、純真な気持ちが残っていた自分に驚愕する。

此までの俺は、絶えず冷静沈着で、どんな事でも、こんなに狼狽えた事は無い。

これでは、思春期の少年ではないか?今までどんな美女に遭っても、こんな想いを持つ事はなかった。

女性とお付き合いをして相手から迫られて、一晩の情事を楽しみはしたが?その場かぎりの付き合いをしてきた。

結奈はやはり魔女なのか?一度見た相手を虜にする噂は本当の事なのか?


「結奈!おはよう!心配しないで!結奈が余りにも綺麗なので見取れていたのだ!」

「今日は、一段と美しいよ!」

「ロナルド!貴男!やはり病気じゃないの?この格好で?眼鏡掛けたほうがいいわよ!」

「結奈!君は自分の事を見直すべきだよ!この国には、こんな素敵な女性は何処を探してもいないよ!俺は自慢したい!結奈を皆に知って貰いたいよ」

今、俺は自分の気持ちが解った気がする。そうだ俺は、誰にも見せたくないと独占欲だった気持ちが変わり、俺の愛する人がどんなに素晴らしいか、この国の者に自慢したいのだ。


「ロナルド!貴男の妄想よ!変な事を言い出すのは辞めなさい!私本当に怒るわよ!ううん!友達辞めるから!さあ!行きます王都へ。」

「シャロンに逢いに行かなくては!」

「そうだね。出かけよう。」

二人は、馬車に乗り込む・・・・・・

私は、もう後悔をしている。

馬車の乗り心地が悪いのだ。

舗装されていない道はでこぼこで、クッションをお尻と背中に置いていても痛いのだ。

流石ロナルドは、平気な顔をして私の事を見ている。

反対に私は、馬車の揺れでお腹の中をかき回されて、とても優雅に景色を楽しむ余裕もない。(気持ちが悪い!早く馬車から降りたいよ!)

「結奈!なんだか顔色が真っ青だよ!大丈夫?」

「ロナルド!大丈夫じゃないよ!馬車を止めて!」

ロナルドは咄嗟に御者に向かって、馬車を止めさせた。外から御者の人がドアを開けたので、私は外に飛び出した。(もう~駄目!)気分が悪い私はそのまま、雪の上に倒れこんだ。

「結奈!どうした?・・・・・・・・結奈・・・・・」

ロナルドが何か言っているが、私の耳には遠くで叫んでいる様に聞こえる・・・・・そしてなにも聞こえなくなった・・・・・・・


私は、何処に寝かされているのだろう?辺りを見回すと二人掛けのソファにロナルドが座っている。テーブルの上には水差しが置いてある。

喉の乾きを覚えた私は、少し寝台の上で身動きしたら、ロナルドが気づき私の側に来てくれた。


「結奈!良かった。気が付いてくれて。どうしてもっと自分を大事にしない!辛かったら早く俺に何故言わない!結奈にとって俺は、頼りにならない存在なのか?」

「ごめんね!そんな事ないよ!私は今まで余り・・・ううん全然と言っていい位、人と拘わらずに生きてきたの、だからどう接していいか解らないのよ!貴男は私にいつも優しくしてくれていたのに、貴男を拒否する様な行動ばかりしてきた、本当にごめんなさい!これからも友達で居てくれますか?」


「結奈!俺にとって君はとても大事な人なのだ。俺は、いつでも君を守るからね!安心して!」

「ロナルド!ありがう!此処はどこなの?」

「結奈が雪の中で、気を失った場所から直ぐ側にある小さな町だ。この町にある宿で休ませて貰ったのだ。

近くの医者にも、診て貰ったら過労だって、俺が、もう少し屋敷でゆっくりさせていれば、結奈が、倒れるような事が無かったのだと反省しているよ!結奈!無理させてしまった。」

「ロナルドが謝る必要はないわ!私が決めた事なのだから!そんな風に考えないで!私、喉が乾いたの!お水を頂きたいわ?」


結奈は、ベッドから起きようとして、身体を起こすと、ロナルドが結奈を制止して、水差しからコップに水を注ぐと、ベッドまで持って来てくれる。

結奈は、差し出されたコップの水を一気に飲み干すと、ロナルドに向かって尋ねた。

「ロナルド?私、今気が付いたのだけど、確か深紅のドレスを着ていたのよね~・・・・誰が、着替えさせてくれたの?まさかロナルド!貴男が?」

「結奈!君が気を失ったとはいえ、同意もなしに女性のドレスを脱がせはしないよ!俺はそこまで破廉恥ではない!宿の娘さんにお願いしたのさ。安心した?」

「ロナルド!貴男が破廉恥なんて思ってはいないわよ!緊急事態な時は仕方がないかな?と思うから。」

「えっ!結奈!じゃ~・・・俺が脱がせても良かったって言う事なの?」

「もう!ロナルドの変態!もう部屋から出て行きなさい!」


結奈は顔を赤くして、自分の枕をロナルドに向けて投げた。

そんな結奈の言動が好ましくて堪らない。

大勢の人に頼られている結奈も、異性に関して抜けている結奈も、どちらも彼女だ。

そのギャップが面白い。

ロナルドは思った、俺は何処まで結奈の魅力に、翻弄され続けて行くのだろうと。


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