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異界での私の新人生  作者: 木瓜乃ハナ
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私と水の魔女の出会い。

結奈は、いい匂いのする香りで目が覚めた。ここは?どこ!

簡素だが、手入れ行き届いた部屋に、置いてある家具類も質素なものだが、大事に使い込まれた年輪を思い起こされる。

窓には、優しい色合いのカーテンが引かれている。

「あら!起きたの?あのままあの場所にいたら、貴方は、死んでいたわね。

ケンにお礼をいわなくてはいけないわよ。」

「はい!私は、結奈と言います。貴方は誰ですか?」

「話は、後でゆっくりとしましょう。結奈はもう少しゆっくり休んでいなさい。相当に疲れているわ。今、精の付くスープを作っているから、今は休む事よ。」

彼女は、そう言い残すと、部屋の奥へ行った。

誰なのだろうか?私を、助けて此処に連れてきた人は、確かケンとか言っていたはず。

あの山にも、人が住んでいたの?来る途中には、小屋らしきものは見当たらなかった。

もしかしたら、猟師!だとしたら、あの生き物たちは、大丈夫なのだろうか?罠にはまり捕まえられてはいないだろうか?心配で、私だけ寝ている場合ではない!

私は、起きて自分の姿を見た。着ていた服ではなく、綿の寝間着を着せられていた。

寝具の上にあったストールを借りて、彼女が言った奥の部屋に行ってみる。

そこは、居間兼台所になっており、竈には鍋が置いてあり、なかからは美味しそうな匂いがしている。

「結奈!もう起きたの、もうスープもできたから、食事にしましょう。」

テーブルの上には、パンと目玉焼きがあり、チーズは串にさしてある、スープは、色々な野菜をミルクで煮込んである。私は、何日かぶりの温かい食事を味わった。

「ご馳走様でした。とても美味しかったです。ありがとございます。」

「私も、久しぶりに人と食事ができて、楽しかったわ。一人で食べるのは味気無さものだから、いつもは簡単に済ませてしまうのよ。」

「お話を伺ってもよろしいですか?」

「いいわよ、私の名前はソフィーナボーテ。人間は、私のことを、水の魔女とも呼んでいるわ」

「私は、貴方に会いに来ました。どうしてもお話を伺いたくて、突然に来てしまい御免なさい。」

「結奈の事は、マジョリッタから聞いていたのよ。自分には良い弟子が出来たから、もうこの世界には必要がないと話してね。神のおられる世界に戻るのだと、私は、マジョリッタが羨ましかったわ。」

「私は、そんないい弟子ではないです。」

「私達4人は、神からこの大陸を任されたの、ダイアリスは火の魔女。

氷の魔女と言われているエメリンダ。

そしてマジョリッタ。エメリンダは私の姉なのよ。

最初は生き物も住めない大地だった。

お互いが、自分の力を使いながら、この大陸を、何とか生き物が住める場所にしたのよ。私は、川を作り、マジョリッタは森を作り、ダイアリスは鉱物を作り、エメリンダはダイアリスが熱くならないように、この大陸を調節していたの。

徐々に、人間が増えてきたので、私達は人間に任せる事にしたのよ。

最初は人間たちも、私達の意見を取り上げて、尊重もしてくれたけど、人の寿命は短いでしょ、人が変わっていくうちに、私達は阻害されて、しまいには魔女扱い忌み嫌われる存在になったの。

そんな人間の男性を、ダイアリスは愛してしまったのよ。

誠実な男だったら良かったけど、ダイアリスは、力を失っても尽くせたのかもしれない。

愛した男は、国の王となる男だった。

男は、ダイアリスより王の地位をとったのよ。

その時には、ダイアリスは、男の子供を身ごもっていたのに、愛した女とその子を捨てたのよ。それでも男は、国王になりたかったのよ。

ダイアリスは子供を産むとすぐに、亡くなってしまった。

姉のエメリンダは、特にダイアリスとは仲が良くてね。お互いを思いあっていたの。

エメリンダが変わっていったのも、人間への恨みから来てるのだと思うわ。」

私は自分が、想像していた以上に、氷の魔女エメリンダの憎しみの深さが、胸を痛くする。どうしたら、憎しみを癒す事が出来るのだろうか。

「私を、此処に連れてきて助けてくれた人は、何処の人ですか?」

「結奈!ケンの事を、聞いているのか?」

「はい!一言お礼が言いたくて。」

「そうかい!ケン!」

ソフィーナポーテさんは、大きな声で名前を呼んだ。

そこにきたのは、大きなオオカミだった。

「あなたが、私を助けてくれたのね、ありがとう!良かった。猟師だったらどうしようかと思ったの」

「猟師だから?何を心配したのさ。」

「私は、此処に来るまでに、沢山の生き物たちに、お世話になったの、もし猟師の罠にでも捕まったらと思ったら、助けに行かなくてはならないと思ってました。」

「ははは・・・マジョリッタの言っていた通りの子だよ。結奈なら、私達の変わりが出来るかもしれない。」

「私は、そんな力はありません。」

「結奈には、力は必要な物ではない。そなたの感性と知識だ。心根の優しさなのだ。」

「私には、とても大事な人がいます。その人はエメリンダさんの所にいる筈です。私が到底立ち向かえる事は出来ません。でも、その人にもう一度、会いたいのです。その人に、人生をやり直すチャンスを上げたいのです。力を貸しては貰えませんか。」

「私は、力にはなれないよ。だけどお前さんと一緒に、エメリンダの所へ行ってあげてもいいよ。」

「ありがとうございます。」

「固まった姉の、心を溶かすには難しいとは思うけど・・・・・結奈に託すのも面白い」

ソフィーナポーテさんは、自分自身を納得させていた。

私は、冬の間、ソフィーナポーテさんの、家にいた。彼女から、いろいろな話を聞く事が出来た事は、私の財産になる。

財産とは、お金ではなく自分自身にとっては、知識こそが貴重な財産なのだ。

私は、水の魔女から、水に関することを、教えてもらい学んだ。


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