表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異界での私の新人生  作者: 木瓜乃ハナ
22/27

結奈!大事な人を取り返すために氷の魔女と対決する。

雪も徐々に溶け、樹々の芽も出だしたころ、ソフィーナポーテが言い出した。

「貴方の大事な人を迎えに行きましょう。」

「私と、一緒に行ってくれるのですか?」

「私も、姉のエメリンダに会いたいの、貴方たちの事はそのついでよ。」

「ありがとうございます。とても心強いです。」

「いい事、私は手を貸すような事はしないわよ。大事な人なら結奈が、エメリンダを何とかして説得する事よ。」

「はい!シャロンを解放してあげたいのです。人間として普通の暮らしをして欲しい。」

「結奈!もしかしたら、命を落とすことになるかも知れない。それでも、意思は変わらないのね。」

「はい!私がこの世界に来たのは、シャロンを救うためなのかもしれません。私は、もう現実逃避はしません。私は、どんなことに倣うと今度こそは、助けたい!」

「わかったは!では、私につかまりなさい!どんなことになろうと、私を放してはダメよ!」

水の魔女が意味不明な言葉を言うと、結奈の体は浮遊感に襲われて、めまいがして目を開けておられずに閉じてしまった・・・・・・


寒さのために、裸にされて、雪の中に放り出された様な感覚になった。

目を開いて辺りを見渡すと、一面氷の世界だった。

ここが、氷の魔女のいるところなんだ。暖かくて、穏やかな気配は全くない。冷たくて、生き物をさえ寄せ付けない場所だ。

同じ神の御使いとして、この大陸に貢献してきた、エメリンダに何があったのだろう。

「さあ、ここが姉の住むところよ。私達は、何年か前に訪れたままで、それからは尋ねることもしなくなった。妹である私にも、会ってはくれなかった。」

私は、ソフィーナポーテさんの、後ろからついていった。所々に人間の氷像が建っている。動物も鳥もある。

「まあ!久しぶりだわね。ソフィーナ!ここに来るなんて何十年ぶりかしらん。それに人間を連れてくるなんて、珍しいこともあるのね。」

「姉さん!どうしてなの?年々寒くなり、この大陸全体が、冷害で作物も取れずに、苦しんでいる。これは、神様はお怒りになるわ。」

「神は、諸悪な人間たちに、罰を与えているのよ!荒れた大地を、一体誰が住めるようにしたと思うの!私達4人が考えて努力して、ここまでの大地にしたのよ。それにも関わらずに、私達を、今度は魔女として忌み嫌い、辺地に追いやられた。それでも、私には誇りがあったの。そのうち、人間たちは、私の事を見世物みたいに、見物しだした。

ダイアリスは人間の男に、子供までつくらされて、あげくに国が大事だと妻子を捨てたのよ。私は、人間の事などどうでもよくなったのよ。強欲で、無知で自分勝手な人間には愛想が尽きたのよ。」

「ソフィーナ!私に、お説教するつもりなら、帰りなさい!」

「そこの娘は、誰なんだい?」

「私は、結奈と言います。マジョリッタさんの弟子にしていただきました。」

「マジョリッタもおかしな子よね。こんな小娘を弟子にしておいて、自分は神のもとへ行ったのだろう。」

「いいえ!師匠は、私の中にいます。」

「馬鹿な小娘だ!それを信じているのかい?」

「私は、信じています。いつも傍にいてくれています。」

その時、白い猫がエメリンダの側に行き、甘えている。結奈は思った(シャロンだ!良かった、生きていた。)でも可笑しい、私がいるのも気づかずに、エメリンダの腕の中でおとなしく抱かれている。もしかしたら、魂を抜かれているのかもしれない。

「小娘!そんなにこの猫が珍しいのか?」

「はい!目の色が両方とも違うのですね?」

「私も気に入ってるのさ。憎い彼奴の息子だ!こうして私の元からは離れないから、今は可愛がっているけど、逃げようとすれば、いつでも殺すつもりだ。」

「一度は、逃げられたけど、またこうして私のもとに来たからね、リップ!向にいきなさい!」

私のせいだ、私が、シャロンを置いて一人でヘブライ国に行ったから、彼と行動を共にしていれば、こんな結果にならなかった筈だ。自分の考えの甘さに失望していた。

私は、自分自身を奮い立たせた。諦めたらおしまいだ。何か、いい方法はないものかと。

シャロンはエメリンダの膝の上からおりて、この場所からいなくなろうとしていた。

私は、咄嗟に言葉を発していた。

「シャロン!猫男!愛している!行かないで!私を見てよ!猫男!指導者なんでしょ!結奈の保護者だと言ったのわすれたの!馬鹿シャロン!一生そばにいると、言った事は嘘なの!私はシャロンなしでは、生きてはいけない!好きなのシャロン!」

「ははは・・・結奈、この娘がシャロンリップの彼女なのかい。これは面白いことになって来たね」

「姉さん!何を考えているの?結奈は、とてもいい子なの、この大陸の者ではないわ。よその世界からきたのよ。私は、結奈ならこの大陸を任せられるわ。マジョリッタは結奈に任せたように、結奈には素晴らしい知識と、人間たちを良い方向へ導く、洞察力もある。姉さん!私も、結奈にこの大陸の未来を託したい!私達は帰りましょう。」

「ソフィーナ!何時からお前まで、人間を信じているのか!」

「いいえ!この半年間、結奈と過ごして分かったの、結奈には、私達が持ちえない物を持っている。それが分かったから、私も、結奈に託す事にしたのよ。」

「それほどまでに、結奈の事を信じているのか!」

「それでは、結奈がどれほどの者か、見せてもらおう!そこのリップの魂を取り戻してみよ!もし、出来たなら、考えてみてもよい。いいか!出来なかった場合は、お前の命は貰う。」

結奈は、魔女が掛けた呪いを解く方法も知らない。でも、この機会をなくすわけにはいかないのだ。でなければ、この大陸に、住む人も生き物も未来は、悲惨な状況が待っている。私は、何としてもやり抜かねばならない。もう悔やむ生き方はしたくない。精一杯頑張ってやれば、例え自分の命がつきても、満足のいく人生だったと思える。私は、決断した。

「分かりました。一つだけ私のお願いを聞いてもらえますか?」

「ここにきて、怖気ついたか!命を助けろと?」

「いいえ!シャロンがもとに戻らないなら、私は、生きていても仕方がないのです。この大陸をこれ以上は、冷たくしないでください。貴方が憎む人以外の生き物たちも、最後は死ぬでしょう。それだけは、してほしくはありません。お願いします。」

私は、シャロンの側に行って、抱きしめると水の魔女ソフィーナポーテさんにお願いをする。

「ソフィーナポーテさん!水を呼び出して!」

水の魔女は、結奈が、何をしようとしてるのかはわからないけれど、答えてくれた。水がみるみるうちにたまりだした。結奈は、シャロンを抱きしめたまま、その中へ入って行った。水の中は、氷によりもの凄く冷たい!意識が薄れていく・・・

「シャロン、貴方の事を愛しています・・・」

結奈は、猫のままのシャロンに伝えると、猫の口に自分のくちびるを合わせて、キッスをする。自分からざらついた舌をすうと、そのまま結奈の意識が、なくなってしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ