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「魔女と鳳凰と輝夜姫」(セーラー服と雪女 第18巻)  作者: サナダムシオ


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③ 探し求めたキミ

 2時間後、真田雪村は、名護屋テレビ塔の亜空間レストランにやって来た。

 彼は今日も、グレーのフード付きパーカーにジーンズという、ラフな服装だ。


 先程の鷹志からの電話で、遠方からの客人とのことだったので、酒井弓子との楽しい逢瀬を切り上げて、出来るだけ急いで来たのだった。


 だが、そこに居たのは見慣れない顔の、巫女姿の美しい女性だった。

 ま、彼もキレイな巫女さんは、性癖にどストライクなので、悪い気はしなかったのだが…。


「初めまして。私はカグヤと申します。遥々、惑星ニビルからやって来ました。」

「初めまして。僕は真田雪村です。ここに居る由理子、香子の兄です…って香子!?」


「…なによ?」

「いや、コミケでもない所に外出とか、珍しいなって…。こんな場所で会うのも意外だから。」


「私も仕事の無い日は、コチラの冒険パーティーに参加することにしたから、ヨロシクね、お兄ちゃん!」

「あ、ああ、分かったよ。ヨロシク。」


「イキナリですけど、単刀直入に伺います。アナタが、惑星ニビルをケプラー星系に瞬間移動させた方ですか?」とカグヤ。


「はい。それは確かに僕がやったことですが、どうかこの件は、各方面にご内密に。」

「どうしてですの?強いチカラは誇るべきなのに…。」


「四次元とか五次元とかの、上位の時空の連中が、色々と五月蝿いんですよ。」

「そう…なんですね?分かりました。では内密にしますから、私の願いを一つだけ、聞いていただけますか?」


「お安い御用ですよ。何なりと。」

「じゃあ、私と無差別格闘技の試合をしてください。」

「ええ、イイですとも…って、ええっ!?」


「今、確かに承諾してくださいましたね?男に二言は無いですよね?はい、ありがとうございます。」

「え、なに?ちょっ…。」


「まあまあ、雪村、ちょっとだけ、付き合ってあげなよ。」と雪子。

「申し遅れましたが、彼女、戦闘民族なのですよ。」

 とサン・ジェルマン。


「何ですか。ソレは!?」

「逆に何を期待したんです?」とサン・ジェルマン。

「…イイですよ。分かりましたよ。」


「では、早速皆さんで参りましょう。」

 サン・ジェルマンがそう言うのをきっかけに、みんなでエレベーターに乗り、地下5階に向かった。


 目的のフロアに着いて扉が開くと、そこは直に闘技場になっていた。 全くサン・ジェルマンとは、空きあらば、何でも作ってしまう男である。


「では、我々はこちらの端で、事の顛末を見守りますから、彼女の思いの丈を、受け止めてあげてください。」

 サン・ジェルマンはそう言うと、壁際のベンチに皆を案内して、自分も一緒に腰掛けた。


「ああ、そう、そう…。」

「なんですか?」

「雪村くんは、全力を出しちゃダメですよ。ここでそんな事したら、名護屋市に、震度7の地震が起きてしまいますからね。」

「…分かりましたよ。」

 些か嵌められた感を覚えながら、雪村は答えた。


 闘技場の真ん中までカグヤを案内して、向かい合わせに立つと、雪村はこう言った。

「じゃあ、どうぞ。どこからでもかかって…。」


 彼がセリフを言い終わる前に、とんでもないスピードとパワーの一撃が、目の前の可愛らしい巫女さんの、右手から繰り出された!


挿絵(By みてみん)


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