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「魔女と鳳凰と輝夜姫」(セーラー服と雪女 第18巻)  作者: サナダムシオ


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⑥ 処遇の決定

「取り敢えず、カグヤさんの次の方針が決まるまで、ウチで面倒見てあげたら?地下2階か3階に、あなたのニンゲンコレクション用の客室が、たくさん有るわよね?どうせ一人増えても、どうということも無いでしょ?」


 カグヤから、今までに体験した、その他の武勇伝を聞いた後、雪子がサン・ジェルマンに、そう言って説得しかけた時だった。

 エレベーターの扉が開いて、中から村田京子が出て来たのだ。


「…もう。買い物から帰って来たら、レストランはもぬけの殻なんだもの。みんなこんな所に居たのね。一体何をして…?」


「今日から伯爵が、地下の客室に、もう一人女性を囲おうという相談が、今まとまったところなんですよぉ〜。」

 由理子が、とても誤解を生み易い言い方で、状況説明をした。


 そう言われた京子がベンチを見ると、見慣れない、控え目に言っても、かなり可愛らしい巫女姿の、女の子が座って居たのだった。

 京子は少し考えた後、こう言った。

「…実家に帰らせていただきます。」


「ああ、京子さん、ちょっと待って、大きな誤解が!」

 サン・ジェルマンは慌てて京子を引き止めた。

「ちっ。」

 雪子が小さく舌打ちしたのを、京子は見逃さなかった。


「何かしら。事情が有るなら聞かせて下さる?」 

 帰りかけた脚を止めて、冷静に京子が訊いた。

 サン・ジェルマンは、現在のややこしい状況を、彼女に必死に説明したのだった。


「…と言う訳で、別に私は側室を持とうとか、愛人を囲いたいとか、思ってませんので。私はいつでも京子さん一筋ですよ。」


「あら、そう…それなら。」

「…でも、私のことは愛しているのよね?」

「だから、雪子さんは話をややこしくしないで下さい。」


「雪子さん、アナタが過去に、私のサン・ジェルマンとどういう関係があったのかは、知らないわ。」

「…。」


「でも今は、私のサン・ジェルマンなのよ。妙な横ヤリは入れないでちょうだい。」

 京子が雪子にピシャリと言った。

 雪子は、それきり口をつぐんだ。


「じゃあ、取り敢えず、カグヤさんの宿泊場所はこことして…せっかくだから、誰か彼女を、名護屋の街に案内とか紹介とか、しますか?」

 鷹志がそう言うと、由理子がそれを買って出た。


「は〜い。私、行きま〜す!…鷹志も一緒にね?」

「え〜っ、研究が途中なんだけど…。」

「なによ。イヤなの?」

「…行きますよ。」


「よし。決まりね!」

 そう言うと、由理子は右手にカグヤ、左手に鷹志の手を握って、エレベーターに入って行った。


「じゃあ、また。のちほどね!」

 元気にそう言うと、彼女は扉を閉めて、エレベーターで上がって行った。


「やれやれ。まるで嵐の後のようですね。」

 サン・ジェルマンが言う。


「でも、何だか不憫ね。遥々遠くから、想い人を探しに来たのに、その人には、将来を誓い合った相手が居たなんて。」

 そう言って京子は雪村を見る。


「え、僕?僕は別に悪くないよね?」

 そう言って雪村は雪子を見る。

 雪子は知らん顔をしている。


「まあ、でも、真面目な話、誰か彼女に似合うオトコを、探してあげたいわよねえ?」

 香子がそう呟くと、皆が彼女の方を見た。

「えっ、アタシ?アタシは無理よ。愛知県の教員の忙しさ、舐めないでよね!」


「…仕方無い。やっぱり私が一番ヒマだしね。ソレ、引き受けるわ…雪村と一緒に。」と雪子が言った。

「うん、うん、それがイイよ…って、ええっ!?」

 コレは雪村の悲痛な嘆き。


「また、弓子さんとの逢瀬の時間が、削られる〜。」

「タイムマシンを使えば、時間なんてアッと言う間に取り戻せるわよ。」などと、不届きな事を言う雪子であった。


挿絵(By みてみん)

 


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