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異界での私の新人生  作者: 木瓜乃ハナ
23/27

結奈とシャロンとの束の間ひと時。

結奈は、夢を見ていた。暖かい陽だまりの中で、自分がいるあたり一面に花が咲いている

ここが、本当の天国なのね。やはり、私は、初めて好きになり愛していた人も助けられないまま、異界で死んだのね。遠くの方から、私を呼ぶ声が聞こえる。

誰?今、私はとても穏やかなの邪魔をしてほしくはなかった。その声は、やむこともなく段々と大きな声に、聞こえてくる。私の邪魔をするのは誰!声のする方向へ顔を向けた。

「結奈!目を覚ましてくれ!頼む!俺も、結奈を愛ししてる!俺の元に戻って来てくれ!結奈!一人に差せないでくれ!結奈!」

「シャロン・・・・?まさか、貴方まで死んでしまったの?・・・」

「結奈!気が付いたか!良かった。・・・・」

シャロンは、結奈の体を抱きしめて、喜びに打ち震えていた。

結奈の、意識が徐々に回復しだした。私は、どうしてここに寝ているの?

「シャロン?呪いは解けたの?エメリンダさんは?ゆるしてくれたの?」

「結奈!気が付いたようだね。良かったよ。もう、大丈夫だ!もう少し休みなさい。話はあとでしよう。」

「猫男!発情期になった猫の様な真似をするなよ。結奈に負担がかかるからね!」

「ソフィーナポーテさん、大事な結奈に、そんな事を今はしないですよ。」

ソフィーナポーテさんとシャロンの話を聞いて、私は、自分が素裸で横になっている!シャロンも裸なのだ。

「シャロン!どうして私達、こんな格好で一緒に寝ているのよ!」

「結奈!落ち着いて、君は、凍死寸前になったんだ。だから、俺が君を温めていたんだ。結奈が、俺の元に来てくれてありがとう!愛してる!」

「シャロン!私も、愛しているわ!でも今は、駄目よ!恥ずかしいから、着るものを持ってきて、シャロンにも、服を着て欲しいのですが、私は、もう大丈夫だから接近は許しません!」

「結奈!俺たちは、恋人同士だよね。接近はなしなんて、耐えられないよ!せめてキッスだけでもいいから・・・結奈には、ふたんを掛けないようにする。側にいてもいいだろ」

「私たちは、結婚もしてないでしょ!こんなのだめでしょう!まあ・・軽いキッスくらいなら、いいわ。」

「ありがとう!直ぐに結婚しよう!」

「シャロン!私達は、まだやらなければいけないことが、あるでしょう!義理のお兄さんの事も解決しなければいけないのよ。それまでは、そんな事は考えられないわ。」

「俺は、それまでは、魅力的な君を前にして、我慢しなければならないのか!もう耐えられないよ!」

シャロンは、そのまま結奈の唇を執拗に、愛撫しだした。結奈は、息も絶え絶えになりながらも、幸せを感じていた。シャロンは、言葉をたがえずキッスだけをした。

結奈は、自分がキッスだけで、気持ちが高揚して上り詰めてしまった。自分が、とても恥ずかしかった。自分はこの先まで進んだら、どうなってしまうのか?恐かった。シャロンの愛撫は、恋愛経験のない自分には、強烈なのだ。私は、恥も外聞もなく、そのままで眠りに落ちていった。


3日目の朝、エメリンダとソフィーナポーテに呼ばれて、広間に二人で出向く。

「結奈、もう体は大丈夫なの?」

「この小娘は、強運の持ち主だよ。自ら水の中に飛び込むなんて、無茶苦茶だ。こんな小娘に、マジョリッタもソフィーナもよく託したもんだね。気が知れないよ。後悔するだろう。」

エメリンダ姉さんも、気持ちは決まったのでしょう。結奈に託すことにしたのでしょう。」

「そうでなくては、二人を呼びはしないでしょう。」

「うるさいわ!あなたは、少し黙っていて!私は、結奈に話しておきたいことがあるのよ。」

「私からも、お礼を言わせてください!シャロンを解放してくださり、ありがとうございます。他の人たちも、生き駆らせてくれた事は、とても感謝しています。。」

「そなたの、勇気に免じたままだ。」

「私は、ダイアリスとは、子供のころからの親友だった。

神から、この大陸を任されたときは、お互いに、協力してこの大陸に生きるものが皆幸せに暮らせるように頑張ってきた。

最初は、人間たちも私達と信頼関係にあり、尊重もしてきていた。私たちは、それぞれの地域に、統率者を決めた。それが今の、国王の祖先たちだ。なん百年もたつうちに、最初の国王たちとの約束は、最初のうちは何とか守られていたが、代替わりするたびに、約束など忘れ去れたのだ。私達の立場も、それと同時に、嫌われ者になった。私はダイアリスにこの大陸の事など、強欲深い人間たちに、任して、神の元に帰る事を提案したのだ。

しかし、その時にはダイアリスは人間の男を愛してしまっていたのさ。そこのシャロンリップの親父だ。私にとっては、無二の親友を奪ったやつだ。

憎かったよ!ダイアリスは、心底その男を、愛していた。だから、神の元へは帰れないと。

お前は、そんな男の子供だ、いつ心変わりして、他の女のもとに行くかも知れんぞ。

事実、美人だと聞けば、私の所に来た男なのだ。どうする?」

「そうですね?そこまでは、考えていなかったです。でも、私は、シャロンを好きになったのです。この感情を否定はしたくないのです。人を思いやる気持ちは、誰かの意見に左右されるものではないですから、その時になったら、考えます。」

「お前も、相当に馬鹿なのだな。」

「そうですか?ダイアリスさんも、私と同じ気持ちで、いたのではないでしょうか?」

「私は、誰かに話を、することではないのですが、人に好意を持つ事も、まして好きになられたこともありませんでした。私には、初めての経験です。

誰かの事を愛しいと思う事は、地位や容姿、そんな事を考えていませんでした。

知らない間に、その人が大事になり、忘れられなくなる。側にいたいその思いだけす。」

「私と、一緒にいる事で、不幸になると知ったら、私は、愛してはいても姿を消すかもしれません。愛する人が悩むこと、不幸になるのを見るのは、耐えられないのです。それよりも、自分が不幸になるのを選びます。」


「全く、ダイアリスも同じことを言ったのだよ。あの男が、国を捨ててもいいとまで言い出したのに、ダイアリスは、おの男が不幸になると、そう言って、男の前から姿を消したのさ。

その男の子供を身ごもっていることすら告げずに、離れるなんて、本当に、馬鹿な子だよ。

でも、そんなダイアリスの事が、羨ましかったのかもしれない。

私によって来る者たちより、あの男は、ダイアリスには誠実だった。」


私は、シャロンと手を繋ぎエメリンダの話を聞いていた。シャロンも今の話を聞いて、自分の父親が、愛した人には誠実であったことは、何より安堵したことだろう。

私は、愛する人には、誰よりも誠実な、彼の父親の事を思い考えていた。


何故?ダンガリー伯爵は、そこまで父親を憎むのだろう?

「エメリンダさん、ダイアリスさんの子供さんは、誰に育てられたのですか?」

「ダイアリスの子供は、確か、ヘブライ国の伯爵の家に引き取られたはずだ。」

「名前は、分かりませんか?」

「もう、昔のことだし、私は人間の事は憎んでいたからね。思い出せない。」

「ダイアリスさんの息子は、今は、グリーンマイン国でダンガリー伯爵になっておられます。」

「今でも、父親の事を凄く憎んでいます。誰が、出まかせを風潮して、ダンガリー伯爵に耳に入れたのでしょうか?」

私は、ヘブライ国のコルーマン宰相の話を、思い出していた。ダンガリー伯爵とは、幼馴染だと、コルーマンの父親に引き取られたのなら、今回の陰謀も、ダンガリー伯爵の母親の思いを利用して、対する父親の嘘の悪事を吹き込み、恨みを増長させて利用する。

グリーンマイン国を占領するつもりなのだ。

私は、飢餓で苦しむ人達のために、サウス国に占拠すると思っていたが、違うのだ。

本当の目的は、グリーンマイン国なのだ。それも知らないで、私は、トンネルまで作り手助けしてしまった。私はとんでもないことをしてしまった。

結奈は、自分の心が冷えてくる。動揺する。

「シャロン!私は、とんでもないことをしてしまったの。どうしたらいいの?」

「結奈、落ち着いて、俺に話して欲しい。これからは、いつも二人で、考えて行動していければいいのだから、一人で思い悩むのは、しないでくれ。」

「私は、とんでもない思い違いをしていたの!ヘブライ国はサウス国に占領しようとしていたわけではなく、最初から、グリーンマイン国を狙っている。それなのに、私は、トンネルを作り、手助けをしたの。グリーンマイン国には、食料支援までさせたの。どうすればいいのか、このままでは、私のせいで、誰かが傷つくような事になれば、どうやって償えばいいのかもわからない。」

「結奈!君は皆の幸せのために、したことだろう。俺は何があっても、君の味方だから。これだけは、忘れないでくれ!絶対に君を見放したりはしない。君が俺から離れようとしても、絶対に放しはしないから、これからの事をまず考えよう。」

結奈はエメリンダとソフィーナポーテさんに、これまでの事を話だした。

そして、二人は結奈に協力することを約束してくれた。彼女たちにとっても、この大陸を作り、心力を注いできた世界なのだ。

僅かな強欲に固まった者たちに支配されては嫌なのだ。

シャロンは、二人の部下と共に、グリーンマイン国に戻り、ヘンリー国王に内密に会いに行く。

私は、ヘブライ国に戻る事にした。

マイクに、頼んでいた物を確認したいのと、ケンダースたちに打ち明けて、相談に乗ってもらい、協力をお願いするつもりでいる。

明日は、二人はまたお互い離れて行動しなければならない。

辛く、悲しい夜が訪れる。

シャロンが私の側に来て、抱きしめてくれる。私も、抱きしめ返す。お互いに、何も話さなくても気持ちは分かり合える。

私の浅はかな思いで、大事な人の国を窮地に、追い込んでしまう罪悪感に押しつぶされそうになる。

「結奈!俺達は、今晩結婚をしよう!俺の妻になってくれるか?」

私は、突然のことで、ビックリした!二人の魔女が、私を白いドレスに着替えさせた。

シャロンも、青いタキシード姿になる。彼の侍従が小さな箱を持ってきた。

「結奈!これは、私が、おじい様から頂いたものだ、結奈の指には、大きいので鎖を付けて、首に掛けてくれないか。俺には、今は結奈にこれしか上げるものがない。でも俺の妻になってくれるか。」

「私で、いいのですか?私・・・」

「俺は、君しか、妻と望むものはいない。今の結奈がいいのだ。君の、隣にいさせてくれないか!」

「私も、貴方と同じ気持ちです。でも、グリーンマイン国の危機を解決してからでは、いけないのですか?」

「俺には、結奈の絆を確かなものにしたいのだ。」

「私を、貴方の妻にしてください。」

シャロンも私と同じで、心配なのだ。このまま消えてしまうと思っている。未来の事は、誰にも判らない、このひと時を、私は大切にすることにした。

二人の結婚式は、二人の神の御使いと、シャロンの侍従、4人の立ち合いで式を挙げた。

結奈とシャロンの初夜は、シャロンの愛と優しさに包まれながら、貴重なひと時を、お互いの無事を祈りながら、眠るだけで終わりを告げる。


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