猫(しゃろん)と氷の魔女
シャロンは、ようやく氷の魔女の所へたどり着いていた。
俺は、高くそびえる氷の山を見ていた。
25年前、俺は興味本位で、ここを訪れていた。
侍従と護衛騎士2人できた。しかしながら、3人は氷の彫刻にされた。
そのうち護衛騎士の一人は、魔女の怒りで粉々に砕けてしまった。
俺の我が儘が三人の命を、奪ってしまう結果になるとは、思いもしなかった。
魂を取り戻したときは、嬉しかったが、それ以上に、自分が、起こした行動で大事な者の命を、亡くしたことで自責の念に捉えられた。
魔女の手から逃げた俺は、深い谷に落ちた俺は、生きる気力は無かった。
しかし、そこは俺の知らない世界だった。
この世界でも俺は、猫のままだ。野良猫として、生きていかなければならない。
物珍しさで人に飼い猫になるのも、耐えられなかった。
そんな時結奈に、出会った。彼女は、人と関りをせず耐えて生きていた。
自分の境遇より、彼女の事が気になった。
俺は、彼女の前に姿を見せた。彼女は、物珍しいと思ったのか、俺の傍まで、近づいてきた瞬間、底なし沼に落ちた感覚に陥る・・・・
二人で、俺の国に戻って来た事ができたのは、俺には幸福だった。
今まで、無気力に生きた俺に愛しい人が、与えられたのだから・・・・
二人で、幸せに暮らして、結奈の笑顔をもっともっと見たい。
その為に俺は、この場所にいる。魔女と対決する為に。
俺は、冷たい氷の上を魔女の住む館へ、滑らないよう慎重に登り始める。
ようやく、館の前についた。突然、内側から扉が開かれた。
「リップ!お前から戻って来るとは、思ってはいなかった。私のことが恋しくなったのか。」
「まあ、お前から戻って来たのだ。また、可愛がってやってもいい!今度、逃げ出そうとしたら、容赦はしない!お前の命をもらう。」
「俺が戻ったのは、お前の命をもらうためだ。」
「猫になったお前が、私をどうやって殺すつもりなのだ。その爪で、引っ掻くつもりか?それとも、喉にでも噛みつくか。どちらにしても猫であるお前には、私は、殺すことは出来ない。」
シャロンは、魔女にめがけて跳んだ。爪を思い切り魔女にたてる。
魔女は、難なくすり抜ける。シャロンは、何度となく交戦したが、魔女には、敵わない。
シャロンの体力にも限界がきた。その時を待っていたように、魔女は、シャロンに呪い言葉をかけてしまった。
シャロンは、何事もなかったかのように、おとなしく魔女に抱かれていた。




