リン君の修行
早速だけれど養豚場に入ってオークを隔離してダンジョンを作成する。先ずは時間経過を行なってこの世界の時間を数十倍に早める。女の人達には入らないようにしてもらい、精霊さん達には大量に付いて来てもらった。
空間を作り終えればお母さんに作ってもらった精霊樹を植えて、護衛を精霊さん達に任せる。その後、極大魔力も含めて現在のボクが残っている全ての魔力を精霊樹に与えて急成長してもらう。その代償としてボクは気絶した。
次に起きたら数日が経過していた。また全魔力を与えて精霊樹に成長させる。一ヶ月ほど繰り返したお陰で全魔力を使い続けたので極大魔力のレベルが6に上がり、魔力回復(中)が手に入った。これは小で1h10%、中で1h25%も回復する。四時間もあれば全開してしまうようになった。お陰で精霊樹も随分と大きく成長してくれた。精霊樹自体も大量の魔力を生み出して周りに放出している。
「さて、皆さん。よろしくお願いします」
『『おぉ~!』』
連れてきた精霊さん達は全て小人サイズになり、皆が精霊樹を中心にしてダンジョンを作ってくれる。
「作るのは10階までで各階層には安全な場所を十箇所設置するんだよ。水飲み場もね」
通路の広さも指定して徹底的な安全基準を設けて作っていく。もっとも、どれだけ安全に配慮してもどうしようもないだろうけどね。
『入る通路は~?』
『とお!』
入れる道は十個で、どれも一方通行で脱出用の通路もしっかりと設置していく。このダンジョンは地下から入って地上に向かうので脱出用は滑り台になっている。もちろん、入口からも地上に出られる仕様で作成する。
「水場は魔力を溶かして魔力回復薬と治療してもらうために精霊さんにも待機してもらうからその準備もしてね」
『『は~い』』
仲良く皆で作業をしていく。流石に直ぐには出来ない。でも、監督として見ていないといけないのでここに残る。
その間に別の作業をする。それは調達の服に時間停止と空間設定の魔法を付与する事。まず、時間停止で服の劣化と防御力を上げる。完全に停止してしまうと動かなくなるので繊維に施す。これがまた難しい。壊れないようにするだけなのに大変だ。
まあ、矛盾を抱えているのだから仕方ない。よって細工を施す事で似た効果を得られるようにしてみる。
先ずは空間設定で服の周りの効果を指定する。一定速度を超えた物に対して空間の膜で受け止め、空間に接触したと同時に時間停止の魔法が発動して空間に触れた辺りの時間を止めて受け止める。
難点は遅過ぎる攻撃と早過ぎる攻撃には対応出来ない。それに部分的に止まるので体勢が崩れる可能性がある。
「没」
前衛には致命的である。ならば任意発動はどうかな? いや、それこそ不意打ちを防げないよね。次の方策としては条件設定をより細かに設定する。空間把握の技能を付与し、これによる周りの状況を把握する。次に装備者の周りの空間を防衛空間に設定する。攻撃を受ければ自動で防ぐように何百何千パターンも設定する。これで攻撃の瞬間的に展開される空間の膜と服の間に緩衝地帯が出来てダメージを受け流す事が出来る。吹き飛ばされるけれど、それぐらいですむ。
近距離攻撃に対してはこれで対応する。魔法攻撃など遠距離攻撃を感知した場合は対象者の背後と使用者の着弾予想位置を判別してゲートを開いて相手に返す。把握出来ない範囲からの攻撃は受け流すしかない。どちらにしろ生半可な防具ではない。それと空間の壁も任意で発動出来るようにもしておく。
これだけで極大魔力Lv.6の七割が飛んでいく。
次に時間停止の魔法を付与するグローブを作る。手の甲に魔法陣を描いて六ヶ所に取り付ける宝石に時間停止を付与し、いつでも発動出来るようにしておく。この宝石の光が一つも無い場合は最大で六分間、時間を停止出来る。一つ光る毎に一分ずつ減っていく。六分でも十分な効果とだと思う。もちろん、再チャージが可能。光る事で残りの使用時間を知らせるのは常に目立たなくする為だ。光ってたら気付いてチャージするだろう。
こんな感じで沢山の服とグローブを作っていくそれでも時間が余ったので、鉄の槍と鉄の大盾を作って訓練する。先ずは両手で槍の訓練していき、片手でも扱えるように頑張る。肉体強化が5になったのもあり、楽に槍術が手に入った。こちらも直ぐにレベルアップしていく。槍術が上がる毎に槍の使い方が理解出来て面白いのもある。
『出来たよ~』
『できたできた~』
「ありがとう。うん、問題ないね」
『『やったぁぁ~~』』
後は緊急用に黒騎士を何体か配備しておいたほうがいいかな。オークの怨念も回収してもらった方がいいだろうし。よし、やってみようか。
外と同じ時間に戻して黒騎士を六体ほど投入してオークを薬草と香草に溢れるダンジョン内に放出する。クイーン達雌は特別な場所に配置して繁殖に励んでもらう。これで時間を加速させる。
その後、スキルカードを一枚使ってパーティー枠拡大を習得しておく。これで倍の12人まで組めるようになった。外で使うと不味いかも知れないので誰も居ないこちらでやっておく。
その後、ボクは外に出て残りを精霊さんにお任せする。オークが増える間に鉄の大盾を持ってゴーレムダンジョンに向かう。
このゴーレムダンジョン。出てくる敵は金属製で硬いだけじゃなく、ヒットポイントも多い。でも、何よりもキリングドールが出るのが不味いんだよね。アレの振動破砕は危な過ぎる。掴まれたらそれだけでアウトだからね。
まあ、今回の目的は普通のゴーレムなんだけどね。
ダンジョン内をゴーレムの居る方向に歩いていき、相手がこちらに気付くと同時に大盾を構えて地面にアンカーを突き刺す。ゴーレムはこちらに近付いてきて殴りつけてくる。
けれど時間を停止させた大盾はびくともしない。その状態でひたすら耐えながら鉄の槍でちまちま攻撃する。これだけで盾の経験値が溜まっていく。盾術や槍術だけじゃなく、肉体強化のレベルアップも期待できる素晴らしい方法だと思う。
ただ十時間も殴られていたら盾術のレベルが6になって成長が止まった。この頃になると普通にゴーレムの攻撃を受け止められる。流石に疲れたので倒して帰ることにする。ゴーレムは魔法に弱いから精霊さんにお願いして溶かしてもらった。
次の日は二体のゴーレムからの攻撃を正面から防ぐのではなく盾を傾けて受け流していくようにして訓練してみる。
それから訓練しつつ軽い毒のある食物を食べて毒耐性を習得する。毒は段々と強くしていき、耐性の経験値を稼いで頑張る。
名前:リン
種族:エルフ/ドワーフ
肉体:肉体強化Lv.5、肉体再生Lv.2、状態異常耐性Lv.2、頑強Lv.4、剣術Lv.6、魔力回復(中)、槍術Lv.5、盾術Lv.6、受け流しLv.4、毒耐性Lv.4
魔法:精霊魔法Lv.5、時空魔法Lv.4
技術:騎乗Lv.4、技能付与Lv.2、建築Lv.4、木工Lv.4
特殊:エクストラテイミングLv.2、極大魔力Lv.6、千里眼Lv.2、経験値10万倍(PT)、成長限界突破(PT)、精神障壁Lv.1、強運Lv.3、パーティー枠拡大Lv.1




