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「魔女と鳳凰と輝夜姫」(セーラー服と雪女 第18巻)  作者: サナダムシオ


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㉛  後日談

 ヤマタノオロチの退治で、幾つかの収穫というか、イイ事もあった。


 まず、首を切り落とした後の残りの胴体だが、あっと言う間に体組織が自動分解され、消滅してしまったのだ。


 おかげで巨大な腐った死体が、辺り一帯にトンデモない匂いを放つ、という事態は避けられたのであった。コレは怪獣退治の後で、地味で意外と忘れられがちだが、大きな問題なのである。


 そして死体が消え去った後には、鍔のついていない、オリハルコンの剣のような、細長いヒヒイロカネが残されていたのだった。


 イシュタルによると、ソレが生体兵器のバッテリーの働きをしていたということだった。ソレは通常のオリハルコンより、発散しているエネルギーが強力で、側に置いておくと、人体に悪影響を及ぼすらしい。鷹志は取り敢えずソレを、出雲大社に奉納することにした。


 しかし、いつかソレは、名護屋市の熱田神宮に移送されることになると、鷹志は知っていた。

 多分ソレの名は、草薙剣クサナギノツルギであるからだ。


 事の顛末を受けて、流れでスサノオノミコトは自分という事になってしまったが…多分、長い歴史の中で、古代の人々が事件を話し伝えるうちに、イシュタルと自分のキャラクターを、ごちゃ混ぜになってしまったのだろう。鷹志はそう思う事にした。


 …すると、さしずめクシナダヒメはユリちゃん、という事になるのかな?そう言ったら、彼女、喜ぶだろうな。なんて考えながら、鷹志はニヤニヤ笑ってしまった。


「なによ?一人でニヤニヤして。気持ち悪いわね。」

 隣で香子がそう言うので、思わず鷹志は我に返った。


 今はもう、帰りの時空転位の最中だった。

 鷹志は、緑のビートルの運転席で、ハンドルを握りながら、思い出し笑いをしていたのだ。


「今日も充実した体験だったわ…それで次の予定だけど…。」助手席で香子が何か言いかけた時、後部座席から、由理子が必死になって、話に割って入って来た。


「今度こそもうダメ!春休みの鷹志は、ワタシのモノよ!次は雪子さんか、サン・ジェルマンと行って!」

「…あら、そう?鷹志君は…どう思うの?」


「…そうですね。そろそろカップル水要らずにしていただけると、助かりますけど…。」

 鷹志は、やっとそう言えたのだった。


「分かったわ。次は伯爵か、雪子さんに頼んでみるわね。」

 香子は意外にも、アッサリと引き下がった。


 由理子は内心ホッとした。実は、彼女は彼女なりに、今回の一件で思うところがあったのだ。


 姉の香子が、昔から読書家で博学だった事は知っていた。だから旅の間中ずっと、彼女は鷹志とよく話が合っていたのだ。


 しかし自分はというと、その話の輪の中に入れなかった事が多々あったのだ。

 そして、それがとても悔しかったのだった。


 春休みまでに、もっともっと歴史の勉強をして、鷹志と話が合うようにするんだから!

 そう心に誓う由理子であった。


挿絵(By みてみん)

 今回のお話は、これで完結です。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

 次回、第19巻にご期待下さい(>ω<)

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