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実験小説『イケベ大公爵家の日常』  作者: 西村紅茶
ご説明と登場人物一覧
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この作品の形式と趣旨&お読みになる上での注意事項 あるいは言い訳とお願い

この作品の読み方:


 この作品は【一人称多人数視点】で書いてみる、すなわち〈side ○○〉〈side out〉形式の小説をさらに一歩進めるとこのようになるんじゃないかという実験小説です。本作品では当サイトの章管理機能を利用して、話を視点人物ごとにまとめてあります。そのため目次の上から順にでなく、第〇話と書いてある話を順に読めば話の筋が追えるようになっています。それ以外の話は直接本筋と関係しない、あるいは本筋から分岐したサブエピソードになっています。そのような章立て(本来的な章立てとは少し意味が違いますが)の都合上、最新話は必ずしも目次画面の一番下には追加されません。最新話は『割り込み投稿機能』によって追加されることが多いです。

 そのためお気に入り小説に登録をしていただいても、小説更新の通知がされないことが多いです。

 小説更新の際は活動報告に書き込みをするようにいたしますので、本作品の更新通知をお望みの方は、西村紅茶をお気に入りユーザー登録してくださいますようお願いいたします。




言い訳とお願い:


 私は以前、この『小説家になろう』で『俺は、せっかくだから〈side ○○〉〈side out〉形式の小説を擁護するぜ』という題名のエッセイを書いた。


 このエッセイは『小説家になろう』でよく見られ、しかもよく批判されることについて擁護する目的で書かれたエッセイだった。


論点は四つあり、すなわち以下である。


①〈side ○○〉〈side out〉等のように視点を変える手法


②wwや(笑)や(・∀・)などのネットスラングの使用とか


③そもそも模倣作品が多いので世界観にオリジナリティーがなく、そのために、中世ヨーロッパ風 とか 江戸時代の街並み というような“情景描写”手法さえまかり通る


④そもそも途中でエタッてる作品が多すぎる。





そして私は、この論点についてエッセイを書き、多数の方から感想欄にて様々なご意見を頂いた。


頂いたご意見のなかには無条件で賛同できるものもあったが、少しばかり気になるご意見もあった。


以下のようなものである。




【①〈side ○○〉〈side out〉等のように視点を変える手法】について


・小説を書く上で、視点人物をころころ変えるのはどうなのかというご意見。


・文章の中でさりげなく読者にそれと悟らせるのでなく〈side ○○〉〈side out〉等の明記によって視点の変更を行うのは、技術の不足からくる甘えの技法ではないかというご意見。


 


【④そもそも途中でエタッてる作品が多すぎる】について


・小説を完結させるのは大事なことだから、どうしても書けない場合は夢オチでもなんでもつけるべきだというご意見。



 そして私はそれらのご意見に対して感想欄で返信をさせていただいた。


 個別のご意見に対して、私が長々と書かせていただいたお返事を要約して纏めると、おおむね以下のようなものになると思う。




++++++


いわゆる旧来からの、テーマやそのためのストーリーが確固としてある、例えば『オオカミ少年』のような小説であれば、その小説はきっちりと完結させる必要がある。


ストーリーや、ストーリーから導き出されるテーマがはっきりとある小説は、途中でエタろうものなら、何が言いたかったのかが分からなくなって、その小説の存在意義自体が無くなってしまうからである。




しかし、楽しい設定や魅力的キャラクター優先の小説であれば、テーマも弱ければ、ストーリーもあってないようなものだったりすることも多く、そのような小説の存在意義は、読んでいて読んでいる最中に楽しいことと、今までになかったような、あるいは今までより多少なりとも進歩・熟成した、設定やキャラクターを読者に提示することなのだから、ストーリーが完結しているか、完結していないか、はどうでもよい。




そして〈side ○○〉〈side out〉等のように視点を変える手法は、そのような、設定・キャラクター優先の小説に適合する記述方法である。




設定・キャラクター優先の小説は、なにしろ『キャラクター優先』というくらいだから、小説の登場人物が、ストーリーを展開させるための、単なる役者としての役割のみならず、その登場人物固有の人格を持つような傾向がある。


つまり一個の人格を持ったキャラになるのである。




例を挙げれば、人気のラノベやアニメやゲームなどのキャラクターが、二次創作の作品で、全然原作とは関係ないストーリーの中で行動していたり、あるいは二次創作のクロス物といわれるジャンルでは、キャラクターが単独で全然別の作品世界に出張したりしている。


つまりこれは、小説の登場人物がその作品に固有のストーリーを展開させるための単なる役者ではなく、そのストーリーや作品世界を離れても独立して存在し得る、固有の人格を獲得した、すなわち『キャラクターの自律化した小説』ということである。




そのような『キャラクターの自律化した小説』というのは、小説中の登場人物が、ストーリー展開上の単なる役割としてあるのでなく、それ自体自立した人格を持っていて、その人格すなわち、もはや単なる小説のストーリー展開上存在するに過ぎない役者ではなく、もはや『彼ら彼女ら』というにふさわしいキャラクター達の群像劇を、それぞれのキャラクターごとの心理描写も交えながら描写する。……というような形式の小説だと(私は)思う。




そのような形式の小説を書くとなるとどのような記述方式がよいか?


従来の小説形式で似たものを探すとすれば、それは戦記物になると思う。つまり、視点人物がころころ替わるという点で似ている。


何も戦記物に限らず、視点変更のある小説はたくさんある。


では何が不満なのか。なぜ〈side ○○〉〈side out〉なんぞ使うのかというと、そのような、頻繁な視点移動のある小説は、主人公視点、あるいは視点移動をした場合でも、三人称を用いていることがほとんどであるように見受けられる。




『キャラクターの自律化した小説』というのは、それぞれの魅力的なキャラクターの一個の人格を描き出すような小説であるから、外から見て分かるキャラクターの言動・行動のみならず心理的描写も含めて一個の人格をねっちりと描きたい。


そうすると、キャラクターの心理描写にどっぷり没入するためには、三人称でも描写することは可能ではあるが、没入の度合いをより深めるためには、やはり一人称をチョイスすることが必要なように思われたりする。


そして、その『魅力的なキャラクター』は何人もいたりする。




纏めて言うと『一人称で、なおかつ頻繁に視点移動をしたい』ということになる。




三人称であれば、視点移動をしたとて、


「佐藤一郎は走った。佐藤一郎は田中次郎を殴った。佐藤一郎はゲロを吐いた」


 などのように文章の中で登場人物の名前を連呼できる。




しかし、一人称の視点移動はどうか。


従来から恋愛小説などで、恋人同士の主役二人の間で一人称視点が交互に移動するなどという手法はあり、三角関係用の当て馬男(或いは女)をもう一人くらい一人称視点で登場させるようなこともあったかもしれない。




しかし、一人称の視点移動が四人、五人となってくるともう見分けをつけるのが難しくなる。


周囲の人物に名前を呼んでもらうとか、~佐藤一郎の何月何日の日記より~などと色々に小細工をすれば一人称多人数視点移動も可能かもしれないが、それも頻繁になってくると、やはり根本的に無理がある。




そうなるともはや残された手段は〈side ○○〉〈side out〉しかない(のかもしれない)。


そう、すなわち〈side ○○〉〈side out〉とは【一人称多人数視点移動】のことである。






結論として、


〈side ○○〉〈side out〉等の明記によって視点の変更を行うのは、技術不足の甘えからくる技法であるとまで確言できるとまでは言えないと思う。


つまり、

 ・キャラクターをその内心にまで踏み込んで十全に描写したい。

 ・その描写の没入具合を高めるためには三人称ではなく一人称が必要だ。

 ・それなのに描写したいキャラクターは多人数いる!

 となると……ま、〈side ○○〉〈side out〉など視点の明記を使っちゃってもいいかもしれない、となる。


++++++


 えー、詳しくは拙作の『俺は、せっかくだから〈side ○○〉〈side out〉形式の小説を擁護するぜ』の本文及び、皆様から頂いた感想の欄を見てください。






……とまあ、ここまでのところで、自分の意見を色々言っちゃったのはいいとしても、


じゃあ、その


『設定やキャラクター優先の、キャラクターが自律化した、しかもその自律化したキャラクターが複数いる』


小説ってどんなのよ。となってくる。






――じゃあ書こう。書きましょう。


『俺は、せっかくだから〈side ○○〉〈side out〉形式の小説を擁護するぜ』

などというエッセイを書いてしまった西村紅茶が書いてしまいましょう!



 そういうわけで、今回の小説は書かれる。




 この小説は、以下のような特徴を持っている。


・本文中に〈side ○○〉〈side out〉と注記するなんてケチなことは言わずに、もう一歩進めて、キャラクター数人の視点を、最初から用意して『小説家になろう』の章立て機能を利用して視点ごとにまとめる。


・でも“この順番で読むのが”オススメという通し番号は、第○話、というかたちで付ける。第○話という通し番号がついていない話は、本筋には直接影響しないエピソードである。


・上記のような章立て(本来的な章立てとは少し意味が違うが)の都合上、最新話は必ずしも目次画面の一番下には追加されない。最新話は『割り込み投稿機能』によって追加されることが多い。


・その小説構造上、ストーリーは単線ではなく複線になる。それなのに筆者は一人しかいないから展開はたぶん遅くなる。気長にお待ちを。


・そもそも人物や世界を描き出すことに主眼が置かれるので、ストーリーは少し薄味になるかもしれない。


・話の構造が複雑で面倒になることもひょっとしたら予測されるので煮詰まって力尽きる可能性も高いよ!


・たぶん新しい、というよりむしろ、へんてこりんな試みだと思うのでご意見を頂けるとうれしいな!




以上ッ!


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