④ スキルとチカラ
「おっと。」
雪村は咄嗟に、部分的な精神防壁…つまり有りていに言えばバリアで、対処した。
「何を焦ってるの?せっかちなヒトだなあ。」
「すいません。あんまり嬉しくて、つい…。」
と言いつつ、疾風のような左ローキック!
雪村はコレにも部分バリアで反応。
その後、しばらくの間、同じような攻防が続けられた。フィジカルな攻撃は、全てカグヤからのみ。それに対して雪村は、ひたすら精神波による防御壁を、出し続けた。
「ねえ、雪村の闘いぶりを、初めて見たご感想は?」
雪子が香子に尋ねる。
「チカラの差がエグいですね。アリとゾウの闘いのようで、カグヤさんが気の毒です。」
「やっぱりそうよねえ。あの子一体、どういうつもりなのかしら?」
そんな話をしていると、カグヤがナニやら違うアクションを見せ始めた。
「やはり、通常の腕力・脚力では、歯が立ちませんね…では、コレは如何かしら?」
彼女はそう言うと、両腕を胸の前に突き出し、二つの掌と親指で、小さな三角形の枠を作った。
そして、その真ん中に向けて、「發っ!」と短く強く息を吐いた。
するとそこから、三角形に発光するエネルギー波が、いくつも断続的に発射され、雪村を襲った。
しかしそれも、部分バリアによって、全て難なく弾かれてしまう。
「今のは、惜しかったわよね…。」
そう言いかけた香子をその場に残し、雪子は黙ったまま、突然、戦闘中のカグヤの背後に、ツカツカと近づいて行った。
そして、彼女はイキナリ後ろから、カグヤの巫女服の上着をずり降ろしたのだ!
「きゃあああっ!?」
突然の事に、胸を隠してしゃがみ込み、悲鳴をあげるカグヤ。
雪子、御乱心か!?皆がそう思った時、彼女が静かに呟いた。
「…やっぱり、そうだったのね。」
そう言いながら、彼女が見下ろす、露わになったカグヤの肩甲骨には、小さな可愛らしい翼が一対、生えていたのだった。
「突然、変な事をしてごめんなさい。あなた、フルネームは?因みに私こと真田雪子は、真田がファミリーネームで、雪子がファーストネーム。」
カグヤは、恥じらいに顔を赤らめながら言った。
「私はカグヤ。我が家に先祖代々伝わる戦闘民族の名はイシュタル。フルネームは、カグヤ・イシュタルよ。」
「やっぱりビンゴね。今のワザでピンと来たわ。アレはつい先日見たばかり。あなた自身か、あなたの親戚が、過去の地球…つまりガイアに来て、シュメールやエジプトに影響を与えたのよ。」




