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ウルカレル男爵領魔の森・外周②

肉の味と誤字を修正

 食事した後、ツリーハウスに備え付けられているお風呂に入ってもらう。ワーウルフのヒルデガルトとフランツィスカは嫌がったが臭いが酷いし入ってもらう。それに鼻が麻痺しているのかも知れないが、彼女達にしてもゴブリンの臭いを消した方がいいだろう。今回は皆と入らずにワーウルフ達のお世話をしてもらう。


「さて、僕は少し出かけてくるね。周りを調整しないとね」

「分かりました。護衛は任せてください」

「よろしく」


 ユエにお願いして外に出る。ゴブリン達が使っていた武器を全て回収する。それからガー君に乗って外に移動する。近くに居るオーク達を千里眼で確認しているとゴブリン達の異変に気づいたのか、慌ただしい様子が分かる。どうやら時間は余り無いみたい。すぐに準備に入ろう。



 ゴブリンの村、拠点から1km程離れた位置に止まってもらって地面に対して時空魔法の空間設定を使う。空間認識で地面の下を調べて大きめの空間を指定する。それから重力を中心部に向かうように設定して圧力を掛ける。すると土や石などが圧縮されて大きな塊になる。もちろん、地表部分はそのままで空間設定で支えている。解除したら直ぐにでも崩落するし危険だ。


「ガー君は待機していて」


 ガー君に指示を出した後、短距離転移で作り上げた地下の空間に入る。そこは半径100m、直径200m、高さ50m程の空間が出来ている。その空間に鎮座している圧縮された巨大な質量を持つ塊をアイテムボックスに収納する。こちらは色々と使えるから回収する。


「精霊さん、支え棒をお願い」

『任せて~』

『こんな感じ~?』


 斜めにした土の支柱を壁から生やして天井を支えて貰う。もちろん、こんなので支えられないけれど、それでいい。空間設定を解除すると地響きが起きて今にも崩れそうだ。


時間停止(タイム・ストップ)


 支えの時間を止めてあげると地響きが無くなり崩落の危険が無くなった。


「さて、水の精霊さん、土の精霊さん、地面をドロドロにして深さ1mくらいの沼を作ってくれないかな?」

『お安い御用~』

『そこなし? そこなし~?』

「底はちゃんとお願いね。生きたまま捕らえたいから」

『『わかった~』』

「よろしく」


 僕は転移して地上に戻る。辺りは森で木々が生えている。一緒に落ちた木を使ってモンスターが登ってくるかも知れない。仕方ないので全て回収させてもらおう。


 回収が終わって広場のようになればガー君に乗って先に進む。しばらくしたらまた同じ方法で落とし穴を作成する。三つ程作れば次は左右の森に仕掛けを行う。


「土の精霊さん、地面を掘り返してこれをこの方向に埋めてしっかりと固定しておいて、範囲は広場の左右300メートルくらいで」

『わかった~』

『たりなかったら~?』

「任せるよ」


 さて、オーク達は……うん、まだ準備しているね。なら、もうちょっと準備しようか。先程回収した木の枝をゴブリン達から取ったショートソードで切り取っていく。すぐにショートソードが折れた。仕方ないので折れた剣は精霊さんに渡して予備のショートソードを取り出して時間停止を行なって強度を確保する。


[剣術Lv.1と木工Lv.1を習得しました]


 丁度いいのでこのまま鍛えてしまおう。しばらく枝を切り落とす作業を行なっていく。すると暇な風の精霊さんと火の精霊さん達が手伝いを申し出てくれたので手伝ってもらう。風の精霊さんには枝を切り落として輪切りをして丸太にして貰う。火の精霊さんには丸太の水分を飛ばして貰う。それが終われば風の精霊さんに先端を尖らせて貰う。


「これだけだと強度が足りないなー」

『鉄、鉄~』

「鉄はそんなに無いよ。魔力は回復しているし、時間を停止させればいいか」

『お~?』


 丸太に時間停止を最小で発動する。最小の為、効果時間が一分と少ないが構わない。基本的にはアイテムボックスに入れっぱなしにする。あ、実験も兼ねて試してみないとね。


 実験の結果、出している間だけ時間が進むのが確認できた。これで強力な武器が出来た。普段の武器は初期装備だけあって安物なので使わない。安物の武器にするくらいなら使う魔力でアイテムボックスを作った方が儲かるだろうし、車両とレールの作成という大きな作業が控えているのも理由の一つ。それに今から魔力はいっぱい使うしね。

 準備が終わると木工は3、剣術は2になった。魔力の量は九割まで回復しているし、行動を起こしても問題は無い。


「よし、行くか」

『『おお~!』』


 千里眼でオークの住む村を確認する。確か128体も居たはず……って増えてるし。これは見落としがある? 詳しく調べなきゃいけないね。

 調査を開始すると原因は直ぐにわかった。なんてことは無い。ただ、大量に巨大なオークの女性から生まれてきただけだった。その隣には巨大な青いオークが居る。普通のオークは筋肉隆々の緑色の肌をした豚の顔を持つ2mくらいの身長で、青いオークは2.5mくらい。その青いオークの中でも一際巨大で3mはある。凄く強そう。しかし、一回の出産で50体くらい生んでいる。それが直ぐに大きくなっているのだから驚愕する。豚は普通一回で10体くらいしか生まないし、成長速度も異常だ。それに何人か人も捕まっている。


「うわぁっ、共食いだ」


 生まれた一部の子供を食べて栄養を補給したのか、隣の大きなのとその、アレをして作っている。改めて数えてみると、288体に増えている。放置したら明らかにやばい繁殖力だ。


「よ、よし、行こう!」


 頬っぺたを叩いて気合を入れてからガー君をアイテムボックスに入れる。それからショートソードを引き抜き、空間認識を使って精密に計算してから短距離転移を行う。同族の女性とよろしくやっている青い巨大なオークの頭部に転移をする。頭の中にショートソードが重なるようにして。


「グギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァッ!?!!?!?!?」


 オークの絶叫が周囲に轟く。ゆっくりとその巨体が倒れていく。


「ぶぎぃいいいいいいぃぃぃっ!!」


 悲しそうなオークの悲鳴が聞こえる。そんな時、システムメッセージが流れて来た。


[ハイ・オーク・ジェネラルを討伐しました]

[剣術Lv.2のスキルがLv.6に上昇しました。時空魔法Lv.2がLv.4に上昇しました]


 ジェネラルって絶対強い奴だよね。それが一撃とか、調やユエに教えてもらった空間魔法の使い方だけど、恐ろしい。


「ぷぎぃっ!!」


 そんな事を思っていると、女性の声が響くと大量の足音がこちらに向かってくる。


「逃げなきゃ!」


 短距離転移を発動して逃走する。


「え?」


 オークの女性が叫んだ瞬間、短距離転移がキャンセルされた。慌ててログを確認してみる。


[転移禁止エリアです。エリア外に対する転移魔法がキャンセルされました]


「嘘っ!?」


 まさかの転移禁止に僕は汗をダラダラと流す。落ち着け、落ち着け。大丈夫。大丈夫だ。まだいくらでも方法はある。


「ガー君! ライちゃん!」


 ガー君ことガルムとライちゃんことドリルホーン・ライノクスをアイテムボックスから取り出す。直ぐにでもガー君に飛び乗る。ライちゃんには届かないし仕方ない。


「ライちゃん、突撃して道を切り開いて! ガー君はライちゃんの後ろを走って!」


 指示を出すとすぐにライちゃんが角を高速回転させてオーク達に突撃していく。3mもある巨大なライちゃんの突撃にオーク達は光る角によって身体を粉砕されて飛散していく。更に飛散したオークの身体も散弾として効果を発揮し、オーク達に被害を出して道を切り開いていく。その後ろに続くガルムは流れ出たオークの血を使って狼を作り出して襲わせる。僕も震えながら鞭を使って懸命にしがみつく。


 オークの囲いから脱出したら罠を仕掛けた方に逃げる。ライちゃんはアイテムボックスに戻って貰ってガー君だけで後続を待つ。オーク達は血眼になって僕に向かって来る。手には様々な武器を持っていて、ハッキリ言って物凄く怖い。


「離さないように誘導して」


 ガー君にお願いしてオーク達を引き連れていく。大量のオーク達は何も考えずに突撃してくるので楽だった。すぐに罠の場所に到着した僕達はその上を通って罠の先で待つ。


「ぶひぃいいいいいいいいぃぃぃっ!!」


 待っているとオーク達が雄叫びを上げながらこちらに走ってくるのでタイミングをみて時間停止の魔法を解除する。すると地面がオーク達の重さに耐え切れずに崩落してシンクホールが出現する。当然、上に居たオーク達は落ちていく。後続の連中は止まれずに彼らも落ちていく。しばらくすると大量のオークが落ちた。けれど、彼らはまだまだ居る。


「逃げるよ」


 僕はガー君で直ぐに逃げる。オーク達は左右の森に別れて入って僕を追ってくる。だけど、そこにも罠がある。森に入ったオーク達は直ぐに悲鳴をあげる。左右の森で足を短剣や剣などに貫かれたのだ。そう、左右の森にはゴブリンが使った武器を多数、刃が地面から出るように固定して埋めてある。そこを裸足のオークが踏めば自身の体重で突き刺さって被害が大きくなる。それに精霊さん達が草木を使って足を引っ掛けたりと妨害をしてくれる。

 オークは屍を築いてこちらに出てくる。そして、沢山出てきた所をまた落とし穴、シンクホールに落とす。流石に六割ほど数が減ればオーク達も立ち往生しだした。森に入っても被害が出るし、前を進んでも同じ事の繰り返しだと分かったのだ。


「さて、どうしようかな?」


 ガー君の頭を撫でながら考える。本来ならここで転移魔法を使って攻撃するつもりだったけれど、禁止されているなら……って解除されてる。ログを確認すると禁止エリアから出た事が表示されていた。


「よーし、ここは……」

「ぶっ殺すの、手伝ってやる、です」

「え?」


 後ろを向くとシルバーウルフに乗ったフランとユエが居た。彼女達の背後には多数のシルバーウルフが居る。


「リン君、一人で危険な事をしないでください」

「ご、ごめん。でも、よくわかったね」

「あれだけ騒がれたら誰でも分かるぞ、です」

「そうですよ。それで、リン君。豚さんをどうしますか?」

「それなんだけど……」


 罠が後一つある事を教えるとどうするか悩み出す。するとオーク達は村から弓を持ち出して来た。しかし、鼻息を荒くしているオークが沢山居る。


「時間がない。何か方法はないかな?」

「分かりません。ごめんなさい」

「いや、僕も思い付かないから」

「仕方ねえ、です。いっちょ脱いでやるか、です」

「え? 方法があるの」

「任せろ、です」


 フランはおもむろに服を脱いで寒空の中、素肌晒して半裸になった。


「ちょっ!?」

「何しているんですか!」

「ん、アレ」


 フランが指差した先に居るオーク達は半裸のフランを凝視して、信じられない事にそのまま突撃してきた。


「「「ぶひっ、ぶひぃいいいいいいぃぃぃっ!!!」」」

「うわぁっ……」

「最低ですね。このロリコン共」

「オークは単純で扱いやすいぞ、です」

「あはははは、逃げようか」


 シンクホールに落ちていくオーク達は味方を足場にしてこちらに向かって来るが登れないと判断して、森から進んで来る。僕達は逃げて次のシンクホール作成地に向かう。直ぐに追ってくるオーク達をシンクホールに落としてやる。


「さて、ここからは普通に狩るしかないよ。フランは大丈夫?」

「問題ねえ、です」


 フランは背中に持っていた大きな杖を空中に掲げて大量の魔力を使う。


「ストーンピラー」


 空から大量の石の柱が落ちてくる。それらはオーク達を叩き潰していく。どう見てもワーウルフの戦い方じゃないと思う。


「アースジャベリン」


 今度は地面に杖を突き刺したと思うと地面から土の槍が出て来てオーク達を貫く。大規模な範囲攻撃で数がかなり減った。


「後は殺れ、です」


 フランの言葉にシルバーウルフ達が残敵を掃討に掛かる。


「私も行って来ますね」

「あー、僕も行くよ。ガー君はフランの護衛をお願い」

「守られてやる、です」


 片手に鞭とショートソードを持って戦いに入る。安全の為に時間を停止して、更に時間経過で僕自身を加速させる。止まった世界の中で動けるのは僕とユエだけ。


「リン君も覚えたんですね」

「うん。便利だからね」


 眼を瞑りながらオークにショートソードを突き刺す。いやな感触が手に……いや、料理してたら肉を切る感覚なんて覚えるからそこまでじゃないかも知れない。さっきの大きいのは生やしただけだから何も感じなかったから気付かなかった。取り敢えず、平気なのがわかったからさっさと狩って行こう。剣術がLv.6のお陰で何処をどういう力加減で切ればいいか理解出来るので簡単に切り裂いていく。ショートソードが折れたらオークの剣を貰って切っていく。時間停止の効果時間が終わるとオーク達も動き出すので鞭を使って妨害しつつ倒していく。


 しばらく狩っていると遠方からオークの巨大な女性に率いられた男女のオークがやって来る。それを見て、僕はさっさと終わらせる事にした。


「フラン、僕の足元に石柱って作れる?」

「出来るに決まってるぞ、です」

「ならやって。高さは高い程いい」

「任せろ、です」

「では、私は雑魚敵を倒しますね」


 ユエ達に任せて僕はフランの作った石柱に乗って高い位置に到着する。そこから先端の尖った丸太を取り出して身体強化とドワーフの腕力で思いっきり投擲する。同時に時空魔法Lv.4で覚えたゲートの魔法を使う。これは移動の魔法だ。丸太を重力も合わせて充分に加速させてからゲートを潜らせて巨大な女性オークの背後へと移動させて足を突き刺す。


「ぴぎぃいいいいいいいいいぃぃぃぃぃっ!?」


 どんどん投擲して手足を地面に縫い付ける。気分は巨人討伐だ。もちろん、何本かは防がれたけれど問題無い。大きな女性を倒したら殺さずにおいて転移する。転移魔法はログを確認するとエリア外に対して使えいないだけで、内部の空間から内部の空間に関しては問題なく発動出来た。なので、転移して大きな女性を助けようとしている女性オークを剣で軽く足を切って鞭で拘束する。すぐにエクストラテイミングを使って抵抗出来ないようにしていく。男のオークに比べて女のオークの比率は少ないので生きたまま確保するのが大変だ。こいつらにエクストラテイミングは使いたくないけれど今は仕方ない。後で牧場に入れたら解除しよう。ワーウルフ達の怒りの矛先を向ける相手になってもらおうと思う。簡単に言えば牧場で繁殖させて訓練と食料の確保、両方に役立ってもらうつもりだ。もちろん、僕の計画じゃなくてお母さんが僕の話を聞いて計画した内容だ。

 周りが安全になってきたら大きな女性をエクストラテイミングでテイムする。これでオーク達は散り散りになって逃げようとする。僕は空間設定で周りを隔離して誰も逃がさなくする。それから程なくしてオーク達を全て狩れた。


「さて、テイムしていかないとね。ユエとフランは武器と死体の回収をお願い」

「分かりました。リン君、時間停止を追加してください」

「了解。そうだね、僕の指輪をフランに貸すよ」

「いいのか、です?」

「いいよ。助かったからね」

「借りといてやる、です。返さなくてもいいか、です?」

「駄目。大切な物だからね。後で別のをあげるから返してね」

「それは婚約指輪なんですから駄目です。リン君も婚約者以外に渡したら駄目ですよ。今回は許しますけど」

「ちっ、仕方ねえ、です」


 ユエの指輪に時間停止を付与してからオークをテイムしていく。数時間掛けてシンクホールの中も綺麗にした。途中でテイムしたオークが大量になって来たので先に牧場の一つの空間に転移してそこをオーク牧場にした。後はゲートを繋いだ後、オークを入れていく。しばらくはテイムしたままでお母さんが作るハーブを食べさせる。大きな女性オークことオーク・クイーンにはどんどん産んでもらって子供にハーブを食べさせて育ててもらう。その後、ワーウルフの人達に新たに生まれた子供以外は食料に変える事になる。これらの作業が終われば後処理としてシンクホールの蓋を閉じて落とし穴をもう一度作る。


「朝方まで掛かっちゃったね」

「仕方ないですよ」

「んん~眠いぞ、です」

「そうだね。寝ようか」

「はい」

「ん」


 ツリーハウスに戻って仲良く三人で眠った。起きたらティナや調に怒られて風呂場に放り込まれた。その後、オークの肉を食べてみたのだけど、これが癖が強くてあんまり美味しくなかった。なんていうか安物のお肉って感じ。これはミノタウロスの肉に期待するしか無さそうだ。






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