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パラベラム  作者: BULLET
第1章  異世界転生編
2/11

第2話 獣人との邂逅

このペースで進むとすぐにネタがなくなりそう…

最新です!ケモノっ娘は必要だよね!!(ドヤッ

見渡す限り木、樹、木、木。

どうやら落とされたのは森の中らしい。


「んで、どこだよここ…」


マサトはため息をつきながらひとりごちっていた。

どうやら落とされてからしばらく気絶していたらしい。

現在、森の中ということしか解らない。


(そう言えば俺にぴったりの能力がどうとか言ってたっけ?)


まるでタイミングを見計らったように空から1枚の紙が降ってきた。


(なんだ?これ?)


どうやら手紙のようで、一番上には[ヒイラギ マサトへ]と書かれていた。


「手紙…?あの自称神からか…!」


内容を読んでみると…


《やあ!元気かい?いきなり落としてゴメンネ?テヘペロ!》


…1行目で破り捨てたくなった。

まずい、イライラしすぎて破ろうとしてしまう。落ち着け俺の右手!

破りたい衝動を抑えながら手紙を読み進めていく。


《ところで君は転生したんだが、肉体的スペックも記憶、知能などは向こうの世界と全く同じになっているから!

向こうの世界と違う点は特にないね。ただし、1つ能力を追加しておいたよ!

ほんと優しい神様だよね!

それで、肝心の能力なんだけども…君の部隊に支給されていたパワードスーツ、PDAを使えるようにしておいたから好きに使ってね?

それじゃ、頑張っネ☆!》


そう言われてみれば、俺は向こうでも使っていたアーマーを着込んでいた。

能力というのは向こうの武器を使えるということか?

魔法というものにどれだけ対抗出来るのかわからんが…


(ん?まだ続いてるな?)


手紙はまだ終わりではなかった。


《PS,PDAのアイテム、弾薬等は全部×5しかなかったから×∞にしておいたよ〜!》


…何そのチート?

武装無限とかおかしいだろ…


俺は早速PDAを操作の確認をしてみた。

PDAの画面を開くと、使い慣れた画面が出てきた。

画面はシンプルで、

ARMOR-兵装、 AMMUNiITION‐弾薬、 ARMORY‐兵器、ITEM-物資、 SUPPORT ATTACK-支援攻撃の5つのみ。

試しに兵装でいつも使っていた装備を選択してみる。


「お、ちゃんと出たな。」


選択したのは89式小銃とM9A1だ。


「アーマーは…カーボンタイプにしておくか。」


選択すると、アーマーはカーボンブラックのカラーに変更された。


「さて…と、移動するか。とりあえず南に…煙か?」


南の方を向くと、遠くに黒い煙が見えた。何かが燃えているらしい。


(少し急いで行ってみるか。嫌な予感がする…)


俺は嫌な予感がして走り出した。






















数分後


「これは…クソッ虐殺かよ!」


ここは村だったのだろう。だがその影はもうない。

家屋は焼かれ、村人、家畜に至るまで死体となっていた。

そして村の中央と思われる場所には30人ばかりの男たちが剣を抜いて佇んでいた。


(盗賊…ではないな…装備が統一されている。傭兵…いやどこかの部隊だな。)


男たちは皆白い鎧を着けていた。そしてみんな剣や槍で武装していた。

だが一人だけ、白いローブをつけた男がいた。


(やつが指揮官らいしな。)


男たちのうちのひとりが何かを言っていた。

俺はゴーグルの索敵スイッチを入れ、聞き耳を立てていた。

このゴーグルはフルフェイスタイプで、これひとつで暗視ゴーグル、望遠鏡、索敵レーダーを搭載した新型だ。


『マラス様、生き残りはいないようです。』


『いや…そこに2人ほど隠れている。』


指揮官マルスというらしいは近くの小屋を指差すと、部下の男たちが小屋へ向かった。

しばらくすると、小屋に入っていった男たちは2人の少女を連れてきた。

…ケモノのような耳と尻尾を生やしていたが。


(獣人と言う奴か?ほんとに何でもありだな…)


2人の少女は男たちに囲まれ怯えていた。


「…さて…殺るか」


男たちのひとりが剣で少女を貫こうとする…


ガキン!


「何だ?貴様ァ?」


「抵抗していない、しかも女の子に向かって剣を振るうなんてちとやりすぎじゃないか?」


俺は少女と兵士の間に入り、アーマーで剣を防いだ。


「アァ?獣人なんぞ生きてる価値なんかねェんだよ!」


「そうか…見逃してくれれば生かしておいてあげたのにな…」


「死ねや!!」


ダダダッ


兵士が剣を振り上げた瞬間、俺は背中に背負っていた89式小銃を兵士の頭部に突きつけ、5.56×45mmNATO弾を3発叩きつけた。

頭部をやられた兵士は、そのまま崩れ落ちるように倒れた。そのほかの兵士達は何が起きたかわからず、だだ呆然としていた。


「てめぇら…生きて帰れると思うなよ!」


ダダダダダダッ


3点バーストからフルオートに切り替え、ただ突っ立っていた兵士達に銃弾を叩き込んだ。

兵士達は為すすべもなく、次々に倒れていった。

最後に残ったのは指揮官の男だった。


「くっ来るなぁ!」


先程の銃撃で足をやられたらしく、貼って逃げていた。


「おいおい、今まで散々やっておいて自分は助けてくれ?馬鹿言ってんじゃねえよ!お前は一番死ななきゃいけねえんだよ!」


股のホルスターに入れていたM9A1を指揮官の頭に突きつけた。


「まっ…!」


パァン!


指揮官の男はそのまま動かなくなった。


(終わりか…)


「おい!君達、大丈夫か?」


俺は少女達の方へ歩いていった。


「あ、う、うん…えと、ありがとう…」


「あ、ありがとうございます!」


少女達は呆然としていたが、自分たちが安全だとわかると、マサトに礼をしてきた。


「礼は後でいいから早く移動しよう。奴らの仲間が来るかもしれない。」


そう言うとマサトは少女達の手を取り、森へと進んでいった。



















「ちょ、ちょっと待って…!」


少女のひとりが肩で息をしながらそう言ってきたので、止まると、もう一人も肩で息をしていた。


「あ、すまん、ペース早かったか?」


「じゅ、獣人より体力あるとか…なんなのよ…」


息が整ってきたのか、少女は心底驚いたように言っていた。


「あ、あのう…」


もう一人の少女はまだ肩で息をしていたが、ひとつの提案をしてきた。


「このあたりで野宿しませんか?

ここからだと馬車でも1日は掛かりますし、もう日が暮れてきたましたから。」


確かに街にこの子達を連れて行くには夜の森は危険だし、何より体力が持たないか…


「そうだな…ちょうど拓けた所に出たし、ここで野営するか。」


PDAを操作し、テントを取り出す。

出てきたのは2人用のテントが1つと寝袋が2つ、レーションが3つだ。

レーションは自衛隊の戦闘糧食Ⅱ型で、その中のカレーを温めて食べる。


「…はい、出来た。どうぞ。」


「…?ありがとうございます。えっと…」


「ん?あぁ、俺?俺はヒイラギ マサトだ。よろしく。」


「わ、私、リナって言います!先程は助けていただいてありがとございました!」


「私は、マリ。リナの姉よ。さっきは本当にありがとう。」


「気にするな。たまたま通りかかっただけだから。はい、マリ。」


「あり…がとう。ところでこれ何?」


「ん?カレーライスだけど?」


…ふたりは珍しそうにカレーを見ている。

この世界にはカレーがないのか?

あ、食べた。


『おいしい(です)!』


少女達はそう叫ぶと口に駆け込み始め、ものの数十秒で空になった。

満足そうでよかった。


「食欲はあるみたいだな。良かった。」


俺はそう一言言うと自分の晩飯を食い始めた。

…やっぱり自衛隊のカレーは口当たりがいいな。明日は和食にしてみるか。


「ふたりともあの村で暮らしてたのか?」


答えたのはマリだった。


「えぇ、生まれも育ちもあの村よ。みんな優しくて、村全体が家族同然だったわ。それなのに…あの帝国が!」


「帝国?」


「はい。このソロモン王国の南に位置する大国、ノルマン帝国です。」


「その帝国がどうして王国領土内にいたんだ?」


「…一ヶ月前、帝国が宣戦布告してきたのよ。『この世は人の世であり、神の教えに従い獣人は抹殺する!』ってふざけたこと言い始めてね。しかも従わない場合は侵攻するって脅したのよ。もちろん、王国は獣人が国民の半分ほどを占めているし、突っぱねたのよ。そしたら侵攻してきたの。」


「…なるほど、人種…いや、宗教関連の問題か。」


「あ、あの…マサトさんはどこに行こうとしているんですか?」


いきなりだな…


「特には無いぞ?」


そうするとリサはフサフサの尻尾を激しく振っていて、まるで犬が喜んだ時のようになっていた。


「じ、じゃあ!つ、ついて行ってもいいです…か?」


「へ?」


「お願い!」


まぁ男の一人旅ってのも味気ないし、こいつらをここで置いていくのもなぁ…


「まぁ、良いけど…」


『ありがとう「ございます」!』


「お、おう?」


いきなりテンション上がったけど、なんかあったのか?


「ねぇ、なら王都に行ってみない?あそこなら人も物も多いわよ?」


王都か。確かに王都ってのも興味あるしな。


「よし、じゃあ王都に行こう。

道はわかるのか?」


「は、はい!前に父と行ったことがありますから!歩きでも3~4日といったところです!」


「じゃあ、早めに寝よう。明日は歩きづめになりそうだし、体力回復しとかないとな。ふたりは寝ててくれ。火の番はやっておくから。」


「はい、それじゃ、お言葉に甘えて。

おやすみなさい。」


「おやすみ。…ありがとうね(ボソッ」


「ん?なんか言ったか?」


「なんでもな〜い!おやすみ〜」


そう言うとふたりはテントの中に入っていった。


(なんだ?ま、それより無人偵察機(UAV)を飛ばしておこう。俺も今日は疲れたし…)


こうして異世界最初の夜は更けていった。

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